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混沌
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部屋に入れられてからというのも、アビーは焦っていた。
ずっと部屋の中におり、何回かハリソンが訪れ共に食事をし一日で起きたことを話す。
ハリソンとの話は楽しかったが、こんな事ばかりだと気持ちも辟易してくる。
(ケロウ様は元気にされているだろうか?身体を壊していないか心配。)
アビーの唯一の癒しは、ケロウとの思い出だった。
アビーの入れた紅茶を飲み微笑む彼の姿、庭園でたわいもない話をして笑い合った日々、そのどれもが宝物で忘れられない幸せな日々だ。
そんな日々に焦がれていると、やる気が満ち溢れてくる。そこでもう一度ハリソンと話をしようと、部屋の前の兵士に伝言を頼み彼を待つ事にした。
どれくらい待っただろうか、夕方空が赤く染まった景色を眺めていると、戸を叩く音が鳴った。
「アビー、君から呼んでくれるなんて嬉しいよ。どうしたんだい?」
「ハリソン…いや、王太子様。どうか私を彼の元にお返しください。私は彼がいなければ生きる喜びがわかりません。あなたの事はとても大切な友人です。ですがそれ以上には慣れないのです。」
アビーはハリソンの瞳をまっすぐ見つめて伝えた。
ハリソンもまたアビーの気持ちは察してはいたが、許せそうになかった。
「だめだ…君は私のものだ。そんな事を言うのなら私は失礼する。もう少し考えてくれ!」
そう言って部屋を出て行った。戸のバタンという音にアビーは愕然とした。
(私は彼に会えないままここにいるの?)
そんな事を考えながら頭をぐるぐるさせていた。
そのせいかなんなのか、アビーの身体は次第に弱まって、ついにはベッドから起き上がれなくなっていた。
「何故こんな事になったんだ…。食事は共にしていたし、戻した形跡もない…。アビー、君はそんなにも…。」
横で苦しそうに眠っているアビーに、ハリソンは悲痛な面持ちで眺めていた。
そしてある決断をする。
一方ケロウはというと、アビーが王都に行ってから3ヶ月の月日が経っていた。
ケロウは、嫌な予感がしていた。アビーが王都に行ってからは何かしら理由をつけて城を訪れたが、彼女の面会はもちろん姿を見れずにいた。
噂では、王太子がとある令嬢を囲っているという噂が立っていた。
それを聞いた時ケロウの腕に力がこもった。アビーに間違い無いだろうと。
そして王太子に強い怒りを抱いた。どうすれば彼女を取り戻せる?
そう考えていると、ハンスが勢いよくドアを開けた。
「旦那様‼︎失礼ながら急ぎ王太子からの書状です‼︎」
普段礼儀正しいハンスがここまでするということはよっぽどの事なのだろうと急ぎ書状を受け取り読んだ。
ずっと部屋の中におり、何回かハリソンが訪れ共に食事をし一日で起きたことを話す。
ハリソンとの話は楽しかったが、こんな事ばかりだと気持ちも辟易してくる。
(ケロウ様は元気にされているだろうか?身体を壊していないか心配。)
アビーの唯一の癒しは、ケロウとの思い出だった。
アビーの入れた紅茶を飲み微笑む彼の姿、庭園でたわいもない話をして笑い合った日々、そのどれもが宝物で忘れられない幸せな日々だ。
そんな日々に焦がれていると、やる気が満ち溢れてくる。そこでもう一度ハリソンと話をしようと、部屋の前の兵士に伝言を頼み彼を待つ事にした。
どれくらい待っただろうか、夕方空が赤く染まった景色を眺めていると、戸を叩く音が鳴った。
「アビー、君から呼んでくれるなんて嬉しいよ。どうしたんだい?」
「ハリソン…いや、王太子様。どうか私を彼の元にお返しください。私は彼がいなければ生きる喜びがわかりません。あなたの事はとても大切な友人です。ですがそれ以上には慣れないのです。」
アビーはハリソンの瞳をまっすぐ見つめて伝えた。
ハリソンもまたアビーの気持ちは察してはいたが、許せそうになかった。
「だめだ…君は私のものだ。そんな事を言うのなら私は失礼する。もう少し考えてくれ!」
そう言って部屋を出て行った。戸のバタンという音にアビーは愕然とした。
(私は彼に会えないままここにいるの?)
そんな事を考えながら頭をぐるぐるさせていた。
そのせいかなんなのか、アビーの身体は次第に弱まって、ついにはベッドから起き上がれなくなっていた。
「何故こんな事になったんだ…。食事は共にしていたし、戻した形跡もない…。アビー、君はそんなにも…。」
横で苦しそうに眠っているアビーに、ハリソンは悲痛な面持ちで眺めていた。
そしてある決断をする。
一方ケロウはというと、アビーが王都に行ってから3ヶ月の月日が経っていた。
ケロウは、嫌な予感がしていた。アビーが王都に行ってからは何かしら理由をつけて城を訪れたが、彼女の面会はもちろん姿を見れずにいた。
噂では、王太子がとある令嬢を囲っているという噂が立っていた。
それを聞いた時ケロウの腕に力がこもった。アビーに間違い無いだろうと。
そして王太子に強い怒りを抱いた。どうすれば彼女を取り戻せる?
そう考えていると、ハンスが勢いよくドアを開けた。
「旦那様‼︎失礼ながら急ぎ王太子からの書状です‼︎」
普段礼儀正しいハンスがここまでするということはよっぽどの事なのだろうと急ぎ書状を受け取り読んだ。
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