エルフで聖女で転生者

もぶぞう

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第1章 聖女、働くってよ

第22話 そんなことよりお肉だ

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王子たちのことはシャルロッテさんに丸投げすることを決めたシャルテです。
あんなお馬鹿よりお肉です。
お肉獲り放題に参加しますよ。

その後は温泉宿で焼き肉食べ放題です。
1~10階層をぐるぐるマラソンしますよ。
特に5階層のフォレストボアと8階層のオークを重点的に収穫します。
それから10階層のオークキングもね。
猪肉と豚肉の競演です。

その内牛肉の収穫情報も入るでしょう。
ミノタウロスだと20階層台に入ってしまうかもしれません。
エルフたちでも到達まではしばらく時間が掛かることでしょう。
早くしないと待ちきれないわたしが行っちゃうぞー。


「シャルテ、王子たちはドイテ王国の門前まで連れて行きますね。
王太子は第二と違って評判は良いそうです。
全面的に非を認め聖女様に謝罪したいと言って来ました。」


「ありゃ?王はそれを容認しますかね?
下手すると国王の帰国と共にひっくり返されますよ?
いくらエルフとは言え、聖女としては何もしていないわたしに全面降伏したとなれば神殿がドイテ国内で大きな顔をして来るでしょう?

シャルロッテさんが交渉に当たっているのでドイテ国内の神殿はやっきになって自分たちをアピールしようとするでしょう。
この件に直接関与していなくても王太子にとっては神殿は神殿ですから色々受け入れなくてはいけません。
そうなればドイテの王城に多少無理なことを言い出すはず。

王太子は人当たりが良いだけじゃないですかね。
国を治めるにはまだまだですね。」


「あらあら、よく分かったわね。
良いのよ、神殿は神殿よ。
国王だって無下にはできないの。
ひっくり返したら神殿もシャルテも黙っていないでしょう?
甘ちゃんな王太子が認めちゃったのだもの、こちらは笠に懸かってドイテ王国を責められるわ。
搾り取るものが増えるだけよ。」


ああ、シャルロッテさんは枢機卿だったね。
政治的な戦いは経験済みなのね。
後で国王がゴネることも織り込み済みでしたか。


「それに国王には毒のことも知らせるわ。
きっと喜んで搾り取られてくれるわね。」


そこまでの馬鹿を放置してたことは恥だし、多分黒幕な母親の実家でも脅すか潰すかの材料にするのね。
国王がやるのか神殿がやるのか。
黒幕が居るのなら、だけどね。

よし、丸投げは続けてわたしはお肉に集中しよう。
牢は下に車輪を付けて運べるように、護衛の馬で引けるようにも加工してあの蔦がぐるぐる巻きの状態で持って行けるようにしてしまえ。


「そうそう、ドイテ王国からの賠償はわたしと精霊と神殿で3等分でお願いしますね。
精霊にはオフラン王国ぎわの森を精霊に返してもらいます。
オフランへの橋頭堡にするみたいですよ。」


「橋頭堡?
精霊はオフラン王国へ戦いを仕掛けるのですか?」


「さあ?
精霊には精霊の事情があるのでしょう。
いつもお世話に成っているわたしは頼まれたのでお手伝いするだけです。」


「そうなのですね。
ドイテに伝えてみます。
シャルテは何を望みますか?」


「特に無いです。
適当に決めて良いですよ。
わたしがドイテに期待することはありません。
ただ単に地理的隣国だっただけで、転移陣を手に入れた今、関わる必要が無いですから。

それからわたしにドイテの謝罪とか要らないですよ。
許さないので。
大体わたしは納得する返答をもらってませんし、譲歩する可能性は示しましたが許すなんて一言も言ってないですよ?」


「ドイテ王国は聖女様の関心を失ったのですね。
可哀そうに。
王太子はそんな国を治めないといけないのですか。
第二王子のことが切欠で無いのが更に可哀そうですね。」


わたしとしては他の国にも関心は無いのですけど?
聖女として働かない一番の理由よね。
言わないけど。

神様はシャルロッテさんに伝えてないようね。
個人情報を売ってないようで良かったわ。

そもそも神様はわたしの為に、よくある日本風の国を用意しておくべきだったわよね。
そうすれば他国に興味を持ったかもしれないのに。
島国とか、遠かったりしたら無理っぽいけどね。
引き籠り体質はそんなことじゃ治らないよね。

神様、どうせだからドイテ王国を日本風な国に書き換えない?
ちょちょいと何かをどうにかして丸っと入れ替えるとかさ。
ダメなん?
無理っすか。

わたしが聖女に成り切れないのと一緒とか言われると反論できないなー。

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