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明かされた真実(5)
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私は投げやりの棒読みで答えた。だけど、オーナーが悪いことをしているとは知らなかったのだ。本当に、私にとっては命の恩人に違いはない。
「アイリ、彼らは大丈夫だ」
「ん?」
ウィルフォードが大丈夫だと言ったけども、何が大丈夫なのかはさっぱりわからない。
「その話は、後でな。それよりも、今は、アイリの相手を探すほうが先らしいからな」
腋汗が止まらない。だって、その相手は隣にいるし。
「ウィルフォード、そのオーナーに連絡できるのか?」
国王が目を細くして、ウィルフォードを見つめる。
「はい。居場所も把握しておりますので」
ウィルフォードの顔も引き締まる。
先ほどからニコニコしているのは、アンドレイただ一人。
「これでこの連合王国も安泰ですね。アイリ様がその方と結ばれ、お子に恵まれればなおのこと」
勝手に人の将来が決められている。
「どういうことでしょう?」
「先ほども言いましたが、アイリ様は我々にとっては救世主のようなもの。アイリ様が結婚されることで、その力が強まり、この連合王国がさらに潤うのです」
ようは、楽して平和な暮らしを送れるということだろうか。
「この世界には魔獣と呼ばれる異形の生き物が存在します。今は騎士団が討伐を行っておりますが、魔獣はけして人間より弱い生き物とは限らないのです」
魔獣によって命を落とす者がいた、もしくはいるということだ。
「ところが、ここ数年、むしろ二年。命を落とすような方はいなかったのです。理由はお分かりですよね?」
それが異界人の力と言いたいのだろう。
「アイリ様が結婚されるとその力は強まり、そしてお子様にもその力が引き継がれると言い伝えられております。また、アイリ様の伴侶となられた方は富と権力も手に入れると。それが具体的に何を示すのかは文献に残っていないため、よくわかりませんが」
存在がチートであるのに変わりはないようだ。そしてこの場合、富と権力を手に入れるのはウィルフォードである。
「そうですか。レイさんのお話はわかりました。ですが、そのときの相手はそういうことですので」
「では、こちらで捜そう。それで、問題ないな?」
私の言葉の先を奪ったのは国王だった。国王から問題ないなと言われたら、問題あるとは言えない。
「はい」
渋々と返事をするしかない。
「では、アイリ嬢。ウィルフォードの屋敷を出て、王城で暮らしなさい」
「え!」
「なっ?」
国王の提案に、私とウィルフォードは同時に変な声をあげた。
「アイリ嬢は異界人だ。異界人は今も説明したように不思議な力がある。だから、本来であれば国で保護する人物だ。知ってしまった以上、保護しないわけにはいかない」
「ちょ、ちょっと待ってください。私、ウィルフォードのお屋敷で使用人のような存在として雇ってもらっていて、掃除や洗濯や料理をしていました。私がいなくなったらウィルは」
「生活できないな」
ウィルフォードが自信をもって口にした。そこ、自信を持つところではないけれど、その言葉は事実である。
私がいなかったら生活できないのでは、と思ったことは一度や二度ではない。だから、ウィルフォードの伴侶が決まったら、もしくは次の人材が決まったら、引継ぎをして辞めようと思っていたのだ。いつまでも彼に甘えてはいけない。自立しなければという思いもあったから。
「アイリ、彼らは大丈夫だ」
「ん?」
ウィルフォードが大丈夫だと言ったけども、何が大丈夫なのかはさっぱりわからない。
「その話は、後でな。それよりも、今は、アイリの相手を探すほうが先らしいからな」
腋汗が止まらない。だって、その相手は隣にいるし。
「ウィルフォード、そのオーナーに連絡できるのか?」
国王が目を細くして、ウィルフォードを見つめる。
「はい。居場所も把握しておりますので」
ウィルフォードの顔も引き締まる。
先ほどからニコニコしているのは、アンドレイただ一人。
「これでこの連合王国も安泰ですね。アイリ様がその方と結ばれ、お子に恵まれればなおのこと」
勝手に人の将来が決められている。
「どういうことでしょう?」
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ようは、楽して平和な暮らしを送れるということだろうか。
「この世界には魔獣と呼ばれる異形の生き物が存在します。今は騎士団が討伐を行っておりますが、魔獣はけして人間より弱い生き物とは限らないのです」
魔獣によって命を落とす者がいた、もしくはいるということだ。
「ところが、ここ数年、むしろ二年。命を落とすような方はいなかったのです。理由はお分かりですよね?」
それが異界人の力と言いたいのだろう。
「アイリ様が結婚されるとその力は強まり、そしてお子様にもその力が引き継がれると言い伝えられております。また、アイリ様の伴侶となられた方は富と権力も手に入れると。それが具体的に何を示すのかは文献に残っていないため、よくわかりませんが」
存在がチートであるのに変わりはないようだ。そしてこの場合、富と権力を手に入れるのはウィルフォードである。
「そうですか。レイさんのお話はわかりました。ですが、そのときの相手はそういうことですので」
「では、こちらで捜そう。それで、問題ないな?」
私の言葉の先を奪ったのは国王だった。国王から問題ないなと言われたら、問題あるとは言えない。
「はい」
渋々と返事をするしかない。
「では、アイリ嬢。ウィルフォードの屋敷を出て、王城で暮らしなさい」
「え!」
「なっ?」
国王の提案に、私とウィルフォードは同時に変な声をあげた。
「アイリ嬢は異界人だ。異界人は今も説明したように不思議な力がある。だから、本来であれば国で保護する人物だ。知ってしまった以上、保護しないわけにはいかない」
「ちょ、ちょっと待ってください。私、ウィルフォードのお屋敷で使用人のような存在として雇ってもらっていて、掃除や洗濯や料理をしていました。私がいなくなったらウィルは」
「生活できないな」
ウィルフォードが自信をもって口にした。そこ、自信を持つところではないけれど、その言葉は事実である。
私がいなかったら生活できないのでは、と思ったことは一度や二度ではない。だから、ウィルフォードの伴侶が決まったら、もしくは次の人材が決まったら、引継ぎをして辞めようと思っていたのだ。いつまでも彼に甘えてはいけない。自立しなければという思いもあったから。
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