真・シンデレラ

最高の晩餐

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真・シンデレラ

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ほれ、聞いてや。大正時代のことやけど、帝都・東京っちゅうところに、藤堂っちゅう侯爵家があって、そこのお嬢はんが桜子っちゅう名前やったんや。

桜子は、ホンマにええ子やったんやけど、母親が亡くなって、継母と姉分にイジメられっぱなしやった。家事も全部やらされ、召使いみたいなもんやったんや。

ある日、帝都で舞踏会が開かれるってんで、姉分はワクワクして準備しよったけど、桜子は当然、参加させてもらえへん。

ところがどやねん!

舞踏会の当日の朝、桜子のもとにひとりの老婆が現れ、魔法の力で桜子を美しい姫へと変身させてくれたんや。さらに、ガラスの靴までプレゼントしてくれたんやで!

けど、魔法は12時になると解けるっちゅう条件付きやった。

桜子はガラスの靴を履いて、そっと舞踏会へ出かけたんや。会場は華やかで、桜子は夢のような時間を過ごしたんやけど、あっという間に12時が近づいてきた。

慌てて逃げ出した桜子は、ガラスの靴の一方を落としてしまったで。

そこで話は変わって、黒田っちゅう帝都随一の名門財閥の跡取り息子が、舞踏会で出会った美しい姫に一目惚れしたんや。

黒田は、落としたガラスの靴を手に、姫を探し始めるんやけど、なかなか見つからへん。

そんなある日、黒田は偶然、桜子が働いてる藤堂家を訪れるんや。

そこで、桜子がガラスの靴の持ち主であることに気づくんやで!

黒田は、桜子に真実の愛を告白し、プロポーズするんや。桜子はもちろん、喜んでOKしたんや。

めでたしめでたし!

せやけど、ちょっと待ってや。

桜子と黒田は、結婚して幸せに暮らしたんやけど、継母と姉分はその後、どうなったんか気にならん?

実は、継母と姉分は、桜子の幸せな姿を目の当たりにして、改心したんや。

ほんまかいな!

そして、桜子と黒田に謝罪し、許してもらったんや。

めでたしめでたし、ほんまにめでたしめでたし!

しらんけど。
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