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第一章:始まりの世界 ”チーム対抗戦” 

#137.立花マイカのコンプレックス

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「じゃぁ、正直に話すと女性なら誰しも気になる部分
で胸の事なんだけど……」
 立花は心の奥にしまっていた悩みを打ち明けようと
勇気を出し始める。
「うん。ちゃんと聞いててあげるから最後まで話して
みて」
 リカは優しい言葉を掛けた。

「そう分かった。気にしすぎかもしれないけど、もう
少し大きい方が良いんだ」
 両方の人差し指をツンツン突き合わせしながら照れ
る立花。
「つまり、バストサイズの事ね」
「そうなのっ」
 みなまで言わずに理解してくれてる事が何より嬉し
かったので声がうわずる立花。

「この場合、具体的にサイズを聞いても良いのかな?」
「うん。私は、ギリギリCカップでDくらいあると水着
の着れる幅が広がる気がするの」
「成程ね。上下が分かれてるビキニタイプが着たいっ
て事だ」
「うん。やっぱり憧れが強いかなぁー」
 将来、彼氏と海やプールでデートするにも全身水着
しか着ないってのも情けないと思っていた立花だった。

「それって裏技は使いたくないって事の表れだよね!」
 水着あるあるを遠慮なく放り込んでくるあたりが、
リカらしいと思った立花。
「パッドを敷き詰めて大きさを維持して、その場は、
良くても、いざ本番って時に本来の姿と違い過ぎて、
ダマしてたみたいに言われるの好きじゃないし。夏が
近づいてくると真剣に悩むから何とかならないかな~
と。良い方法ありますか? リカ姐にとっては悩む程
の事じゃないと思うけど……」
 
「今の一言多いわよ。確かに私の胸は膨らみを隠せな
い程、大きい方でGカップはあるけど、それはそれで
肩こりが酷かったり、垂れないようにキレイな形を維
持するべく週3で筋トレしてるんだけどねっ」
 只、言われっぱなしで終わらないのがリカで誤解は
解かなくてはと思う性分なのである。

「えっ!? 筋トレしてるとは知らなかったぁー」
 本気で驚いて目を瞬かせる立花。
「まぁ私のコンプレックスは別だから、それは私の番
に話すとして考えをまとめるのに2、3分貰えると嬉
しいんだけど。どうかな?」
「はい。それで宜しくお願いします!」
 立花の承諾を得てリカは最善の答えを探すべく目を
閉じて考えを巡らせる事にした。

 
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