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第二章 竜胆楓 城戸早苗
コスプレ
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5月9日 ゴールデンウィーク明け
「楓ちゃん、これ見て!!」
帰りのホームルームが終わり、たくさんのクラスメイトがいる教室の中、楓に駆け寄ったのは愛莉だ。楓は一枚のチラシを受け取った。
「コスプレ…イベント?」
「そう!!一緒に行かない!?」
愛莉は日時やイベントの参加者を指差し、輝く目で楓を見つめた。楓は傾いたメガネを直しながら言った。
「ぜっったい行く。推しのコスプレしてる人の写真撮りまくる!!」
ラスボスを倒した勇者かのように拳を天に突き上げ、愛莉と笑い合った。
「…あらら、楽しそうな話をしてますねぇ。」
会話に入ったのは、早苗だ。楓が持っているチラシを見て、早苗は微笑んだ。
「私も一緒に行っていいですか?」
愛莉が驚いた。
「え!?きっ…城戸さんと!?そ、そんな…いいんですか!?」
「えぇ。少し興味がありますので…」
楓と愛莉が目を合わせ、歓喜した。早苗は続けた。
「えーと、お二方は何のコスプレをするのですか?」
歓喜が一瞬で止んだ。コスプレをする。そんなことは考えていなかった。あくまでも鑑賞…客として行こうと思っていたのだ。
「コスプレする予定ではなかったんだけど…私は見る勢でいこうかなって…」
「ウチも…」
気まずそうに答えた。早苗は下唇を噛んで、頬を膨らませて言った。
「え~?私コスプレしたいのですが…楓ちゃん、やらないのです?」
「えぇ…」
楓は少し躊躇し、断ろうと思った。愛莉が口を開く。
「楓、顔整ってるしいけるでしょ!!ほら、レイトくんのコスプレしたら?目元とか似てるんじゃない!?」
顔が整っている、と言われ、楓は少し恥ずかしくなった。
「楓さん、一緒にやりませんか?相園さんも。」
「あっ、ウチはいいや…でもウチ、裁縫できるよ!衣装とか作ってみたい!」
「あー!愛莉ちゃん、将来デザイナーになりたいって言ってたもんね。」
知らぬ間に話が盛り上がり、楓は急に言った。
「よし、城戸さん!一緒にコスプレやりましょう!」
「やった!決まりですよ!」
早苗は美しい笑顔を見せた。クラスメイトは何事か、とチラチラ3人の方を見ていたが、全く3人は気づいていなかった。
「えーと、開催は7月29日…土曜日か。」
「この季節なら夏休み中でしょうね。」
「ギリギリ、コス衣装は作れそうだよ。キャラ決めとか、衣装の装飾とかは話していこうか。」
楽しそうに話していると、時間はすぐに過ぎていった。時間を忘れて…
放課後のチャイムが鳴り、知らぬ間に周りのクラスメイトは全員帰宅していた。3人しかいない教室のドアが、ガラッと開いた。3人は肩をぴくりとさせ、ドアの方を見た。
「…まだ帰ってなかったのか、お前ら。」
男性新人教師の、澤村豊先生だ。
「楓ちゃん、これ見て!!」
帰りのホームルームが終わり、たくさんのクラスメイトがいる教室の中、楓に駆け寄ったのは愛莉だ。楓は一枚のチラシを受け取った。
「コスプレ…イベント?」
「そう!!一緒に行かない!?」
愛莉は日時やイベントの参加者を指差し、輝く目で楓を見つめた。楓は傾いたメガネを直しながら言った。
「ぜっったい行く。推しのコスプレしてる人の写真撮りまくる!!」
ラスボスを倒した勇者かのように拳を天に突き上げ、愛莉と笑い合った。
「…あらら、楽しそうな話をしてますねぇ。」
会話に入ったのは、早苗だ。楓が持っているチラシを見て、早苗は微笑んだ。
「私も一緒に行っていいですか?」
愛莉が驚いた。
「え!?きっ…城戸さんと!?そ、そんな…いいんですか!?」
「えぇ。少し興味がありますので…」
楓と愛莉が目を合わせ、歓喜した。早苗は続けた。
「えーと、お二方は何のコスプレをするのですか?」
歓喜が一瞬で止んだ。コスプレをする。そんなことは考えていなかった。あくまでも鑑賞…客として行こうと思っていたのだ。
「コスプレする予定ではなかったんだけど…私は見る勢でいこうかなって…」
「ウチも…」
気まずそうに答えた。早苗は下唇を噛んで、頬を膨らませて言った。
「え~?私コスプレしたいのですが…楓ちゃん、やらないのです?」
「えぇ…」
楓は少し躊躇し、断ろうと思った。愛莉が口を開く。
「楓、顔整ってるしいけるでしょ!!ほら、レイトくんのコスプレしたら?目元とか似てるんじゃない!?」
顔が整っている、と言われ、楓は少し恥ずかしくなった。
「楓さん、一緒にやりませんか?相園さんも。」
「あっ、ウチはいいや…でもウチ、裁縫できるよ!衣装とか作ってみたい!」
「あー!愛莉ちゃん、将来デザイナーになりたいって言ってたもんね。」
知らぬ間に話が盛り上がり、楓は急に言った。
「よし、城戸さん!一緒にコスプレやりましょう!」
「やった!決まりですよ!」
早苗は美しい笑顔を見せた。クラスメイトは何事か、とチラチラ3人の方を見ていたが、全く3人は気づいていなかった。
「えーと、開催は7月29日…土曜日か。」
「この季節なら夏休み中でしょうね。」
「ギリギリ、コス衣装は作れそうだよ。キャラ決めとか、衣装の装飾とかは話していこうか。」
楽しそうに話していると、時間はすぐに過ぎていった。時間を忘れて…
放課後のチャイムが鳴り、知らぬ間に周りのクラスメイトは全員帰宅していた。3人しかいない教室のドアが、ガラッと開いた。3人は肩をぴくりとさせ、ドアの方を見た。
「…まだ帰ってなかったのか、お前ら。」
男性新人教師の、澤村豊先生だ。
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