169 / 281
第一章:始まりの世界 ”準備運動編”
♯69.かけっこバトル㉑ 決着の後で①
しおりを挟む
勝利を確信していた牧村はゴール間際での失速の原
因が分からず、だらしなく口をポカンと開いたままに
なっていた。対照的に田崎は負けを受け入れて牧村の
肩を数回大きく揺らして正気に戻すことに成功すると
その場を引き上げようとする。
「決して悪いようにはしないから帰るのは表彰式が終
わってからにしてもらいたい」
タカフミが声を掛けながら二人に詰め寄ると牧村は
口をモゴモゴとさせながらも言葉に出さずに陸城の元
へと駆けつけていく。田崎は頭を下げて後をついて行
った。
「おいっ。何で最後に失速したんだ! 明らかに不自
然な動きだったぞっ」
「……」
責めるように問う牧村に陸城の視線は定まっておら
ず、様子がおかしいことだけは理解できた。
立花の奇策によって陸城の目がハートマークになっ
ていることに気付かない牧村と田崎だった。
「ハヤテ、俺の話を聞いてるのか!?」
「うるさいなー。今回はたまたま負けただけで調子が
悪かっただけだよ。そんなに勝ちたいなら、他人の力
に頼らず、お前が筋トレして速くなれば良いんだよ!
それに鼻血出してる俺を更に刺激してどうするんだ
よ。テッシュが先だろ?」
何度も大声を出す牧村に夢見心地な気分を害されて
逆ギレする陸城だった。
因が分からず、だらしなく口をポカンと開いたままに
なっていた。対照的に田崎は負けを受け入れて牧村の
肩を数回大きく揺らして正気に戻すことに成功すると
その場を引き上げようとする。
「決して悪いようにはしないから帰るのは表彰式が終
わってからにしてもらいたい」
タカフミが声を掛けながら二人に詰め寄ると牧村は
口をモゴモゴとさせながらも言葉に出さずに陸城の元
へと駆けつけていく。田崎は頭を下げて後をついて行
った。
「おいっ。何で最後に失速したんだ! 明らかに不自
然な動きだったぞっ」
「……」
責めるように問う牧村に陸城の視線は定まっておら
ず、様子がおかしいことだけは理解できた。
立花の奇策によって陸城の目がハートマークになっ
ていることに気付かない牧村と田崎だった。
「ハヤテ、俺の話を聞いてるのか!?」
「うるさいなー。今回はたまたま負けただけで調子が
悪かっただけだよ。そんなに勝ちたいなら、他人の力
に頼らず、お前が筋トレして速くなれば良いんだよ!
それに鼻血出してる俺を更に刺激してどうするんだ
よ。テッシュが先だろ?」
何度も大声を出す牧村に夢見心地な気分を害されて
逆ギレする陸城だった。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
売られていた奴隷は裏切られた元婚約者でした。
狼狼3
恋愛
私は先日婚約者に裏切られた。昔の頃から婚約者だった彼とは、心が通じ合っていると思っていたのに、裏切られた私はもの凄いショックを受けた。
「婚約者様のことでショックをお受けしているのなら、裏切ったりしない奴隷を買ってみては如何ですか?」
執事の一言で、気分転換も兼ねて奴隷が売っている市場に行ってみることに。すると、そこに居たのはーー
「マルクス?」
昔の頃からよく一緒に居た、元婚約者でした。
理想の王妃様
青空一夏
児童書・童話
公爵令嬢イライザはフィリップ第一王子とうまれたときから婚約している。
王子は幼いときから、面倒なことはイザベルにやらせていた。
王になっても、それは変わらず‥‥側妃とわがまま遊び放題!
で、そんな二人がどーなったか?
ざまぁ?ありです。
お気楽にお読みください。
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる