月夜の恋

はなおくら

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不安

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 ケロウのキスに、アビーは熱くなる。本来なら怒らなければならないのだろうが、想い人にここまで愛されると嬉しくなる。

 そうこうしてるうちに、ケロウはアビーの身体をまさぐる。

 アビーももはや抵抗する気力がなくなりケロウのされるがままの状態だ。

 ケロウはふっと笑うと、アビーの胸を舌で転がし出す。

「旦那様…ダメっ…朝からなんて…。」

 翻弄されながらもケロウを止めようとするアビーを押さえつけ、再び胸にキスを落とす。

「んっ…。」

 アビーは、声を出さないようにと必死になる。

 素知らぬ顔で、アビーの身体を舌で撫でたりキスをしたりと続けていく。そしてアビーの下に顔を寄せ、股の間に入り舐め回す。

「あっ…ケロウ様…そこはっ…。」

 アビーの感じる声に興奮を覚えたケロウはもっと激しくなる。彼女の瞳を見つめると涙を浮かべながら、情欲を隠すかの様にしているが、逆にケロウをそそらせるだけだった。

 アビーはそんな事にも気付かず、ケロウを見つめる。

「アビー…少し我慢して…。」

 えっ?というアビーを横目に、ケロウは中に入ってきた。

「あっ…ああっ!急に…っ。」

 アビーはいきなり入った杭に、抗うこともできずされるがままになっていった。

 二人の情交は、お昼まで続いた。

 事を終え、ベッドで休息を取っていたが、アビーは何も言わずケロウから目を背け背中を向けている。

 慌てたケロウは、アビーに声をかけた。

「すまない…。私が大人気なかった…」

 そう言って、アビーが振り向くのを期待しながら見つめたが彼女は微動だにしなかった。

 アビーは、ケロウに愛されほぼ同意してはいたが、事が終わり冷静に考えてみると朝早くからと、恥ずかしくなりますますケロウの顔が見れなかった。

 ケロウはアビーが怒っていると思っておりおろおろしていた。

「アビー…君の顔が見れないと不安でしょうがない…顔を見せてくれ…。」

 ケロウの懇願に、このままではダメだとアビーが振り返る。

 振り返るアビーの顔を見た瞬間ケロウはまたしても、なんとも言えない衝動に駆られたが、グッと耐えかわりにアビーを抱き寄せた。

「ケロウ様…不安にさせてしまい申し訳ありません……。」

 アビーはケロウを不安な気持ちにさせてしまったと謝罪した。そしてケロウの頬にキスを落とした。

「私にはケロウ様だけですよ。他に方に目移りするなんて、今までもこれからもありません。」

 そう言って微笑んだ。

 この言葉にケロウも我に帰っていた。

「アビー…ありがとう。私も君を愛してる。」

 そう言って二人でまた抱き合い愛を育んでいった。
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