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第三章(8)
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身につけていたドレスは、ほとんどがイライアスの手によって緩められていたから、難なく脱げた。コルセットもストンと落ちる。
ショーツに手をかけると、ぬちゅりと不快な音がした。
身体の奥から、雄を求めるかのように勝手にこぼれ落ちてくる愛液。汗で張り付いたドレスよりも、これが一番不快だった。そしてこの汚れた下着をどうしたものかと思案したが、イライアスの言葉に従うことにした。
バスタブには乳白色の湯が張られ、バラの花びらが浮かんでいる。もしかしてイライアスが気遣ってくれたのだろうか。あろうことか彼は一国の王子、まして王太子だ。申し訳なささが込み上げてきた。
「ふぅ……」
湯に入ると、やっと一息つけた。ひどい目にあった。
まさかあのお酒がイチゴによるものだなんて、思ってもいなかった。
ワルリス領がイチゴの栽培に力を入れ始めたのも、つい最近のことなのだろう。そうでなければ、あのイライアスが知らないはずがない。ましてルークも。
もしかしたら、今日を好機として広めようとしていたのかもしれない。ルークの話によれば、クローディアとワルリス公爵子息マクシムとの縁談が持ち上がっているらしいからだ。その関係をそれとなく見せつけるためには、うってつけの場だろう。
シェリルは両手で湯をすくって、ピシャリと顔にかけた。せっかくの化粧も汗でくずれてしまった。もともと化粧を好んでいたわけではないが、やはりイライアスの隣に立つにはそれなりの格好をしなければ、という気持ちがあった。
(とにかく、早く部屋に戻らないと……)
そう思いつつも、こうやってイライアスの私室で汗まで流してしまった。身体が落ち着いている今のうちに与えられた貴賓室へと戻るべきだろう。入浴を終えたら部屋に戻りたい、と言えばいいだろうか。
次の劣情がいつやってくるかわからないのが難点だった。先ほどのような激しい欲求が襲ってきたら、自分で身体も支えられないような状態になる。そのときは横になって、その波が過ぎるのを待つしかない。
ドクンと身体の奥が音を立てた。
(こんなときに……?)
波が去ったからといって、すぐにこないわけでもない。半日空くこともあれば、ほんの数分後にやってくることもある。だからといって、その波に怯えていたら何もできないから、こうやって比較的落ち着いているうちに、やるべきことをこなすのだ。
(はやく、着替えて部屋に戻らないと……)
またあのような失態をイライアスに見せてしまう。
動けるうちにバスタブから出て、彼が用意してくれたバスローブで身体を包もうとした。
ガタッ――。
下肢から力が抜けた。なんとかバスローブに片手を通したところではあったが、やはり発作のような身体の疼きが始まった。
バスタブから出たところでよかったが、それでもこのままでいたら身体が冷えてしまう。
「シェリル!」
勘が鋭いというかなんというか。見せたくない姿のときにかぎってイライアスが近くにいるのだ。
「おい、シェリル。大丈夫か?」
「あ、殿下……」
「こんなところじゃ風邪をひく」
イライアスは軽々とシェリルの身体を抱き上げた。たったそれだけであるというのに、シェリルの身体の奥は、雄を求め始める。
「……んっ……あっ……はぁ……」
その欲をやり過ごそうとすれば、シェリルの口からは艶っぽい声が自然と漏れ出た。
ゴクリと、イライアスの喉仏が上下する。
「で、殿下……?」
その名を口にしても、決して彼はシェリルを見ようとはしなかった。真っ直ぐ前を向き、感情を押し殺してシェリルを運びだそうとしている。
またどこか柑橘系のにおいのするイライアスの部屋に戻ってきた。奥にあるベッドの上に乱暴におろされた。
ショーツに手をかけると、ぬちゅりと不快な音がした。
身体の奥から、雄を求めるかのように勝手にこぼれ落ちてくる愛液。汗で張り付いたドレスよりも、これが一番不快だった。そしてこの汚れた下着をどうしたものかと思案したが、イライアスの言葉に従うことにした。
バスタブには乳白色の湯が張られ、バラの花びらが浮かんでいる。もしかしてイライアスが気遣ってくれたのだろうか。あろうことか彼は一国の王子、まして王太子だ。申し訳なささが込み上げてきた。
「ふぅ……」
湯に入ると、やっと一息つけた。ひどい目にあった。
まさかあのお酒がイチゴによるものだなんて、思ってもいなかった。
ワルリス領がイチゴの栽培に力を入れ始めたのも、つい最近のことなのだろう。そうでなければ、あのイライアスが知らないはずがない。ましてルークも。
もしかしたら、今日を好機として広めようとしていたのかもしれない。ルークの話によれば、クローディアとワルリス公爵子息マクシムとの縁談が持ち上がっているらしいからだ。その関係をそれとなく見せつけるためには、うってつけの場だろう。
シェリルは両手で湯をすくって、ピシャリと顔にかけた。せっかくの化粧も汗でくずれてしまった。もともと化粧を好んでいたわけではないが、やはりイライアスの隣に立つにはそれなりの格好をしなければ、という気持ちがあった。
(とにかく、早く部屋に戻らないと……)
そう思いつつも、こうやってイライアスの私室で汗まで流してしまった。身体が落ち着いている今のうちに与えられた貴賓室へと戻るべきだろう。入浴を終えたら部屋に戻りたい、と言えばいいだろうか。
次の劣情がいつやってくるかわからないのが難点だった。先ほどのような激しい欲求が襲ってきたら、自分で身体も支えられないような状態になる。そのときは横になって、その波が過ぎるのを待つしかない。
ドクンと身体の奥が音を立てた。
(こんなときに……?)
波が去ったからといって、すぐにこないわけでもない。半日空くこともあれば、ほんの数分後にやってくることもある。だからといって、その波に怯えていたら何もできないから、こうやって比較的落ち着いているうちに、やるべきことをこなすのだ。
(はやく、着替えて部屋に戻らないと……)
またあのような失態をイライアスに見せてしまう。
動けるうちにバスタブから出て、彼が用意してくれたバスローブで身体を包もうとした。
ガタッ――。
下肢から力が抜けた。なんとかバスローブに片手を通したところではあったが、やはり発作のような身体の疼きが始まった。
バスタブから出たところでよかったが、それでもこのままでいたら身体が冷えてしまう。
「シェリル!」
勘が鋭いというかなんというか。見せたくない姿のときにかぎってイライアスが近くにいるのだ。
「おい、シェリル。大丈夫か?」
「あ、殿下……」
「こんなところじゃ風邪をひく」
イライアスは軽々とシェリルの身体を抱き上げた。たったそれだけであるというのに、シェリルの身体の奥は、雄を求め始める。
「……んっ……あっ……はぁ……」
その欲をやり過ごそうとすれば、シェリルの口からは艶っぽい声が自然と漏れ出た。
ゴクリと、イライアスの喉仏が上下する。
「で、殿下……?」
その名を口にしても、決して彼はシェリルを見ようとはしなかった。真っ直ぐ前を向き、感情を押し殺してシェリルを運びだそうとしている。
またどこか柑橘系のにおいのするイライアスの部屋に戻ってきた。奥にあるベッドの上に乱暴におろされた。
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