36 / 42
回復魔法について
しおりを挟む
俺が[リジェレネーション]を唱えてから、しばらくして、ルオーネの意識が戻った。
「意識は戻ったようだな」
「んっ、……。そう、私は負けたのね。あら?私の身体についてた傷は?」
「あぁ、それなら俺が治しといたぞ」
「わざわざポーションを使わせて悪いわね。あとでポーション代を払うわ」
「ん?いや、ポーションなんか使ってないぞ?」
「え?じゃあどうやって…?」
「俺は[快復魔法]を使っただけだ」
「!あ、あなた。[回復魔法]が使えるの⁉︎」
「ん?あぁ。それがどうかしたのか?」
「どうもこうも[回復魔法]っていうのは…」
とルオーネが俺に何か言おうとしたところで
「ルオーネ。とりあえず一旦戻るぞ。周りに聞かれたらスグルが困るからな。スグル、一旦個室に行かないか?」
ジェットが周りに聞こえない程度の声で俺に聞いてきた。
「分かった」
俺がそう答えると、ジェットとルオーネは闘技場の外に立っていた受付嬢の元へ行き、
「すまんが、個室を一つ貸してくれないか?」
「か、かしこまりました!」
受付嬢はそう答えて、ジェットたちを案内した。
俺はジェットたちの後ろをついて行き、一つの個室に着いた。
「ここで良いでしょうか?」
受付嬢が少し不安そうな声でジェットに聞くと
「あぁ、ここで構わねぇ」
そう言って、ジェットとルオーネは個室に入っていったので、俺も後に続くように入った。
俺が入ると同時に、ルオーネが魔法を唱えた。
「風属性魔法 ~消音~」
「これで外に聞かれる心配は無くなったな。さて、今から話すのはお前が聞きたかった[回復魔法]についてだ」
ジェットがルオーネの[消音]を確認すると、俺に落ち着いた声で言ってきた。
「スグルは[回復魔法]についてどれだけ知っている?」
「いや、ほとんど知らないな。強いて言うなら傷ついた人や動物を回復することができる魔法ってくらいだな」
「わかった。じゃあ[回復魔法]とは何かを教えるな。そもそも[回復魔法]って言うのはルオーネみたいな魔法使いには使えないんだ」
「ん?じゃあ何の職業が使えるんだ?」
「僧侶よ」
「僧侶?」
「ええ、教会に所属している者たちのことよ。彼らの攻撃の手段はメイス等の武器だけなのだけれど、彼らにはひとつだけあることができるの」
「それが[回復魔法]ってことか…」
「そう言うことだ。だから、[回復魔法]を扱うことができるのは僧侶だけなんだ。あいつらはそれを利用して、治療をする代わりに金銭を要求してくる」
「だが、それこそポーションで回復すればいい話なんじゃねぇのか?」
「実はね、[回復魔法]の方がポーションよりも回復量が多いの」
「なるほどな」
「だが、ひとつありえないことが出てきた」
「それが俺ってことか」
「そう、お前は魔法が使えるにも関わらず、僧侶にしか使うことのできない[回復魔法]が使える…。
しかもそこら辺の僧侶よりも遥かに効果の高い
[回復魔法]を」
「ルオーネは使えないのか?」
「私も使うことはできないわ」
「なるほどな。…………で?本当に言いたいことは何なんだ?ジェット、ルオーネ」
「「!」」
「な、何のことだ、スグル?」
「とぼけんな、流石の俺でも容易にわかるわ。お前らが本当に聞きたいのは…」
「[回復魔法]の習得方法だろ?」
「意識は戻ったようだな」
「んっ、……。そう、私は負けたのね。あら?私の身体についてた傷は?」
「あぁ、それなら俺が治しといたぞ」
「わざわざポーションを使わせて悪いわね。あとでポーション代を払うわ」
「ん?いや、ポーションなんか使ってないぞ?」
「え?じゃあどうやって…?」
「俺は[快復魔法]を使っただけだ」
「!あ、あなた。[回復魔法]が使えるの⁉︎」
「ん?あぁ。それがどうかしたのか?」
「どうもこうも[回復魔法]っていうのは…」
とルオーネが俺に何か言おうとしたところで
「ルオーネ。とりあえず一旦戻るぞ。周りに聞かれたらスグルが困るからな。スグル、一旦個室に行かないか?」
ジェットが周りに聞こえない程度の声で俺に聞いてきた。
「分かった」
俺がそう答えると、ジェットとルオーネは闘技場の外に立っていた受付嬢の元へ行き、
「すまんが、個室を一つ貸してくれないか?」
「か、かしこまりました!」
受付嬢はそう答えて、ジェットたちを案内した。
