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《氷風》のルオーネ

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「クフフッ、まさかジェットを倒しちゃうなんてね。私もう驚いちゃったわ」

ルオーネは笑いながら闘技場の中へと入ってきた。

「ところであなた、魔法もかなり極めてるわね」

「それほど極めては無いと思うがな」

「何を言ってるのかしら。オリジナル魔法を作るにはその属性をLv10にしないと作ることが不可能なのよ?」

「なら、誰もができるんじゃないのか?」

「あなた、本当に知らないのね…。いいこと?どんなに優れた魔法使いでもLv10にするのは人の一生では至難の道なの」

「だが、アンタは使えるんだろう?」

「私は長命種ちょうめいしゅのエルフだから、人よりも遥かに長く生きることができるのよ」

(ん?長命種?アリス、長命種ってなんだ?)

『長命種とは先程言われたように人よりも遥かに長く生きる種族のことです。例であげるならエルフやドワーフなどが挙げられますね』

アリスからの説明が終わると同時にルオーネが

「さて、そろそろ私たちも始めましょうか?」

「あぁ、俺もちょうど言おうと思ってたところだ」

「クフフ、それじゃあ始めましょうか」

ルオーネがそう言うと、審判員が

「それでは今からSランク冒険者《氷風》のルオーネ様 対 Aランク冒険者スグル様の模擬戦を始めます。ルールは先程と同じです。それでは模擬戦始め!」

模擬戦開始の合図を出した。すると、早速ルオーネが先制攻撃をしてきた。

「[アイスバレット]、[ウィンドアクセル]」

[風魔法]で加速された氷の弾丸が俺に向かってきた。俺はそれを見ながら

「[アースバレット]」

土の弾丸で相殺すると、

「[ガストソード]」

ルオーネは風の剣を杖から放ってきたので、俺はまた相殺する形で

「[ファイアソード]」

を唱え、それを手に持ってルオーネの[ガストソード]を斬った。

「クフフッ、流石にこのレベルなら対処できるわよね。でも驚いたわ~。まさかその歳で[詠唱省略]もできるなんてね。あなた本当に人間?」

「俺は正真正銘、ただの人間だが?」

「ふぅーん、そう。まぁ私には関係ないからどうでもいいけど。そろそろペースアップしてくわよ?」

そう言うと、同時に。そして、その球体が俺の方へと向かい、約1メートル程度の距離になると、突然爆発し出した。

俺は突然のことに驚いたが、俺の周りに[アースウォール]をで発動し、氷の爆発から身を防いだ。しかし、爆発が終わったと同時に[アースウォール]が破られ、俺は軽い舌打ちをしてその攻撃を回避した。

「おいおい、人を殺す気かよ」

「クフフッ、あなたなら大丈夫でしょ?それに実際、無傷で私の攻撃を回避したのだし」

「まぁ、そこはなんとかな…。しかしいきなり無詠唱で来るとは思わなかったぞ」

「そういうあなたも私の[アイスボム]を無詠唱で防いだじゃない」

「あれに関しては防がねぇといくつか喰らってただろうからな」

「ところであなたいくつ魔法が使えるのかしら?私が把握してるだけでも4属性は使えてるわよね?」

「さぁな、引き出してみたらどうだ?」

俺がそう言うと、ルオーネは一瞬あっけにとられた顔をして、その後、笑い出した。

「クフッ、クフフッ、クフフフッ!私にそんなこと言う人は久しぶりよ!いいわ、私があなたの魔法全て引き出してあげる!」

そう言って再び闘いが始まった。
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