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第一章:始まりの世界 ”チーム対抗戦” 

#136.リカ姐からの突然な提案

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 立花が持ってきたカバンに脚本をしまったところで
真面目な顔付きになったリカが話し始める。
「物語もチーム対抗戦となってきて次の展開が楽しみ
なんだけど久しぶりに会えたんだから真面目な事も話
そっか」

「えっ。このタイミングで? テーマは何?」
 何が目的なのか分からず、頭の中がグルグル駆け巡
る立花。
「良い質問ね。テーマはズバリ、コンプレックスよ」
「成程、それなら沢山あって夜が明けちゃうかもだけ
ど……」
 私に一度も弱みを見せた事が無いリカ姐の突然の提
案に、どこまで話して良いか分からない立花は、それ
となく探りを入れた。
「そうね。睡眠不足は、お肌の大敵だから一個だけに
しましょう。重たいのでも軽めでも好きなのを選択し
てね。相手のコンプレックスに対して聞いた方は自分
に置き換えてアドバイスする事。変に同情だけだと何
も進歩が無いしね!」
 リカは表情を緩めるとニコッと笑顔を見せた。

「うん。分かった。順番は、どうする?」
 リカ姐の大きい胸を見ながら質問する立花。
「私は、どっちでも構わないわよ」
 視線に気付いてるが素知らぬ顔をして余裕な態度を
取るリカ。
「なら、先に私が話すね!」
 立花は先に告白して少し楽になりたかったのもあっ
て、このチャンスを逃すものかと力強い声で発した。

「えぇ。さーて何が飛び出てくるやら。ちゃんと私の
言葉で感想を言うし、只聞くだけじゃないから安心し
て。私のアドバイスを聞いて悩みが落ち着いたら簡単
なお願い事を聞いて欲しいな。これは無理にとは言わ
ないけどねっ」
 リカ姐の突然な提案の意味が少しだけ分かったよう
な気がした立花だった。

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