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24.少し黙っていてくれないか(1)

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「レイン、私もそろそろ我慢の限界だ」
 トラヴィスは履いていた黒いズボンの中から彼自身を取り出した。太くそそり立つそれ。半分、意識をとろとろに溶かされている中で、レインの目に飛び込んできたそれ。

「レイン。私も初めてで、うまくできないかもしれないけれど」

 その一言がさらに現実へと呼び覚ます。

 ――いや、初めてなの? 初めてでそれなの?

 と彼女の頭の中は混乱を極める。

「一応、勉強はしてきたから大丈夫だ」

 さすが、勉強熱心のトラヴィス。そして謎の小瓶を開けた。

 ――開けた? 使うのそれ? っていうかそれ、何?

 レイン自身の中に彼女の意識が二つあって、冷静にトラヴィスの行動にツッコミを入れている自分と、彼にされるがままの自分がいる感じ。
 とろりとぬめりのある液体。それをトラヴィスは自身の指で拭いとると、その指を彼女の中に入れた。彼女自身も自身の蜜で濡れてはいるけれど、トラヴィスのものを受け入れるには少し足りない。ということを、彼自身が恐れていた。

「私のは、平均よりも少し大きいみたいでね」

 ――測ったのかよ。比べたのかよ。
 ツッコミ担当の彼女が冷静にツッコミを入れている。
 いや、勉強熱心の彼は、きっと本のそのページを見ながら確認したに違いない。

 ぐぐっとトラヴィスが押し入ってきた。

「はぁ。少しだけ入った。痛くない?」

「あ……。はい、だいじょうぶ、です」

「レインの中は温かいな」

 思ったより痛みを感じないのは、あの怪しい液体のせいかもしれない。
 ゆっくりと、ゆっくりと、トラヴィスが侵入してくる。痛みは無いが、得体の知れない圧迫感がある。

「あっ……」

「はあ」
 トラヴィスは一度肘をおり、レインの胸元に顔を預けた。
 レインはぎゅっとトラヴィスの首元に腕を回した。

「トラヴィスさま」

 トラヴィスはもう一度レインの両脇に手をつくと、その唇を奪った。それと同時に少しずつ、少しずつ侵入を続ける。

「レイン。すまない、もう、我慢できない」

「トラヴィスさま、あいしてます」

 そこでトラヴィスは一気に貫いた。彼女が顔を歪めたのは痛みのせいだったのかもしれない。目尻に浮かぶ涙を、その舌で拭いとる。

「痛むか?」

「いえ……」

「少し、このままで」
 トラヴィスはレインの肩の上に顎を預けた。繋がっている部分が熱くて、溶けそうだ。
「はぁ……」

「トラヴィス、さま。おつらい、の、ですか?」

「気持ちよすぎて、つらい」

「あの……、その。動かれても、大丈夫です」

「あまり、私を煽るな」
 ふぅ、と息を吐いたトラヴィスは腰を揺すり始める。トラヴィスの背中を抱きかかえている彼女の両手は、力強く、そして優しい。

「はぁ。レイン、気持ちいい」

「私も、です」

「レイン。君は、私を喜ばせる天才だな。少し、黙っていてくれないか」

 トラヴィスの唇でレインの口は塞がれた。
 それでも彼の腰の動きは勢いを増す。トラヴィスの息遣いが荒い。ふっと、唇が離れた。

「あっ……、はぁ……」
 レインの熱い吐息が漏れてくる。

「レイン、君は私のものだ……。中に出す……」

「え……、できちゃう……」

「何も、問題は、ない。だけど、魔力の無い状態では孕まない……っ」
 
 さらに彼の動きは勢いを増し、そして彼女の中で弾けた。
 レインはお腹の中で何かが広がるような感覚を覚える。

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