上 下
52 / 136
捜査開始

52. 十日目(謹慎二日)、今後の予定

しおりを挟む
 しばらくの間、天井を見詰めながら高揚した気分を味わっていたが、いつま
でも、そのままという訳には行かない気がした。
「聡さん。最後の鍵をGETしましたねっ」
「……」
 聡からの返事が来ないので顔を横に向けて確認すると気持ち良さそうな寝顔
を見る事が出来た。一睡もしていないなら、無理もないので、直ぐに起こす事
はしなかった後藤。しかし22日は金曜なので聡は出勤するであろう時間には
起こす事を決めて無心に努めていた。一時間位、寝落ちしていた聡を起こすと
スーツに着替えなくてはいけない時間に迫っていた事を告げられて役に立つ事
が出来た事を素直に喜んだ後藤だった。聡は、午前7時前に玄関を出ると合鍵
を後藤に手渡して施錠をしてから玄関扉の郵便受けに入れてくれればOKだか
らと告げて玄関を後にした。仮眠したせいなのか、新たな手掛かりになる鍵を
発見できたからなのかは判断できなかったが聡の「行ってきます!」の挨拶と
上機嫌な笑顔が暫く頭から離れなかった。

 新たな鍵は手に入ったものの。中身を入手するまでは本当の意味での安堵は、
訪れる気がしなかったので、ぬか喜びは封印する事にした後藤。
「何が出て来るのかは、その時の御楽しみって事だな」
 後藤は通勤ラッシュが終わる時間まで今後のやるべき事を頭の中で整理して
みる事にした。

 自宅に戻ってから、小林からの添付ファイルを見る。麻雀仲間の一人とは俺
もコンタクトを取って見たい気がするが誰を選べば良いのか思案する。職業不
詳の虻沼がどんな男か分からないので結局の所、女性の二択になる訳だが小林
と違って経験人数は至って少ないし喜ばせる技なんてモノは持ち合わせては、
いなかった。そう考えると自ずと占い師をしているアケミに会って情報を得る
しかなかった。問題は正確な住所を得る事だったが電話で最後の頼みだと言う
作戦を思い付いたので不安は無かった。情報戦略に長けている小林が誰の住所
も知らないなんて事は考えられなかったからだ。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

透影の紅 ~悪魔が愛した少女と疑惑のアルカナ~

ぽんぽこ@書籍発売中!!
ホラー
【8秒で分かるあらすじ】 鋏を持った女に影を奪われ、八日後に死ぬ運命となった少年少女たちが、解呪のキーとなる本を探す物語。✂ (º∀º) 📓 【あらすじ】 日本有数の占い師集団、カレイドスコープの代表が殺された。 容疑者は代表の妻である日々子という女。 彼女は一冊の黒い本を持ち、次なる標的を狙う。 市立河口高校に通う高校一年生、白鳥悠真(しらとりゆうま)。 彼には、とある悩みがあった。 ――女心が分からない。 それが原因なのか、彼女である星奈(せいな)が最近、冷たいのだ。 苦労して付き合ったばかり。別れたくない悠真は幼馴染である紅莉(あかり)に週末、相談に乗ってもらうことにした。 しかしその日の帰り道。 悠真は恐ろしい見た目をした女に「本を寄越せ」と迫られ、ショックで気絶してしまう。 その後意識を取り戻すが、彼の隣りには何故か紅莉の姿があった。 鏡の中の彼から影が消えており、焦る悠真。 何か事情を知っている様子の紅莉は「このままだと八日後に死ぬ」と悠真に告げる。 助かるためには、タイムリミットまでに【悪魔の愛読書】と呼ばれる六冊の本を全て集めるか、元凶の女を見つけ出すしかない。 仕方なく紅莉と共に本を探すことにした悠真だったが――? 【透影】とかげ、すきかげ。物の隙間や薄い物を通して見える姿や形。 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』 表紙イラスト/イトノコ(@misokooekaki)様より

【本当にあった怖い話】

ねこぽて
ホラー
※実話怪談や本当にあった怖い話など、 取材や実体験を元に構成されております。 【ご朗読について】 申請などは特に必要ありませんが、 引用元への記載をお願い致します。

サクッと読める♪短めの意味がわかると怖い話

レオン
ホラー
サクッとお手軽に読めちゃう意味がわかると怖い話集です! 前作オリジナル!(な、はず!) 思い付いたらどんどん更新します!

(ほぼ)5分で読める怖い話

涼宮さん
ホラー
ほぼ5分で読める怖い話。 フィクションから実話まで。

本当にあった怖い話

邪神 白猫
ホラー
リスナーさんや読者の方から聞いた体験談【本当にあった怖い話】を基にして書いたオムニバスになります。 完結としますが、体験談が追加され次第更新します。 LINEオプチャにて、体験談募集中✨ あなたの体験談、投稿してみませんか? 投稿された体験談は、YouTubeにて朗読させて頂く場合があります。 【邪神白猫】で検索してみてね🐱 ↓YouTubeにて、朗読中(コピペで飛んでください) https://youtube.com/@yuachanRio ※登場する施設名や人物名などは全て架空です。

処理中です...