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絆
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部屋の中に静寂が包み込む。ケロウは喉を鳴らしてアビーの言葉を待った。
「ケロウ様、私は使用人としてこれまで一線を超えては行けないと思ってきました。……ですが、身の程知らずとはわかっては居るのですが…欲が出てしまい…止まらないのです。あなたの妻になりたい。曖昧な関係で一生を過ごす事は嫌です…っ……っ…。」
自分の気持ちを全て言い切ると、涙が溢れてきた。
「アビー…っ…‼︎」
アビーの想いに、ケロウも愛おしいあまり抱きしめた。
「ケロウ様…あなたのお側に置いてください。たとえそれが離れ離れになるとしても後悔はありません!」
「私も同じ気持ちだ…。ありがとう…。不安な思いをさせると思う。だが私のできる全てを掛けて君を愛する。」
「ケロウ様…王都へ行くまでの間、あなたを忘れないように愛してください。」
「…あぁ…。」
こうして2人長い夜を、心が離れていかないようにと深いキスで、繋ぎ合うのだった。
二週間後にアビーが王都へ向かう事が決まった。そこでケロウは、アビーと共に彼女の実家へ訪問する事になった。
今は馬車の中で、ケロウは真剣な面持ちを緩める事ができずにいた。
その様子にアビーのいつも余裕の彼を見ているからかおかしくて仕方ない。それに、愛する人を、自分の家族に合わせるのになんだか甘くむず痒い気持ちだった。
「ケロウ様、そんなに緊張しないで下さい。父も母も兄も、皆ケロウ様にお会いできるのを楽しみにしているんですよ。」
アビーは前もって出した手紙に、家族は驚いたようだが快く迎えたいと返事が来ていた。
「いや…アビーのご両親だ。どんな会議でもこんなに緊張したことはないよ。」
ケロウの身体はカチコチだ。その様子にアビーは、席を立ちケロウの隣に座った。
そして横から抱きしめ、頭を撫でる。しばらくすると、固まっていた身体が不思議と緩み出した。
ケロウは暖かい気持ちになり、アビーに身を預けた。
「ありがとう。そういえば君に頭を撫でられるのは初めてだな…。」
「…お嫌ですか?」
「いや…悪くない…。」
ケロウは瞳を閉じた。しばらくすると馬車が止まった。2人が降りると、両親と兄が笑顔で2人を迎えていた。
「領主様、よくお越しくださいました。さぁ上がってください。」
「お父上、何も気にせず普段通りの口調で、お話しください。」
ケロウと父アロは、手を握り合った。
「領主様!さぁさぁ上がってください!何もありませんがどうぞ!」
ケロウと父アロの様子を見ていた母ドリーが、家の中へと案内した。
「ケロウ様、私は使用人としてこれまで一線を超えては行けないと思ってきました。……ですが、身の程知らずとはわかっては居るのですが…欲が出てしまい…止まらないのです。あなたの妻になりたい。曖昧な関係で一生を過ごす事は嫌です…っ……っ…。」
自分の気持ちを全て言い切ると、涙が溢れてきた。
「アビー…っ…‼︎」
アビーの想いに、ケロウも愛おしいあまり抱きしめた。
「ケロウ様…あなたのお側に置いてください。たとえそれが離れ離れになるとしても後悔はありません!」
「私も同じ気持ちだ…。ありがとう…。不安な思いをさせると思う。だが私のできる全てを掛けて君を愛する。」
「ケロウ様…王都へ行くまでの間、あなたを忘れないように愛してください。」
「…あぁ…。」
こうして2人長い夜を、心が離れていかないようにと深いキスで、繋ぎ合うのだった。
二週間後にアビーが王都へ向かう事が決まった。そこでケロウは、アビーと共に彼女の実家へ訪問する事になった。
今は馬車の中で、ケロウは真剣な面持ちを緩める事ができずにいた。
その様子にアビーのいつも余裕の彼を見ているからかおかしくて仕方ない。それに、愛する人を、自分の家族に合わせるのになんだか甘くむず痒い気持ちだった。
「ケロウ様、そんなに緊張しないで下さい。父も母も兄も、皆ケロウ様にお会いできるのを楽しみにしているんですよ。」
アビーは前もって出した手紙に、家族は驚いたようだが快く迎えたいと返事が来ていた。
「いや…アビーのご両親だ。どんな会議でもこんなに緊張したことはないよ。」
ケロウの身体はカチコチだ。その様子にアビーは、席を立ちケロウの隣に座った。
そして横から抱きしめ、頭を撫でる。しばらくすると、固まっていた身体が不思議と緩み出した。
ケロウは暖かい気持ちになり、アビーに身を預けた。
「ありがとう。そういえば君に頭を撫でられるのは初めてだな…。」
「…お嫌ですか?」
「いや…悪くない…。」
ケロウは瞳を閉じた。しばらくすると馬車が止まった。2人が降りると、両親と兄が笑顔で2人を迎えていた。
「領主様、よくお越しくださいました。さぁ上がってください。」
「お父上、何も気にせず普段通りの口調で、お話しください。」
ケロウと父アロは、手を握り合った。
「領主様!さぁさぁ上がってください!何もありませんがどうぞ!」
ケロウと父アロの様子を見ていた母ドリーが、家の中へと案内した。
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