122 / 136
捜査最終日
注意:122. 十一日目(謹慎三日)、死亡した娘の秘密②
しおりを挟む
「さて横道を話すのも飽きてきたから死亡した娘の秘密について、
話す事にするよ。血は繋がっていない事は話したよね?」
「あぁ、それは聞いたよ」
「では私が話していない秘密も一緒に明かすとしよう。僕が20代
の時に付き合ってた年上の女性が居てね。その人は禿げた頭の人が
異常に好きな趣向を持っていて段々と強要するようになっていった
だ。具体的には毎日はお風呂に入らないでとか脂っこい物を毎日食
べさせられたり、シャンプーする時は頭皮をゴシゴシする事を約束
させられたりした。極め付けは「あなたはどうして禿げないの?」
と毎朝、顔を合わせる度に毒づかれたりもした。精神的にも追い込
まれていてね。結局、別れる事にしたよ。黙ってれば、とびきりの
美人だったんだけどね……」
「それで?」
「女性不審になってしまったんだ。特に派手目の化粧やネイルをし
てる人に嫌悪感を抱くようになっていたんだ」
「つまり、性的対象が女性から男性に変わったって事か?」
「その通りだよ。で今から4年前の1996年の初詣の日に偶然、
隆に出合ってね。ふと別れた彼女に歳の離れた妹が居た事を思い出
したんだ。性格が正反対で姉想いだってのも思い出して妹と接触す
る事を思い付いたんだ。会ってみて驚いたよ。容姿はソックリだっ
たからね! で、それとなく金遣いの荒い姉の借金の状態を聞いた
んだ。そしたら借金総額が300万まで膨らんでると来たもんだ!」
「何を提案したんだ?」
「養子縁組だよ。借金を現金で立て替えてやるかわりにな。愛里と
書いて”エリ”って読むんだ」
「それで、隆兄さんと出会うように細工したって事か。それで仲良
くなって結婚を夢見た二人に何をしたと思っているんだ!?」
「僕は殺人計画を立てたにすぎない。アクセルを踏んだのは彼だっ」
「ふっふざけるなっ。ブレーキを踏めない様に細工しといて生贄と
したんだろうがっ」
「おいっおいっ。俺はアンタの説教なんて聞きたくないんだからよ。
ちょっと黙ってろっ!!」
黒いガムテープで後藤の鼻の真下から顎までの間を数回巻き付け
て言葉を話す機能を無効とさせた。
「んんっんっ」
後藤はガムテープをされて初めて熱くなりすぎていた事に気付い
たが庭村の目は笑っていなかった。
「そうそう、奇妙な話なんだが二人っきりの姉妹で本当に仲良かっ
たみたいで葬式に来た姉は昔の面影が無くなったように妹の化粧と
妹の好む服装を着てて流石に怖かったよ。まるで半身を失った人形
みたいに生気が無かったな~。まぁ俺にした仕打ちに対して当然の
報いだけどなー」
後藤は、その言葉を聞いて初めて、ここに来た事を後悔した。
話す事にするよ。血は繋がっていない事は話したよね?」
「あぁ、それは聞いたよ」
「では私が話していない秘密も一緒に明かすとしよう。僕が20代
の時に付き合ってた年上の女性が居てね。その人は禿げた頭の人が
異常に好きな趣向を持っていて段々と強要するようになっていった
だ。具体的には毎日はお風呂に入らないでとか脂っこい物を毎日食
べさせられたり、シャンプーする時は頭皮をゴシゴシする事を約束
させられたりした。極め付けは「あなたはどうして禿げないの?」
と毎朝、顔を合わせる度に毒づかれたりもした。精神的にも追い込
まれていてね。結局、別れる事にしたよ。黙ってれば、とびきりの
美人だったんだけどね……」
「それで?」
「女性不審になってしまったんだ。特に派手目の化粧やネイルをし
てる人に嫌悪感を抱くようになっていたんだ」
「つまり、性的対象が女性から男性に変わったって事か?」
「その通りだよ。で今から4年前の1996年の初詣の日に偶然、
隆に出合ってね。ふと別れた彼女に歳の離れた妹が居た事を思い出
したんだ。性格が正反対で姉想いだってのも思い出して妹と接触す
る事を思い付いたんだ。会ってみて驚いたよ。容姿はソックリだっ
たからね! で、それとなく金遣いの荒い姉の借金の状態を聞いた
んだ。そしたら借金総額が300万まで膨らんでると来たもんだ!」
「何を提案したんだ?」
「養子縁組だよ。借金を現金で立て替えてやるかわりにな。愛里と
書いて”エリ”って読むんだ」
「それで、隆兄さんと出会うように細工したって事か。それで仲良
くなって結婚を夢見た二人に何をしたと思っているんだ!?」
「僕は殺人計画を立てたにすぎない。アクセルを踏んだのは彼だっ」
「ふっふざけるなっ。ブレーキを踏めない様に細工しといて生贄と
したんだろうがっ」
「おいっおいっ。俺はアンタの説教なんて聞きたくないんだからよ。
ちょっと黙ってろっ!!」
黒いガムテープで後藤の鼻の真下から顎までの間を数回巻き付け
て言葉を話す機能を無効とさせた。
「んんっんっ」
後藤はガムテープをされて初めて熱くなりすぎていた事に気付い
たが庭村の目は笑っていなかった。
「そうそう、奇妙な話なんだが二人っきりの姉妹で本当に仲良かっ
たみたいで葬式に来た姉は昔の面影が無くなったように妹の化粧と
妹の好む服装を着てて流石に怖かったよ。まるで半身を失った人形
みたいに生気が無かったな~。まぁ俺にした仕打ちに対して当然の
報いだけどなー」
後藤は、その言葉を聞いて初めて、ここに来た事を後悔した。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
皆さんは呪われました
禰津エソラ
ホラー
あなたは呪いたい相手はいますか?
お勧めの呪いがありますよ。
効果は絶大です。
ぜひ、試してみてください……
その呪いの因果は果てしなく絡みつく。呪いは誰のものになるのか。
最後に残るのは誰だ……
感染
saijya
ホラー
福岡県北九州市の観光スポットである皿倉山に航空機が墜落した事件から全てが始まった。
生者を狙い動き回る死者、隔離され狭まった脱出ルート、絡みあう人間関係
そして、事件の裏にある悲しき真実とは……
ゾンビものです。
岬ノ村の因習
めにははを
ホラー
某県某所。
山々に囲われた陸の孤島『岬ノ村』では、五年に一度の豊穣の儀が行われようとしていた。
村人達は全国各地から生贄を集めて『みさかえ様』に捧げる。
それは終わらない惨劇の始まりとなった。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる