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 夜会の雰囲気のせい…いやもう嘘をつくことなどできない。

 私はアロン様を愛してる。

 たとえ許されない事とわかっていても…。

 私をじっと見つめるアロン様に私は、目を逸らして、彼の服を一つ一つ脱がせた。

 下着を残して、後ろからタオルのガウンをかけた。

 私が着替えを進める間、アロン様は何も言わずにただ熱い眼差しを向けてきた。

 それがなんだか恥ずかしい様なくすぐったい様な心地になった。

「アロン様…。」

 私は、使用人としてではなく、一人の女としてアロン様を見つめた。

 そして彼をベッドに座らせると、アロン様は驚いたのか言った。

「イゼア…無理しなくて…いいんだ…。」

 喉を鳴らして私を見上げるアロン様に私は自ら顔を近づけて、唇を重ねた。

 目を閉じていたが、驚く様子のアロン様に微笑み私は彼を組み敷いた。

 初めはされるがままだったアロン様も噛み付く様に私を求めた。

 それが嬉しくて彼の体を抱きしめた。

「イゼア…君から求めてくれるなんて嬉しいよ。」

「アロン様…。」

 私は一度起き上がると、彼の体に手を這わせて唇を落とした。

 気持ちよさそうに喘ぐ彼を見て私嬉しくなった。

「…アロン様、あなたを愛しています。」

「……イゼア…?」

 目を見張る彼に私は微笑んでキスした。

「どんな形でもいいんです…あなたのそばにいたい…。私の一族の過ちがあったとしても…。」

 そう言った瞬間、私は自分の気持ちを言えた安堵感から涙が流れた。

「イゼア…。」

 涙ぐむ私を、アロン様は起き上がり包み込む様に抱きしめてくれた。

「君の気持ちが聞けて嬉しいよ…。僕たちはずっと一緒だ。二人で解決する道を探そう。」

 アロン様の一言に嬉しくなり、私は頷いた。

「イゼア…愛してるよ。」

「私も…愛してます。」

 手を絡ませて、唇の温もりを忘れまいと瞳を閉じた。

 彼の啄むキスについて行こうと追う様に唇を合わせる。

 彼は、私の腰を撫でて敏感なところを執拗に撫でた。

 瞳を開けると、目を潤ませているアロン様が見える。

「イゼア…可愛いね…。」

 アロン様にそう呟かれて、私は嬉しくなり彼の体に抱きついた。

 そのせいで、彼のものが大きくなっている。

 私は彼に甘える様にキスをしながら、ゆっくりと彼のものに触れた。

 大きく熱くなっているそれを、撫でるとどんどん大きくなる。

 その時、私のお尻を撫でていた彼の手が、後ろから私の秘所に触れた。

 あまりの快感にびくんと体をしならせると、彼は私の胸を片手で掴み舐めまわした。

 上と下で続く快楽にわたしは体を熱くさせていたのだった。
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