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聴け!わだつみの慟哭を!・・祖国を想って散った特攻

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聴け!わだつみの慟哭を!・・祖国を想って散った特攻

大西海軍中将の潔い最後

その朝、大西海軍中将は旅立つ、初出撃特攻隊員にこう訓示した

日本はまさに危機である。しかもこの危機を救いうるものは、重臣でも大臣でも軍令部総長でもない。無論、自分のような長官でもない。

それは諸氏の如き純真にして気力に満ちた若い人々のみである。従って自分は一億国民に代わって皆にお願いする。皆の成功を祈る

そして 初の神風特別特攻隊「敷島隊」が出陣した

その後
戦局はますます悪化 広島に次いで長崎にも原爆が投下され誰の目にも敗色が濃厚・・。

ポツダム宣言が発布され それを受諾するかどうか政府は混乱の極に陥ったのです

受諾し終戦するのかそれとも拒否して本土決戦なのか選択を迫られる中

それまでは 大西中将と陸軍大臣の阿南惟幾だけが強硬に徹底抗戦を叫んでいた

大西は本土決戦で「2000万の特攻をすればアメリカも和平交渉に応じてくる」



米内海軍大臣を前にしてこう言ったのです

国家の戦争というのは、国家の元首の戦いなんですよ、日本はそこまで死力を尽くして戦ってきたのですか?

負けるということは 天皇陛下御自ら戦場にお立ちになって、閣僚も我々幕僚も敵に体当たりして破れてこそ、「負けた」と言えるんじゃないですか?

和平会議なんかは生き残った国民が考えればいいだけのことです…

私はそうなることを信じて特攻隊を飛ばしたんです!それを信じてくれたから、特攻隊員の若い諸君は喜んで死んでくれたんです!何人が特攻で死んだと思いますか?

2600人もですよ、私が一人ひとり握手して送り出したんです、そんな彼らに誰が日本が負けたと言えますか!!


御聖断が下ってもなお、大西は陛下に徹底抗戦を主張しようとした

そんな大西を米内はこう説得した。

君の意見は、一理も二理もある だが いつか、誰かがこの戦争はやめようといわなければならないのだ 米軍のほかに、ソ連も参戦したら、
日本はドイツと同じように分割占領されるであろう、

そうなったら君の言う民族の魂も二つに分かれて争うことになる 確かに降伏するということは明治以来のわが国体の本義に背くことになる

陛下の御聖断は誤った道かもしれん しかし今陛下お一人の過ちを問うことよりも、6000万の国民を救うことが先決ではないのか?

本日の御聖断を「天の声」として、受け入れてくれんだろうか?

それでもなお、君が徹底抗戦を叫ぶなら 私は君を斬るしかない!」

大西は涙をのんで徹底抗戦を断念したのです

一方の強硬派だった陸軍総帥の 阿南陸軍大臣も

天皇が御前会議で述べられたお言葉に涙した

【私はどうなってもかまわない なんとしても本土決戦を避け国民を助けてほしい】

に心を打たれ

大西と同じく徹底抗戦を断念したのです

そして阿南陸軍大臣は終戦詔勅放送された
8月15日に、

大西海軍中将は翌16日に割腹自殺しました

どちらも介錯を拒み できるだけ長時間かけて苦しんで死ぬことを望んだそうです

日本を悲惨な敗戦国にした張本人の一人かもしれないけど 政府閣僚や幹部の多くが卑怯にも生き伸びた人種よりは潔い最後のお二人だったと思います

※史実を除いてすべては私の妄想です
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