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「先生、だいぶ酔ってますよね?」
「そ、そんなことはありませんよ」
和泉から目をそらしながら盛雄が答えた。
「そうですかぁ」
「和泉さんのいう通りだ。そのくらいにしとけよ」
鷹文も口を挟む。
「ほら、鷹文くんだって言ってるじゃないですか!」
「・・・す、すまん」
息子にまで言われてしまった盛雄は、肩をすぼめた。
「じゃあ、酔い冷ましにお仕事でもしましょうか!」
「い、和泉くん、それは・・・」
わざとらしい笑みの和泉が、盛雄を無理やり立ち上がらせた。
「はいはい、行きますよ!鷹文くん、あとお願いしていい?」
「はい。大丈夫です」
「ごめん、お願いね」
和泉は盛雄を押し出すようにして書斎へ連れて行った。

「先生!彩香ちゃんまだ明日の準備あるんですよ!」
「しまった!そうでしたね・・・」
和泉に叱られた盛雄は肩を落とした。
「もう、忘れないでくださいよ・・・って、先生?」
盛雄が和泉の小言もそこそこに、机に向かった。
「すいません。電話を一件」
と盛雄は引き出しからスマホを取り出し、どこかへ電話を始めた。
そんな盛雄を和泉は不思議そうに見た。
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