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「ふう、和泉さんがきて、一段と賑やかになったね」
ベッドに倒れ込みながら、ゆずに話しかける彩香。
「さいちゃん、大変だったね」
「ゆず、助けてくれないんだもん」
「だ、だって・・・なんだか怖いよ。あの二人」
「そうね。明衣もお酒も飲んでないのに酔っ払ってるみたいだったし」
「でも、和泉さんも明衣ちゃんも楽しそうだった」
「そうだね。みんなも笑ってたし」
いつのまにか彩香も笑顔になっていた。
「さあ!明日も天気いいみたいだし、たくさんお洗濯するぞ!」
と、明日の予定を考えながら、和泉から借りたデジカメを彩香がブロワーで吹いた。
「それなぁに?風船みたいだね」
「これ?ブロワーっていうの。カメラってホコリつきやすいから、これで吹き飛ばのよ」
「わたしもやっていい?」
「いいわよ。どうぞ」
とゆずにブロワーを渡した。
「握る時はね、後ろの穴指で塞いで」
と言いながらゆずの可愛らしい親指を小さな穴に当てた。
「それで握ってみて」
「え、えい!」
とゆずにしては勢いよくブロワーを握ると「ポンッ!」という音とともに、ブロワーの先が吹き飛んだ。
「わ!と、飛んだよ・・・」
いきなりのことにびっくりするゆず。
「あー、力入れすぎちゃうとよくあるのよねえ」
先を元に戻した彩香が、ブロワーでゆずの腕を吹いた。
すると吹かれた部分だけ少し凹んだ。
「これくらいでもほら、結構力あるでしょ」
「ほんとだ!お肉がフニって凹んでる」
彩香からまたブロワーを受け取ったゆずが、自分の腕が凹むのが楽しいのか、フニフニとブロワーをつかんでいる。
「ゆ、ゆず。カメラ、きれいにしたいんだけど・・・」
「あ、ごめん!」
と恥ずかしそうにブロワーを彩香に返すゆずだった。
「ね、ねえさいちゃん、ブロワーって高いの?」
「500円くらいだったかなぁ」
「そ、そうなんだ!」
ゆずは明日のお買い物の時に買ってこようと心に決めたのだった。
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