花嫁の勘案

はなおくら

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 快感の余韻に浸りながらわたしは、乱れを整えて布団に入り眠りに落ちた。

 ある日、ヴォルス様が支援している養護施設に夫婦で偵察に訪れていた。

 そういう日は、動きやすい格好をして私は子供達と食事や洗濯、そして施設で育てている野菜の世話を手伝っている。

 可愛い子供たちが嬉しそうに微笑んで一緒にしてくれるので私にとっても癒しのひとときとなっている。

 私がそのように過ごしている間、ヴォルス様は園長や面倒を見ている大人達の話を聞いたりと施設の運営に耳を傾けている。

 ヴォルス様はいつも子供たちが喜ぶようにと大きなお肉の塊を持って訪問するため子供達もヴォルス様に懐いている。

 今お昼時でそのお肉で何を作るか話し合っている時だった。

 その中にいた女の子が口を開いた。

「昔ね、お父さんとお母さんと暮らしてた頃お母さんがお父さんのお誕生日に手料理を作ってみんなで食べてたの!だから今回はヴォルス様の好きなものを作るのはどうかな?」

「「いいね!」」

 女の子の言葉にみんなが嬉しそうに声を上げた。

 期待の眼差しで私の方に目を向けられてわたしは困った。

 というのもヴォルス様の好きなものを気にしてなかったから。

 何気ないことなのだが大切な事に気付かされた。

 みんなが見守る中、わたしは記憶を頼りに頭を巡らせているとヴォルス様はジャガイモを甘く煮詰めたものを好んで食べている事に気がついた。

 私はさっきとっきてきたジャガイモとお肉をを煮詰めたものを作る事にした。

 早速子供達に話をすると、子供たちは嬉しそうに頷き、みんなで料理を始めたのだった。

 料理をしながら子供たちのおかげで大事な事に気付かされたとわたしは感謝した。

 そしてお昼時、子供たちが食卓の準備をするなか、私はヴォルスや他の先生たちを呼びに部屋を出た。

 公園の方へ向かうと、ヴォルス様と若い女の先生達が頬を染めながら嬉しそうに彼の周りを囲んでいる。

 ヴォルスも笑顔で対応している。

 そんな光景に嫉妬してしまい、私は大人気ないと自分を叱りつけて集まりの場へと近づいた。

「皆さん、お昼の用意ができましたよ!」

 そう呼びかけると先生達は元気な返事をして先に食堂へ向かった。

 ヴォルス様の方を見て、私は声をかけた。

「子供達と作った料理です。子供達もヴォルス様に召し上がっていただくのを楽しみにしてますよ。」

「それは楽しみだ。」

 ヴォルス様は嬉しそうに頷くと、行こうかと歩き出した。

 わたしはその隣について食卓へと向かったのだった。

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