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第一章:始まりの世界 ”チーム対抗戦” 

♯101.チーム対抗戦の始まり㉓ *チームごとの順番決め(大山チーム)

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「他に何か意見はあるかな?」
 タカフミは意見をなるべく言いやすい雰囲気作りを
重視して皆に話しかける。
「今回、僕は最初で行きたいんだけど皆、どう思う?」
 前回のイベントで勝利に導いた堀部が口を開いた。
「まぁ、リレーという訳ではないし別にアンカーじゃ
無くても俺は良いと思うけど」
 哀川は最もな意見を述べた。
「確かに哀川くんの言う通りだね! 私も賛成」
 後ろの方で、ずっと聞いていた川邑ヒカルが会話に
参加し始めるも表情はどこか暗く目の焦点も定まって
いない。

「さっきから顔に元気無いけど何かあったの?」
 タカフミは得意の観察眼で問いかけたが首を横に、
振るだけで確かな情報は得られなかった。幼なじみだ
から分かったが絶対に何か隠している事だけは間違い
ない。二人きりの時にでも聞いてみようと判断して、
その場で問い詰める事はしなかった。

「ちょっとスミマセーン。僕、あっちのチームの居心
地が悪かったのと、この前の参加賞が本当にうれしく
て。後、何かの役に立ちたくて、こちらのチームに、
入れてくれないかな?」
「このタイミングで? まさかスパイじゃ無いよな?」
 哀川がまるで怪しい容疑者を見るような目で対応し
た。
「まさか、僕にスパイみたいな器用な事は出来ないよ」
「それもそうだな。ゴメン言い過ぎた。そうだ、名前
何て言ったっけ?」
「ゴメン。緊張してて牧村って言います。運動系は、
不得意だけどカードゲームには絶対の自信がありますっ」
「ワハハっ。お前、アピールしてる所、間違ってるよ。
今回も普通に運動系の勝負だからな。でも真っすぐな
瞳と性格に興味がわいたのも事実だ。後はタカフミが
判断する」
 哀川は牧村を受け入れてタカフミにバトンタッチし
た。
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