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姫と言うソンザイ2

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~数時間後~

目が覚めてしまった私は隣に誰も居ないことに恐怖した。

また私から離れて行ったのかと不安になり、

急いでリビングに向かった。

「そ・・・う。そう・・・双・・・どこ・・・」

「あれ?篠葉ちゃん?起きたの?」

リビングに彼がいたことに安心した。

「また・・・だれかいなくなるのかと思った・・・」

そんなことを言う私を不思議そうに見ながら彼は私を抱きしめてくれた。

「大丈夫。大丈夫だよ。」

「双は・・・双は居なくならないよね?私の前から消えたりしないよね?もうあんな思いはしたくないよぉ。」

私は家族のことを思い出して悲しくなった。

彼はそんな私に優しく声をかけてくれた。

「僕は篠葉ちゃんの過去に何があったか知らないけど、ずっとそばに居るよ。」

その言葉が今だけのものであってもそう言ってもらえたのが嬉しかった。

「約束だよ。絶対いなくならないって約束して。」

「うん。約束するよ。そういえば篠葉ちゃんって最近話題のあの子に似てるよね。」

彼は私に気を使ってか、話題を変えた。

「話題?」

「そう。神出鬼没で灰色の髪に紫色の瞳の『灰の蝶』。ちょっとお腹見せて。」

彼は急にそんなことを言い出した。

「べつにいいけど。」

「ありがと。」

そういって彼は微笑む。その姿に私は何とも言えない感情を抱いた。

「あぁー・・・うん。篠葉ちゃんのことだったわ。その年で入れ墨?」

「いや。ただのシール。」

「へぇー。綺麗だね。」

そう言う彼に私のことではないと分かっていても胸が高鳴った。

(双が私の前からいなくなりませんように。)

その時は本気でそう願っていた。

私なんかが・・・幸せになんてなれるはずなかったのに。

「そうだ!明日学校は?」

「ある。」

「終わったら迎えにいくから。場所は?」

(明日も双と一緒に居れる!)

私はまた会えることに喜んでいた。

「えっと・・・北小って言えば場所分かる?」

「うん。分かるよ。じゃあ三時ぐらいに迎えに行くね。」

彼との時間がもっとあればいいと願っていた。

「うん!あ・・・もう帰らなきゃ。」

「送ってくよ。」

私はいつの間にか彼に心を開いていた。

自分でも不思議だった。



~公園~

すぐに家の近くに着いてしまった。

私は彼ともっと居たいと思ってしまった。

もっと彼とバイクで走りたいと思ってしまった。

「じゃあね・・・」

「うん。またあとでね。学校頑張って。」

その言葉で私はいつもの何倍も頑張れる気がした。

「うん。頑張る。」

分かれる前彼は連絡先を書いた紙を渡してくれた。

私のことを信じてくれたのだと嬉しくなった。



~家~

ガチャ

ダダダダダダ

「篠っ!どこ行ってたんだ!?」

そう言って抱き着いてくるのは響介。

「うるさい。私に関わらないで。」

学校でイジメられている私は響介でさえも信じられなくなった。

どうせみんな私を裏切るのだと思っていたから。

なのに初めて会った彼を信じられたのはなぜか自分でも解っていなかった。

私は響介を無視して自分の部屋へ向かった。



ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

どうでしたか?

篠葉の人を信じたくない気持ち僕も分かります。

信じていたのに裏切られると悲しいですよね。

もうちょっとだけ「姫と言うソンザイ」が続きそうです。

次の話も見てくれるといいな。
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