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甘い蜜
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蒸気で曇るバスルームの大きな鏡に映る影は二つ。
舌を這わせて追うように唇で吸い付くと、陶磁器のように白く透き通った肌は、ひとつ違えば女を感じさせるほどきめが細かく滑らかだが、引き締まって程よく筋肉がついたなんとも唆る身体だ。
別に何か拘りがあった訳でもないが、なんとなくホテルの安いベッドで事を済ませる気にはなれず、自宅に上げたのは間違いだっただろうか。
「あぅ、ん、ふっ」
少し乱れた息遣いがバスルームに響く度、シャワーがそれを掻き消していく。
バスタブに湯を張りながら熱いシャワーを浴びて抱きしめ合えば、自然と熱のこもったキスも深くなっていく。
ねちゃ、くちゅ。空気を含んで泡立つ鈍い水音を響かせながら、貪るように舌を絡めてどちらの物とも分からない唾液を嚥下する。
「可愛い蕾。ここは可愛がってないの?」
先ほどまで口に咥えていた唾液で滑る指先が、龍弥の双丘を割って固い後孔の上を柔く擦る。
「あー。若い頃に試したけど、あんまり気持ちのいい体験ではなかったかな」
修の耳朶に舌を這わせて、唇で食むように吸い付くと、そのまま唇をずらして首筋にキスをしながら拘りはないけど抱く方が多いと龍弥が返す。
「んっ、なるほどね。ふっ、くすぐったい。ここで受け止めるのにそんなに抵抗がある訳じゃないんだ」
「抵抗ね……機会がなかっただけで、全く無理ではないと思う。アンタがしたいなら別に構わないけど、俺そっちは感度良くないぞ、多分」
龍弥は修の腰を抱くと、同じように双丘を割って会陰から後孔を緩やかに指で撫でる。
「ふふ、悪戯な指だね。そうやって自己顕示しながら説き伏せて、絶対にヤダって言いそうなのに、龍弥は割と柔軟なんだね」
「どうせなら気持ちいい方がいいだろ、単にそれだけだよ。まあ俺だって好みはある、嫌なら断るけどアンタこそどうなんだ。相当解さないとダメじゃないのか」
「僕も経験値は低くてね。そちらの感度がいいとは言えないけど、龍弥はここを味わいたいんでしょう?」
「いただけるものはいただく主義だ」
苦笑いしながら修のアクアブルーの目を見つめると、逆に射抜かれるような鋭い目線に虚をつかれる。
「じゃあ、ベッドに行く前に丁寧にケアしておかないとね」
「アンタもな」
キスをしながらバスタブに脚を掛けるように立つと、ボディソープで滑る指を使ってシャワーで流して受け入れる準備を整える。
「……おい、これかなり滑稽だな」
「確かにシュールだね。あはは」
チュッと水音を跳ねさせて唇を合わせるだけのキスを繰り返しながら、ホースを絞ってシャワーの水圧で中を洗うと、何十年ぶりに味わう逆流する感覚に、興奮とは掛け離れた震えでゾワリと肌が粟立った。
それは修も同じなのだろう。キスの合間に奇妙な顔をしてお腹を押さえている。
「身体冷えてないか?」
「多少冷えても温めてくれるんでしょ」
「言ってろ」
一旦洗面所に出ると、龍弥はバスフォームをバスタブに注ぎ入れてそのままボトルを縁に置き、手で大雑把に掻き混ぜて湯を泡立たせる。
「そういう気遣いがモテるのかな」
龍弥と入れ替わるように修がバスタブに脚を入れると、立ち登る湯気からラベンダーの香りがする。
「気遣いもなにも、付き合いで貰ったサンプルを独りで使う機会がないんだよ。35のオッサンが独りで泡風呂に入ってるとか狂気だろ」
「はは。37のオッサンがそこに加わっても別の狂気を感じるけどね」
修を後ろから抱くように広いバスタブに浸かると、バスフォーム特有のとろみがついた湯を肩に掛け、首筋に吸い付くように唇を落とす。
龍弥はそのまま下肢の狭間に滑り込ませた指で、修の後孔の周りをゆっくりと撫でて解し始める。
