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プロローグ

8.ケンカ自慢③

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 自分より軽い90㎏に満たない小柄な男に片腕だけで
120㎏オーバーの巨体を持ち上げられた経験を持たな
い大男の口調は大人しくなり、額から汗が吹き出した。
人形だと思っていた物がロボット型のプラモデルだと分
かるとダボついた短パンズボンの後ろポケットから蓋に
着いてるボタンを外そうとするも指が震えて上手く動か
す事が出来ない。額の汗は、頬を伝って落ちていく。仕
方なくボタンをつかみ。引きちぎって携帯電話を取り出す
とケンカを売っている相手の確認を取り始める。

「急いで確認しますっ!!」 
 新しく入ったケンカチームに所属してる先輩からケン
カを売ってはいけないデンジャラス(危険人物)リスト
の一番上に「ロボット型プラモデルを肌身離さず持ち歩
いてる最凶の空手家の存在があり素早く内容を確認する。

*普段は物腰の柔らかい言い回しだが怒ると乱暴な言葉
になり、持ち歩いている自作の作品を壊されることを極
端に嫌う。平常時は護身用の流れるような空手であるが
怒ると空手と呼べるか分からない位に型が無くなり防御
不能な変則的な攻撃が繰り出され、一方的な展開の打撃
を繰り返す危険に満ちた存在である。ドラゴン兄弟は、
二人で挑むも返り討ちにあい、凶器攻撃を最も得意とし
ていたキングタイガーは死角からの不意打ちで襲うも完
成間近の作品を損壊させて4ヶ月の入院生活を送った事
がある。


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