俺はジェットたちの後ろをついて行き、一つの個室に着いた。
「ここで良いでしょうか?」
受付嬢が少し不安そうな声でジェットに聞くと
「あぁ、ここで構わねぇ」
そう言って、ジェットとルオーネは個室に入っていったので、俺も後に続くように入った。
俺が入ると同時に、ルオーネが魔法を唱えた。
「風属性魔法 ~消音~」
「これで外に聞かれる心配は無くなったな。さて、今から話すのはお前が聞きたかった[回復魔法]についてだ」
ジェットがルオーネの[消音]を確認すると、俺に落ち着いた声で言ってきた。
「スグルは[回復魔法]についてどれだけ知っている?」
「いや、ほとんど知らないな。強いて言うなら傷ついた人や動物を回復することができる魔法ってくらいだな」
「わかった。じゃあ[回復魔法]とは何かを教えるな。そもそも[回復魔法]って言うのはルオーネみたいな魔法使いには使えないんだ」
「ん?じゃあ何の職業が使えるんだ?」
「僧侶よ」
「僧侶?」
「ええ、教会に所属している者たちのことよ。彼らの攻撃の手段はメイス等の武器だけなのだけれど、彼らにはひとつだけあることができるの」
「それが[回復魔法]ってことか…」
「そう言うことだ。だから、[回復魔法]を扱うことができるのは僧侶だけなんだ。あいつらはそれを利用して、治療をする代わりに金銭を要求してくる」
「だが、それこそポーションで回復すればいい話なんじゃねぇのか?」
「実はね、[回復魔法]の方がポーションよりも回復量が多いの」
「なるほどな」
「だが、ひとつありえないことが出てきた」
「それが俺ってことか」
「そう、お前は魔法が使えるにも関わらず、僧侶にしか使うことのできない[回復魔法]が使える…。
しかもそこら辺の僧侶よりも遥かに効果の高い
[回復魔法]を」
「ルオーネは使えないのか?」
「私も使うことはできないわ」
「なるほどな。…………で?本当に言いたいことは何なんだ?ジェット、ルオーネ」
「「!」」
「な、何のことだ、スグル?」
「とぼけんな、流石の俺でも容易にわかるわ。お前らが本当に聞きたいのは…」
「[回復魔法]の習得方法だろ?」
0
お気に入りに追加
348
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢候補を幸せにして、私も結婚します
成実
恋愛
突然、神様が話しかけてきた。
地球の神様と異世界の神様が友達同士で、文明の発展の起爆剤になるように、人の魂を行き来させているですって。
毎回、婚約破棄されて結婚しないから、一回ぐらいは結婚してから地球に帰りなよと言われる始末。
私は日本にいた頃、WEB小説にはまっていたから、そのせいかも。
私は、小説を読みながらいつも思ってたのよ、悪役令嬢があまりにも悲惨な目にあいすぎるって、私が友達なら、サポートしてここまで、悲惨な目に合わせないようしてあげたいってね。
神様が話しかけてきたって事は、この異世界での人生がこれで最後という事。
なら私は自分が願っていた事を実現するために頑張ります。
料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します
黒木 楓
恋愛
隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。
どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。
巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。
転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。
そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。
クラス転移したひきこもり、僕だけシステムがゲームと同じなんですが・・・ログアウトしたら地球に帰れるみたいです
こたろう文庫
ファンタジー
学校をズル休みしてオンラインゲームをプレイするクオンこと斉藤悠人は、登校していなかったのにも関わらずクラス転移させられた。
異世界に来たはずなのに、ステータス画面はさっきやっていたゲームそのもので…。
強引に婚約破棄された最強聖女は愚かな王国に復讐をする!
