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回復魔法について

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俺が[リジェレネーション]を唱えてから、しばらくして、ルオーネの意識が戻った。

「意識は戻ったようだな」

「んっ、……。そう、私は負けたのね。あら?私の身体についてた傷は?」

「あぁ、それなら俺が治しといたぞ」

「わざわざポーションを使わせて悪いわね。あとでポーション代を払うわ」

「ん?いや、ポーションなんか使ってないぞ?」

「え?じゃあどうやって…?」

「俺は[快復魔法]を使っただけだ」

「!あ、あなた。[回復魔法]が使えるの⁉︎」

「ん?あぁ。それがどうかしたのか?」

「どうもこうも[回復魔法]っていうのは…」

とルオーネが俺に何か言おうとしたところで

「ルオーネ。とりあえず一旦戻るぞ。周りに聞かれたらスグルが困るからな。スグル、一旦個室に行かないか?」

ジェットが周りに聞こえない程度の声で俺に聞いてきた。

「分かった」

俺がそう答えると、ジェットとルオーネは闘技場の外に立っていた受付嬢の元へ行き、

「すまんが、個室を一つ貸してくれないか?」

「か、かしこまりました!」

受付嬢はそう答えて、ジェットたちを案内した。
俺はジェットたちの後ろをついて行き、一つの個室に着いた。

「ここで良いでしょうか?」

受付嬢が少し不安そうな声でジェットに聞くと

「あぁ、ここで構わねぇ」

そう言って、ジェットとルオーネは個室に入っていったので、俺も後に続くように入った。

俺が入ると同時に、ルオーネが魔法を唱えた。

「風属性魔法 ~消音サイレント~」

「これで外に聞かれる心配は無くなったな。さて、今から話すのはお前が聞きたかった[回復魔法]についてだ」

ジェットがルオーネの[消音サイレント]を確認すると、俺に落ち着いた声で言ってきた。

「スグルは[回復魔法]についてどれだけ知っている?」

「いや、ほとんど知らないな。強いて言うなら傷ついた人や動物を回復することができる魔法ってくらいだな」

「わかった。じゃあ[回復魔法]とは何かを教えるな。そもそも[回復魔法]って言うのはルオーネみたいな魔法使いには使えないんだ」

「ん?じゃあ何の職業が使えるんだ?」

「僧侶よ」

「僧侶?」

「ええ、教会に所属している者たちのことよ。彼らの攻撃の手段はメイス等の武器だけなのだけれど、彼らにはあることができるの」

「それが[回復魔法]ってことか…」

「そう言うことだ。だから、[回復魔法]を扱うことができるのは僧侶だけなんだ。あいつらはそれを利用して、治療をする代わりに金銭を要求してくる」

「だが、それこそポーションで回復すればいい話なんじゃねぇのか?」

「実はね、[回復魔法]の方がポーションよりも回復量が多いの」

「なるほどな」

「だが、ひとつありえないことが出てきた」

「それが俺ってことか」

「そう、お前は魔法が使えるにも関わらず、僧侶にしか使うことのできない[回復魔法]が使える…。
しかもそこら辺の僧侶よりも遥かに効果の高い
[回復魔法]を」

「ルオーネは使えないのか?」

「私も使うことはできないわ」

「なるほどな。…………で?本当に言いたいことは何なんだ?ジェット、ルオーネ」

「「!」」

「な、何のことだ、スグル?」

「とぼけんな、流石の俺でも容易にわかるわ。お前らが本当に聞きたいのは…」

「[]だろ?」
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