Coffee Break

Pomu

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また明日

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ホテルの部屋の窓からは、夜の、ネオンに溢れた街並みと、星のない真っ黒な空が見えた。

シャワーを浴びたばかりの体からはほんのりとボディソープの香りがして、髪の先からはまだ、雫が滴っている。



もうすぐ、俺と同じ香りを纏わせて、浴室から彼が出てくる。

そして、俺は彼を置いて、逃げるようにこの部屋から出ていく。





いつから、こんな関係になったんだっけ。

何で、こんな関係にしたんだっけ。

きっかけは全部、俺だった。





浴室から出てきた彼は、ベッドに座ってタバコを吸っている。

その仕草が、たまらなく好きだった。

俺だけのものになればいいと思った。

なるはずがないことは、知っていたのに。





「なぁ」



タバコを吸い終えた彼が、優しい声で俺に話しかける。

勘違いさせるような声。

愛されているような、そんな気がする声。





「なに?」



ベッドに座る彼に近寄り、膝に手を置いて、何を考えているのかわからない瞳を覗き込む。

きっと、俺が考えたくないことを、この瞳の奥で彼はいつも考えているんだろう。





「俺たち…」





その先を、唇で塞ぎ、耳元で俺はいつもの言葉を囁く。





「また明日ね」





そして彼から、この夜から、逃げるように俺はホテルの部屋を出ていく。





追いかけてくるのは、いつも闇だけ。

まとわりつくような、夜の匂いだけだった。


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