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第一章:始まりの世界 ”準備運動編” 

♯71.かけっこバトル㉓ 決着の後で③

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「てっきり文句を言われると思ったけど違うのか?」
「いや、こっちの事情で負けたんだから、責めるのは
おかしいと思うよ。明らかに落とし穴や滑りやすい仕
掛けがしてあった訳でもないし。むしろ感謝してる」
「はっ何だよ。それ?」
「いや、こっちの話だ。勝負は一回じゃ決まらないっ
て事だし、たまには負けることも必要だよ。それに次
勝てば1勝1敗で引き分けだろ?」 
「陸城くんって案外、前向きな性格なんだね! もっ
と感情的な人だと思ってたよ」
「まぁ、そういう一面もあるにはあるけどな」
「先に話しておくけど表彰後、勝敗に関係なく景品の
レアカードを渡すことにしてあったんだけど何が良い
かな?」
「俺にはレアカードは必要ないよ」
 陸城は本心で答える。部活に一番力を注いでいたの
で女子と触れ合う時間が極端に少なかったから特に別
世界にいる城ヶ崎の事は前から気になっていたのだ。
「そっか。まぁ無理強いしても意味ないし、後で部活
見学しても良いかな? 頼みたいことがあるんだ」
「あぁ、それだったら構わないぜ。俺に出来る頼み事
なら喜んで引き受けるよ」
 陸城から手を差し出して握手をした二人は別れた。

 筋トレルームに向かう間、後で立花に礼を言わない
といけないと思う陸城だった。


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