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第一章:始まりの世界 ”チーム対抗戦” 

#142.リカ姐のコンプレックス②

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「ふ~ん。そうなんだ。ならビビるの止めるっ」
 緊張の糸が切れたのか肩の力が抜ける立花。
「やっぱ、マイカのリアクションは面白いよ」
「えーっ。それってホメてるの? けなしてるの?」
「ホメてるに決まってるでしょ!!」
 何気ない会話で盛り上がる二人だったがコンプレッ
クスを言うべきタイミングは、ココだとリカは瞬時に
判断していた。
「えーっと私のコンプレックスは分厚いくちびるなの」
 一気に言い終わるリカ。
「エッ。そこなの?」
 予想外の答えに本音がポロっと出てしまうマイカ。
「ほら、やっぱり。その薄いリアクションになるから
言いたくなかったんだけどねっ!」
「ゴっゴメン……」
「別にあやまらなくても良いよ。小学生時代は本当に
鏡で顔を見るのも嫌でさ」
 暗い表情になっていくリカ。
「きっかけって何かあったの?」
 おそるおそる理由を聞く立花。
「うん。それが良くある話で同にクラスの男子に悪口
を言われてから気にするようになったの」
「あっそういう事かっ」
「昔の話だから今はその言葉で傷つく事は無くなった
んだけどタラコくちびるって指さされながら複数に、
囲まれた時は給食もノドに通らなかったしね」
「そういう事があったんだー」
「でも気にしなくなったって事は何がきっかけだった
の?」
 コンプレックスを過去のものにしていく程の何かに
興味がわいて思わず質問していた立花だった。
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