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第一章:始まりの世界 ”チーム対抗戦” 

♯93.チーム対抗戦の始まり⑮ 不審者登場11

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「やっぱり、俺の指摘した通り、派手な技じゃなきゃ、
十分に強いぜ」
「お前に褒められると照れるなぁー」

「ゴホッ。今のは流石に効いたぜっ。お前ら誰も指摘
しなかったから言わせて貰うけどフードの柄がイーグ
ルの頭部って事に気付けよっ」
「!!?」
 ヨダレをハンカチで拭きながら話をするパーカー男
に熱い視線を注ぐ、ヒカルと立花。
「二人とも何かあったかい?」
 パーカー男の言葉を無視して清武が急いで声を掛け
た。二人のみけんにシワが寄っていたからだ。花柄の
ししゅうという事だけは分かった。

「うん。私のお母さんが愛用していたハンカチに似て
いる気がするんだけど……」
「えっ。ヒカルちゃんも? 私の亡くなった母親も同
じようなランの花柄模様を持っていたから驚いてる」
「マイカちゃんって中邑じゃないの?」
 パーカー男は立ち上がりるとヒカルに視線を合わせ
て質問する。
「んなっ訳ないでしょ。立花よ」
ちょっとヒカルちゃん。勝手に人の名前を教えないでっ」

「何だよ。そういう事かよ。どうりで見付からない訳
だ。お前も母親の死の真相を知りたいんだろ?」
 妙な展開に訳がわからず清武と宮間は棒立ちになっ
ているとパーカー男はブロック塀を三角飛びで軽々と
頂上に飛び乗り、その反動を利用して背中を見せてい
る状態でプロレスの場外乱闘に使われる飛び技を披露
する。
「何っ、ラ・ケブラーダだと!?」
 プロレス研究者でもある清武が大技である飛び技の
名称を叫んで宮間に危険回避をうながした。
「何だって!? ここで、その技を出すか、普通!!」
 包帯の両端を結び終えた所だった宮間だがプロレス
通でもあったので脳裏で技のイメージを広げていく。
(美しい孤を描きながら270度後方回転していき、
体当たりする技だったよなー)
「只のケブラーダじゃ面白みに欠けるから、ここから
俺のオリジナルアレンジがサクレツするぜっ」
 宮間はようやく、相手の技の動きが観れる態勢にな
っていたがパーカー男は回転中に両腕を一直線に広げ
てダブルラリアットの姿勢に入った。
「ガシッ。バシュッーーー」 
 清武は首元を完全防御する両腕を上げてのガードで
ダメージを最小限にしたが対応する動作が遅れた宮間
は、まともと首元へ喰らって後方へと吹き飛んでしま
った。

 
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