もたれ掛かって身を預ける修もまた、龍弥の腕に重ねるように手を伸ばして秘部を探ると、龍弥の陰嚢から会陰に指を滑らせて、後孔を解したいと艶かしく指を動かした。
舌を這わせて追うように唇で吸い付くと、陶磁器のように白く透き通った肌は、ひとつ違えば女を感じさせるほどきめが細かく滑らかだが、引き締まって程よく筋肉がついたなんとも唆る身体だ。
別に何か拘りがあった訳でもないが、なんとなくホテルの安いベッドで事を済ませる気にはなれず、自宅に上げたのは間違いだっただろうか。
「あぅ、ん、ふっ」
少し乱れた息遣いがバスルームに響く度、シャワーがそれを掻き消していく。
バスタブに湯を張りながら熱いシャワーを浴びて抱きしめ合えば、自然と熱のこもったキスも深くなっていく。
ねちゃ、くちゅ。空気を含んで泡立つ鈍い水音を響かせながら、貪るように舌を絡めてどちらの物とも分からない唾液を嚥下する。
「可愛い蕾。ここは可愛がってないの?」
先ほどまで口に咥えていた唾液で滑る指先が、龍弥の双丘を割って固い後孔の上を柔く擦る。
「あー。若い頃に試したけど、あんまり気持ちのいい体験ではなかったかな」
修の耳朶に舌を這わせて、唇で食むように吸い付くと、そのまま唇をずらして首筋にキスをしながら拘りはないけど抱く方が多いと龍弥が返す。
「んっ、なるほどね。ふっ、くすぐったい。ここで受け止めるのにそんなに抵抗がある訳じゃないんだ」
「抵抗ね……機会がなかっただけで、全く無理ではないと思う。アンタがしたいなら別に構わないけど、俺そっちは感度良くないぞ、多分」
龍弥は修の腰を抱くと、同じように双丘を割って会陰から後孔を緩やかに指で撫でる。
「ふふ、悪戯な指だね。そうやって自己顕示しながら説き伏せて、絶対にヤダって言いそうなのに、龍弥は割と柔軟なんだね」
「どうせなら気持ちいい方がいいだろ、単にそれだけだよ。まあ俺だって好みはある、嫌なら断るけどアンタこそどうなんだ。相当解さないとダメじゃないのか」
「僕も経験値は低くてね。そちらの感度がいいとは言えないけど、龍弥はここを味わいたいんでしょう?」
「いただけるものはいただく主義だ」
苦笑いしながら修のアクアブルーの目を見つめると、逆に射抜かれるような鋭い目線に虚をつかれる。
「じゃあ、ベッドに行く前に丁寧にケアしておかないとね」
「アンタもな」
キスをしながらバスタブに脚を掛けるように立つと、ボディソープで滑る指を使ってシャワーで流して受け入れる準備を整える。
「……おい、これかなり滑稽だな」
「確かにシュールだね。あはは」
チュッと水音を跳ねさせて唇を合わせるだけのキスを繰り返しながら、ホースを絞ってシャワーの水圧で中を洗うと、何十年ぶりに味わう逆流する感覚に、興奮とは掛け離れた震えでゾワリと肌が粟立った。
それは修も同じなのだろう。キスの合間に奇妙な顔をしてお腹を押さえている。
「身体冷えてないか?」
「多少冷えても温めてくれるんでしょ」
「言ってろ」
一旦洗面所に出ると、龍弥はバスフォームをバスタブに注ぎ入れてそのままボトルを縁に置き、手で大雑把に掻き混ぜて湯を泡立たせる。
「そういう気遣いがモテるのかな」
龍弥と入れ替わるように修がバスタブに脚を入れると、立ち登る湯気からラベンダーの香りがする。
「気遣いもなにも、付き合いで貰ったサンプルを独りで使う機会がないんだよ。35のオッサンが独りで泡風呂に入ってるとか狂気だろ」
「はは。37のオッサンがそこに加わっても別の狂気を感じるけどね」
修を後ろから抱くように広いバスタブに浸かると、バスフォーム特有のとろみがついた湯を肩に掛け、首筋に吸い付くように唇を落とす。
龍弥はそのまま下肢の狭間に滑り込ませた指で、修の後孔の周りをゆっくりと撫でて解し始める。
もたれ掛かって身を預ける修もまた、龍弥の腕に重ねるように手を伸ばして秘部を探ると、龍弥の陰嚢から会陰に指を滑らせて、後孔を解したいと艶かしく指を動かした。
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