上 下
118 / 281
第一章:始まりの世界 ”自己啓発編”

♯18. リカ姐の素朴な疑問②

しおりを挟む
  マイカの表情が落ち着いた頃を見計らって再び質問を
始めるリカ。
「脚本見るの全部話終わってからで良いから、もう一つ
聞いても良い?」
「どうぞ何なりと」
 眉毛の位置も通常の場所に戻っており、荒れた様子は
影を潜めて冷静な対応をする立花。
「ヒカルさんが記憶を封じ込まれてでも潜在意識(無意
識)の状態で体を鍛えた格闘技は何か気になるのよね~」
「リカ姐って、そういうのにうといと思ってたけど実際は
違うの!?」
「私の場合は女性がたくましくなる事に凄くかれるの」
「成程、マニアックな意見ね。ヒカルさんが選んだのは
シュートボクシング (Shoot Boxing)でキックボクシング
の技に加え、投げ技および立った状態での関節技(極め
技や絞め技)が認められている立ち技の新興しんこう格闘技なの」
「名前は聞いた事あるけど実際には見たことないかも。
それにしても打撃プラスアルファを求めて辿り着いたの
は皮肉な所よね~」
「まぁこっちとしては競技が被ってなければ問題ないか
ら、唯一、同姓で本気で戦えそうな相手ではあるかな」
 左右の指を組みながら首を左右に倒してポキポキ音を
響かせる立花。

「あっそうそう、一番肝心な事を忘れてた。宮間さんっ
て本当に強いの?」
「清武さんと比べないのを前提に話をさせて貰うと言う
だけの事はある程、腕前は確かよ」
「どうして、そう言い切れるの? 直接見たの!?」
「残念ながら直接は見る機会が無かったけど動画サイト
にアップされてるんだ。しかも会員制で紹介システムを
採用してるサイトなの」
「へぇー。そんな限定にしてるサイトに投稿されてるっ
て事は普通じゃないわよね」
「今度、見せてあげるよ」
「じゃぁ、約束ね!」
「約束する。って言うかリカ姐って宮間さんみたいな人
がタイプなの?」
「ち、違うわよっ。清武さんに対抗できるって所に興味
があるだけ」
 リカは精一杯、弁明するも動揺を隠せない状態に陥っ
てしまい額から汗が滲み出ていた。
「まぁ、今回はそういう事にしておきますっ」
 立花はそれ以上追及する事を止めたが良い情報ネタが入手
出来た事に満足気な表情見せた。

 §§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§§
 

しおりを挟む

処理中です...