40 / 53
葛藤
しおりを挟む
「迷ってばかりの男ですまない…。だからわたしは君の意思を尊重したい。」
ケロウはアビーを抱きしめた。
アビーは未だ返事できずにいた。ケロウと結婚すれば離れなければならない、かと言って籍を入れずにいれば一緒に入れるが、それではケロウは笑い者になってしまう。
そして何より自分はどうしたいのか…アビーは自分に問いかけた。
(わたしはどうしたいの?)
しばらく考えたが答えが出ないそこで時間を待ってもらうことにした。
「ケロウ様…申し訳ありません…少し考える時間が欲しいです。」
「もちろん待つよ。アビー…すまない…。」
そうして話し合いは終わった。アビーは今後の事に不安を感じた。普段なら甘えることはしないが今日は、自分からケロウの胸元に入りきつく抱きしめた。
ケロウもまた優しくアビーの背を摩りながら、共に眠りについた。
あの話し合いから、アビーは悩んでいた。
でも悩んでも答えが出ることはなく、時間だけが過ぎる日々。
そこにメイドのケナが、話しかけてきた。
「アビーどうしたんだい?ここ何日か様子がおかしいし、元気がないじゃないか?」
「ケナさん…。」
ケナの顔を見た瞬間、泣きたい気持ちになった。
2人で人気のない所で話をする事になり、アビーは今までのことを全て話した。
話を聞き終わるとケナは口を開いた。
「難しい問題だね…こればっかりはアビーの気持ち次第だね…。しかしまぁ…旦那様も困ったお人だね…勝手に決めて…アビーに決断させるなんて、わたしは許せないね!」
そう言って、ケナは怒りを抑えようと一息ついた。
「アビー、わたしが旦那様に話をしてあげようかい?」
ケナの好意は嬉しかったが、そこの気持ちは固まっていた。ケナの顔を見てゆっくりと首を振った。
「ケナさんありがとうございます。ですが旦那様がわたしと一緒になりたいと思ってくれた時から、彼と一緒に考えていきたいと思ったんです。旦那様とよく話し合います。」
「そうかい?何か困ったことがあればいつでも言うんだよ‼︎きっと力になるからね!」
ケナはアビーの腕を強く握った。
ケナと話したおかげかアビーの気持ちは強く固まった。
(わたしは彼と生きていきたい。たとえ離れ離れになったとしてもその証が欲しい。)
1人覚悟を決めることができたのだった。
その夜、アビーはケロウの部屋を訪れた。部屋に入り同じソファーに座り余談を話してはいたが、アビーは自分の気持ちを伝えるため予断を止め、口を開いた。
「ケロウ様お話がございます。」
ケロウはアビーを抱きしめた。
アビーは未だ返事できずにいた。ケロウと結婚すれば離れなければならない、かと言って籍を入れずにいれば一緒に入れるが、それではケロウは笑い者になってしまう。
そして何より自分はどうしたいのか…アビーは自分に問いかけた。
(わたしはどうしたいの?)
しばらく考えたが答えが出ないそこで時間を待ってもらうことにした。
「ケロウ様…申し訳ありません…少し考える時間が欲しいです。」
「もちろん待つよ。アビー…すまない…。」
そうして話し合いは終わった。アビーは今後の事に不安を感じた。普段なら甘えることはしないが今日は、自分からケロウの胸元に入りきつく抱きしめた。
ケロウもまた優しくアビーの背を摩りながら、共に眠りについた。
あの話し合いから、アビーは悩んでいた。
でも悩んでも答えが出ることはなく、時間だけが過ぎる日々。
そこにメイドのケナが、話しかけてきた。
「アビーどうしたんだい?ここ何日か様子がおかしいし、元気がないじゃないか?」
「ケナさん…。」
ケナの顔を見た瞬間、泣きたい気持ちになった。
2人で人気のない所で話をする事になり、アビーは今までのことを全て話した。
話を聞き終わるとケナは口を開いた。
「難しい問題だね…こればっかりはアビーの気持ち次第だね…。しかしまぁ…旦那様も困ったお人だね…勝手に決めて…アビーに決断させるなんて、わたしは許せないね!」
そう言って、ケナは怒りを抑えようと一息ついた。
「アビー、わたしが旦那様に話をしてあげようかい?」
ケナの好意は嬉しかったが、そこの気持ちは固まっていた。ケナの顔を見てゆっくりと首を振った。
「ケナさんありがとうございます。ですが旦那様がわたしと一緒になりたいと思ってくれた時から、彼と一緒に考えていきたいと思ったんです。旦那様とよく話し合います。」
「そうかい?何か困ったことがあればいつでも言うんだよ‼︎きっと力になるからね!」
ケナはアビーの腕を強く握った。
ケナと話したおかげかアビーの気持ちは強く固まった。
(わたしは彼と生きていきたい。たとえ離れ離れになったとしてもその証が欲しい。)
1人覚悟を決めることができたのだった。
その夜、アビーはケロウの部屋を訪れた。部屋に入り同じソファーに座り余談を話してはいたが、アビーは自分の気持ちを伝えるため予断を止め、口を開いた。
「ケロウ様お話がございます。」
0
お気に入りに追加
39
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる
Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした
ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。
でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。
彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる