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閑話(クロード①)

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俺の名前はクロード・ラバールという。
双子の兄と、ラバール家の天使である妹の3人兄妹である。

俺はアルクライド帝国ラバール公爵家次男として生まれた。

俺は妹、レティシアが生まれるまで双子の兄アルフレッドが苦手だった。
アルフレッドは、所謂天才で、何でもそつなくこなす。さらに、この世界で1番難しい魔術の才能まであった。
だから兄はいつも期待されていた。そして、その期待は弟の俺にもあった。
でも、俺は兄のように器用でも天才でもない。
魔術の才能はあったようだったけど、やっぱり兄よりはなかった。そんな中、唯一兄を超えることが出来たのは剣術だった。

だから、俺は剣術を極めようと思った。
剣術だけでも兄を超えたかったから。
でも、剣を学ぶに連れて、兄を超えたいという思いよりも楽しいという思いが強くなっていった。騎士の人達との訓練が楽しく、いつの間にかどんどん強くなっていった。


そんな中だった。
我が家に天使が生まれたのは。

妹が生まれたという報告を受けたのは剣術の練習をしていた時だった。
休憩をしていると、1人の侍女が走ってきて、
「クロード様!奥様がー…」

正直、それを聞いた時、あまりいい気はしなかった。もし、その子が兄と同じく天才だったら?もしその子が俺よりも剣術の才能があったら?と思ってしまっていたからだ。

母の部屋に行こうと廊下を歩いて居ると、同じく報告を受けたのであろう兄の姿があった。
兄とはあまり会話はない。
俺が常に避けていたから。
でも、今はそんな暇はない。
しぶしぶ兄と一緒に母の部屋に入った。
そして、赤ん坊の姿を見た瞬間、天使かと思った。さらにこの赤ん坊が女の子であると母に言われ、俺は自分を恥じた。

こんな可愛い天使のような子に、俺はなんて浅はかなことを思ったんだ!!!


それから俺は、暇があったらレティシアに会いに行った。

嫌いだった勉強も、剣術も、魔術も血が滲むような努力をした。

全てはレティシアを守り、相応しくなるために。









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