【R18】苦手な王太子殿下に脅されて(偽装)婚約しただけなのに

澤谷弥(さわたに わたる)

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第三章(10)

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 大きな手は身体をなで回しその愛撫に翻弄されるシェリルは、艶めいた吐息を吐き出す。

「やっ……あ、あ……そこ……」

 右胸をイライアスが大きく口に含んだ。舌先で乳首をころころと転がし、左胸は空いている手でやわやわともみしだく。

 直接触れられているわけでもないのに、足のつけ根がきゅんきゅんと快楽を拾っている。

「あ、んっ……」

 触れられるすべてが淫らな悦びとなって、身体中を駆け巡る。
 彼の手はさわさわと臍の周辺、脇腹、腰となでつけてから、無防備な割れ目へとたどり着いた。風呂上がりということもあり、ガウン一枚を中途半端に着ていた状態であれば、もちろん下着などつけていない。

「どろどろだな」

 どこがと言われなくても、蕩けている自覚がある。

 胸元から顔をあげたイライアスと目が合った。ニタリと笑うその余裕ある表情に、少しだけ悔しさを覚える。だけど、心のどこかは期待しているのだ。この苦しみから解き放ってくれるのは彼だけだ、と。

「ひゃっ……ん……」

 くちゅっと粘着質な音と共に、体内に入り込もうとしている何かがあった。

「やっ……それ……。挿れないで……」

 そこは誰にも踏み荒らされていない未踏の地だ。

「いやって言っていても、シェリルのここは喜んでいるみたいだが?」

 蜜がこぼれる孔の浅いところを、イライアスの指先がいったりきたりし始める。

「それにほら……腰が動いている……?」

 いやいやと首を横に振るのは、認めたくないからだ。イライアスの手によって悦んでいる自分を認めたくない。それと同時に、もっと弄ってほしいと身体は叫んでいる。

「なるほど。シェリルは胸よりも、こっちを俺に触ってもらいたいのか?」

 イライアスはてらてらと輝く乳首にふっと息を吹きかけてから、一度身体を離した。
 今までさんざん弄ばれていた胸は、じくりと熱を持っていて、急に放り出されて寂しいと訴えている。

 だけど、それを彼に伝えることができない。頭がぼんやりとして、言葉が出てこない。
 そう思っていると、彼が膝裏に両手をいれて、シェリルの足を大きく広げた。

「やっ……」

 助けてほしいと乞うたのに、そのような場所を見ていいとは言っていない。
 先ほどからイライアスの行為に翻弄されっぱなしだ。

「悪いね、シェリル。でもね、やっぱりここを慰めるのが一番いいと思うんだ」

 イライアスは、自身の唾液で濡れている唇をペロリと舐めた。肉食獣のようなその行為に、ざわりと肌が粟立つ。

「シェリルは、どこを見てもきれいだな……」

 イライアスの顔は秘めたる場所へと近づく。

「それに、とてもいい香りがする……」

 そんな恥ずかしい場所で喋らないでほしい。吐息が快楽の芽を刺激した。

「色も形も、きれいだね……」
「ひゃっ……ん……」

 ぬるりとした感触が陰唇を襲う。恥ずかしさともどかしさで、足を閉じようとするものの、彼が両手でしっかりと太ももを押さえつけていた。

「んっ……んン……あぁ……」

 今までと比べものならないほどの強い快楽が、ビリリと背中を走り抜けた。

「やっぱり、ここが一番、感じるんだな……」

 イライアスは、まだ皮に包まれている芽の周辺にじっくりと舌を這わせてくる。
 じわじわとした官能がもどかしい。もう少しで何かに到達するというのに、そこにはまだ届かない。

「あ、殿下……」

 シーツを両手でぎゅぅと握りしめながら彼を呼ぶと、イライアスの動きも一瞬、止まった。
 焦らされているためか、身体が疼いて仕方ない。

「殿下じゃない。名前を呼べ……さっきは、俺の名を呼んだだろ?」
「……イライアスさま……」
「そうだ、お利口だ。おまえは頑なに俺の名を呼ぼうとしないからな……」

 知られていた。

 いくら恋人同士と呼ばれる関係になったとしても、その名は決して口にはしなかった。それは偽りの関係だからだ。敬称で呼ぶことで、イライアスとの間に分厚い壁を作っていた。

「なあ、シェリル。ここはダメか?」

 彼の名を口にしてしまったことで、二人の間にある壁は音を立てて崩れ始める。もっとイライアスに近づきたいと、身体の奥が叫んでいた。

「ダメ……じゃない……」
「……そう。だったらよかった。多分、ここが一番、手っ取り早いから……」

 手っ取り早い。その言葉が気になるものの、シェリルの身体は期待を寄せている。

「んっ……」

 愛撫が再開され、じわじわと官能の波が押し寄せてきた。
 イライアスは舌先で蜜穴をいじり、したたる液を堪能しているかのよう。

 だけど、もどかしい場所はそこではない。その上にある敏感な場所に触れてほしい。

「はっ……あ、あぁ……」

 徐々に込み上げてくる荒波に、身体を反らす。

「焦らして悪かった。俺も少し夢中になりすぎた……。ここ、触ってほしいんだよな? ぷっくりと腫れて、俺を誘ってる……」

 舌先で器用に皮を剥くかのように丁寧に愛撫され、掴むシーツには余計に力が入る。
 そろそろ、何かが弾けそう。

「イライアスさま……」

 名を呼んでも、彼は一心不乱に敏感な場所を攻め立てる。

「あっ……」

 訪れそうになる絶頂にぐっと四肢に力がこもる。

「あ、あぁああああっ!」

 ひときわ高い声をあげて、シェリルは身体を大きく反らした。ドクンドクンと力強い鼓動は、熱い血液を手足の先にまで送り続ける。

 顎がガクガクと震え、弄られた孔も痙攣しているような感覚があった。

「シェリル……かわいい……」

 蜜に濡れる指をパクリと咥えるイライアスは、恍惚とした表情でシェリルを見下ろしている。ぼんやりとした頭で、そんな彼を見つめていたシェリルだが、呼吸が落ち着くと共に、瞼が重くなっていった。 
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