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Sランクの冒険者
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「なぁ坊主、Aランクなんだってなぁ。だったら俺たち2人と模擬戦してくれねぇか?」
俺の肩を叩いた男が俺にそう言うと
「お、おい!あの2人…もしかして⁉︎」
「あぁ、間違いねぇ!この街のSランク冒険者の《烈火》のジェットと《氷風》のルオーネだ!」
周りの冒険者たちが再びガヤガヤと騒ぎ出した。
「うるさいわね~、私たち2人がいるくらいで。
ねぇ、ジェット?」
「そうだなルオーネ。だからといって魔法をここで放つなよ?」
「当たり前じゃな~い!こんなとこで放ったら死人がたくさん出ちゃうわ~」
それを聞いた冒険者たちは「ヒッ⁉︎」と言って、先ほどの騒ぎがなかったかのように静かになった。
「さて、静かになったところで坊主。俺たちと模擬戦をしてくれねぇか?」
再びジェットが俺に聞いてきた。
「そうだな、俺も少し体が鈍ってたんだ。どうせなら手合わせ願おう」
俺の返答を聞いたジェットとルオーネは
「よし!ならばこの下の闘技場でやろうぜ!」
「久々の対人戦ですわ~」
と言って、階段を降りていった。
2人がいなくなるとリーリアが
「ス、スグルさん…良かったんですか?模擬戦なんかを受けてしまって」
不思議そうに聞くリーリアに俺は
「Sランク冒険者がどのくらいの実力なのかを知っておきたかったしな。それに久々に本気でやれるかもしれないからな」
そう言って階段の方へと向かった。
俺が下に降りると、すでに闘技場の周りには多くの冒険者で埋め尽くされていた。ジェットとルオーネは俺の姿を見つけると、待ってたかのように笑顔を浮かべ始めた。
「さて、準備はできたか?坊主」
「いい加減坊主はやめてくれ。俺の名はスグルだ」
「そうか、じゃあスグル!準備は良いか?」
「あぁ、ところでルールは?」
「ルールに関してはどちらかが先に気絶、または降参をした方が負けでいいかしら?あっ!買った方は負けた方の財産の1割を頂くでよいですか?」
「わかった、それで構わん。ところで先に戦うのはどっちだ?」
「「俺(私)だ(よ)!」」
(…………ん?)
「おいおいルオーネ、何言ってんだ?先にスグルと闘うのは俺とに決まってるだろ?誰が声をかけたと思ってるんだ?」
「ジェットこそ何言ってるのかしら?そもそも彼に声をかけるように言ったのは私よ?私が先に闘う権利があるに決まってるじゃない」
「だが実際、俺のお陰で闘えるんだぞ?」
「あら、それなら普段誰のおかげで前線に立てているのかしら?」
「ガハハハッ、それなら今ここでお前と闘って決めてもいいんだぜ?」
「フフフッ、それもいいわね」
(やばい、なんか2人の後ろに何かが見えるんだが…。てか、そんなことよりどうしような。このままだと2人とも闘って決めるぞ?よし、アリス!2人が闘わなくて済む良い方法はないか?)
『ではマスター、こんなのはどうでしょうか?』
(ふむふむ、シンプルだが一番無難そうだな)
「なぁ、2人とも。このまま闘って決めるのも良いが、それじゃあ俺と闘う時、2人は不利だろ?」
「そうだな、いくら俺でもルオーネと闘った後からスグルとやり合うのは少しキツイな」
「私も同じですわ」
「だったらコインで決めればよくないか?今、ここにちょうど銀貨がある。2人はそれぞれ表と裏のどちらかを選んで当てた方が俺と闘うでどうだ?」
「その意見、乗った!」
「私も乗るわ」
「なら今から俺がこの銀貨を弾くから表か裏かを言ってくれ」
「「裏(表)だ(よ)!」
俺は銀貨を親指で上に弾き、落ちてきたところを手の甲で銀貨を取った。
「……………裏だ」
「良し!じゃあ先は俺だな」
「仕方ないわね、先は譲るわ」
そう言ってルオーネは闘技場の外に出た。
「それじゃあスグル、殺り合おうか」
俺の肩を叩いた男が俺にそう言うと
「お、おい!あの2人…もしかして⁉︎」
「あぁ、間違いねぇ!この街のSランク冒険者の《烈火》のジェットと《氷風》のルオーネだ!」
周りの冒険者たちが再びガヤガヤと騒ぎ出した。
「うるさいわね~、私たち2人がいるくらいで。
ねぇ、ジェット?」
「そうだなルオーネ。だからといって魔法をここで放つなよ?」
「当たり前じゃな~い!こんなとこで放ったら死人がたくさん出ちゃうわ~」
それを聞いた冒険者たちは「ヒッ⁉︎」と言って、先ほどの騒ぎがなかったかのように静かになった。
「さて、静かになったところで坊主。俺たちと模擬戦をしてくれねぇか?」
再びジェットが俺に聞いてきた。
「そうだな、俺も少し体が鈍ってたんだ。どうせなら手合わせ願おう」
俺の返答を聞いたジェットとルオーネは
「よし!ならばこの下の闘技場でやろうぜ!」
「久々の対人戦ですわ~」
と言って、階段を降りていった。
2人がいなくなるとリーリアが
「ス、スグルさん…良かったんですか?模擬戦なんかを受けてしまって」
不思議そうに聞くリーリアに俺は
「Sランク冒険者がどのくらいの実力なのかを知っておきたかったしな。それに久々に本気でやれるかもしれないからな」
そう言って階段の方へと向かった。
俺が下に降りると、すでに闘技場の周りには多くの冒険者で埋め尽くされていた。ジェットとルオーネは俺の姿を見つけると、待ってたかのように笑顔を浮かべ始めた。
「さて、準備はできたか?坊主」
「いい加減坊主はやめてくれ。俺の名はスグルだ」
「そうか、じゃあスグル!準備は良いか?」
「あぁ、ところでルールは?」
「ルールに関してはどちらかが先に気絶、または降参をした方が負けでいいかしら?あっ!買った方は負けた方の財産の1割を頂くでよいですか?」
「わかった、それで構わん。ところで先に戦うのはどっちだ?」
「「俺(私)だ(よ)!」」
(…………ん?)
「おいおいルオーネ、何言ってんだ?先にスグルと闘うのは俺とに決まってるだろ?誰が声をかけたと思ってるんだ?」
「ジェットこそ何言ってるのかしら?そもそも彼に声をかけるように言ったのは私よ?私が先に闘う権利があるに決まってるじゃない」
「だが実際、俺のお陰で闘えるんだぞ?」
「あら、それなら普段誰のおかげで前線に立てているのかしら?」
「ガハハハッ、それなら今ここでお前と闘って決めてもいいんだぜ?」
「フフフッ、それもいいわね」
(やばい、なんか2人の後ろに何かが見えるんだが…。てか、そんなことよりどうしような。このままだと2人とも闘って決めるぞ?よし、アリス!2人が闘わなくて済む良い方法はないか?)
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「だったらコインで決めればよくないか?今、ここにちょうど銀貨がある。2人はそれぞれ表と裏のどちらかを選んで当てた方が俺と闘うでどうだ?」
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「なら今から俺がこの銀貨を弾くから表か裏かを言ってくれ」
「「裏(表)だ(よ)!」
俺は銀貨を親指で上に弾き、落ちてきたところを手の甲で銀貨を取った。
「……………裏だ」
「良し!じゃあ先は俺だな」
「仕方ないわね、先は譲るわ」
そう言ってルオーネは闘技場の外に出た。
「それじゃあスグル、殺り合おうか」
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