悠月 風華
ファンタジー
〖神の意思〗により選ばれた聖女、ルミエール・オプスキュリテは
婚約者であったデルソーレ王国第一王子、クシオンに
『真実の愛に目覚めたから』と言われ、
強引に婚約破棄&国外追放を命じられる。
大切な母の形見を売り払い、6年間散々虐げておいて、
幸せになれるとは思うなよ……?
*ゆるゆるの設定なので、どこか辻褄が
合わないところがあると思います。
✣ノベルアップ+にて投稿しているオリジナル小説です。
✣表紙は柚唄ソラ様のpixivよりお借りしました。
https://www.pixiv.net/artworks/90902111
バイクごと異世界に転移したので美人店主と宅配弁当屋はじめました
福山陽士
ファンタジー
弁当屋でバイトをしていた大鳳正義《おおほうまさよし》は、突然宅配バイクごと異世界に転移してしまった。
現代日本とは何もかも違う世界に途方に暮れていた、その時。
「君、どうしたの?」
親切な女性、カルディナに助けてもらう。
カルディナは立地が悪すぎて今にも潰れそうになっている、定食屋の店主だった。
正義は助けてもらったお礼に「宅配をすればどう?」と提案。
カルディナの親友、魔法使いのララーベリントと共に店の再建に励むこととなったのだった。
『温かい料理を運ぶ』という概念がない世界で、みんなに美味しい料理を届けていく話。
※のんびり進行です
残り一日で破滅フラグ全部へし折ります ざまぁRTA記録24Hr.
福留しゅん
恋愛
ヒロインに婚約者の王太子の心を奪われて嫉妬のあまりにいじめという名の悪意を振り撒きまくった公爵令嬢は突然ここが乙女ゲー『どきエデ』の世界だと思い出す。既にヒロインは全攻略対象者を虜にした逆ハーレムルート突入中で大団円まであと少し。婚約破棄まで残り二十四時間、『どきエデ』だったらとっくに詰みの状態じゃないですかやだも~! だったら残り一日で全部の破滅フラグへし折って逃げ切ってやる! あわよくば脳内ピンク色のヒロインと王太子に最大級のざまぁを……!
※Season 1,2:書籍版のみ公開中、Interlude 1:完結済(Season 1読了が前提)
うつ病WEBライターの徒然なる日記
ラモン
エッセイ・ノンフィクション
うつ病になったWEBライターの私の、日々感じたことやその日の様子を徒然なるままに書いた日記のようなものです。
今まで短編で書いていましたが、どうせだし日記風に続けて書いてみようと思ってはじめました。
うつ病になった奴がどんなことを考えて生きているのか、興味がある方はちょっと覗いてみてください。
少しでも投稿インセンティブでお金を稼げればいいな、なんてことも考えていたり。
異世界召喚されたのは、『元』勇者です
ユモア
ファンタジー
突如異世界『ルーファス』に召喚された一ノ瀬凍夜ーは、5年と言う年月を経て異世界を救った。そして、平和まで後一歩かと思ったその時、信頼していた仲間たちに裏切られ、深手を負いながらも異世界から強制的に送還された。
それから3年後、凍夜はクラスメイトから虐めを受けていた。しかし、そんな時、再度異世界に召喚された世界は、凍夜が送還されてから10年が経過した異世界『ルーファス』だった。自分を裏切った世界、裏切った仲間たちがいる世界で凍夜はどのように生きて行くのか、それは誰にも分からない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる