少年と銀貨 第一章：始まりの世界

第一章：始まりの世界 ”チーム対抗戦”

♯１０２．チーム対抗戦の始まり㉔ ＊チームごとの順番決め（大山チーム）

「僕は牧村君がこっちのチームに加入するのは良いと
思うよ。心の中で、ずっとモヤモヤしてるのも体に、
よくないと思うしねっ」
　タカフミが両手を差し出して迎え入れた事で哀川が
、さりげなく牧村の肩を叩いて歓迎の言葉を掛けた。
「良かったな。まぁ、うちの大将は少し変わり者だか
ら身体能力だけで判断しなところがみりょくかな」
「変わり者だけ余分な気がするけどー」
　哀川とタカフミのやりとりで和やかムードが高まる
中、川邑ヒカルが口を開いた。
「トモコちゃんが参加するんだったら私も参加しても
良いかな？」
「心が落ち着いてないみたいだから今回は辞めた方が
良いよ」
「何だ。バレてたんだっ」
　ほほを赤らめながら話すヒカル。
「でも次回あったら必ず声掛けるよ。それでどう？」
「うん。分かった。それなら今回は引き下がります！」
　ヒカルは皆の前で理由を聞かないタカフミのやさし
さが妙にうれしかった。実際、不審者とそうぐうして
から立花マイカちゃんが怪我してたのを見て、すごく
怖い気持ちになったのも事実だったし気が紛れる保証
なんてどこにもなかった。只、頼もしい人達との出会
いは嬉しかった。城ヶ崎さんの執事の宮間さんがカッ
コ良くて強かったけど清武さんの圧倒的な強さには、
別の感動が生まれていた。この街、最凶の空手家だと
は知ってたからだ。でも都市伝説みたいな感じもした
ので実際に見るまでは半信半疑だったのが本音だった。