月夜の恋

はなおくら

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 アビーは、はじめての体験に呼吸を整えていた。

 ケロウはアビーの頬に手を当て、口を開いた。

「アビー…入れるよ…。」

「はい……。」

 遂にという気持ちで、アビーはケロウを迎え入れる。

「んっ!んっ…!」

 はじめて迎え入れるには、あまりに大きくアビーは息を止めていた。

 その様子に見かねたケロウが、アビーに深くキスをした。そしてアビーの顔を見つめて言った。

「アビー…深く息を吸って…ゆっくり吐いて…。」

 ケロウの言葉に、アビーは少しずつ呼吸を繰り返した。

「んっ…はー…ふーっ…!」

 その間にケロウは進めていく。そして奥まで入った時、ケロウはアビーを見つめた。

「アビー…頑張ったね…。」

 その言葉に、アビーは安堵した。そして愛する人と繋がったという幸せが入り込んでいた。

 アビーが慣れた頃、ケロウは中でも、動き出した。

 すかさずケロウの首に腕を回し、痛みに耐える。

 ケロウはアビーを抱きしめ、頭に手を回し首すじにキスを落として、腰をゆっくり動かす。

「あっ…ケロウ様…。」

「どうした……?」

 ケロウが聴くと、アビーは恥ずかしく手で顔を覆いながら言った。

「………い…です。」

 小さい声で聞き取れず、ケロウは耳を傾けた。アビーはもう一度。

「……気持ちいい…です…。」

 アビーは、慣れてきていた。その言葉にケロウは嬉しく思い、アビーの髪にキスを落とすと、腰は素早く動き出した。

「あっ!あっ…ダメっ…。」

 動きが早くなると、アビーの感度も上がってきて再び甘い声が、漏れる。

 アビーの情景を眺めて、ひどく興奮したケロウは、またしてもアビーに身体をくっつけて、胸元にキスを降らせた。

 同時に責められれば、言葉が紡げず声をあげることしかできなくなっていた。

 二人抱きしめ合い、身体が揺れお互いが一つになっている悦に浸っていた。

「アビー…もうダメだっ………ちゅっ…」

 そう言ってケロウは腰をなお早める。

「…私もです…!…んっ…一緒に…。」

「可愛いアビー…うっ…もういくよっ……!」

 二人は共に果てた。

(ケロウ様とこんな日が来るなんて…。)

 そう言って一筋の涙を流した。

 するとケロウは、アビーを抱き寄せて、言った。

「アビー…わたしの愛おしいアビー…。」

「ケロウ様…。」

 アビーはケロウと見つめあった時、瞳を閉じて眠ろうとした時、耳元で囁かれた。

「名前を呼んで。」

「……えっ?……ケロウ様?」

 きょとんしてそう言うと、ケロウは違うと言ってアビーの耳を食んだ。

 いたずらをされてハッとして、アビーは照れながらも答えた。

「ケロウ……。」

「アビー…愛してる!」

 名前を呼ばれたケロウは嬉しくなり、アビーを抱きしめた。

 そうして二人で深い眠りに着いたのだった。

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