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100 恋の表情
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バレンタインにスーツのコーデ、がメインなんだけど、まだ入荷がしてなくて。少し間が開いちゃうんだよね。でも急かしたところで納期が早まるわけじゃないし、できたらこれからも長くお付き合いをしていきたいって思えるメーカーだったから、待ってようって。
旭輝に絶対に似合うスーツだからさ。
でも、バレンタインは待ってくれないでしょ?
それにやっぱりバレンタインって言ったら、これかなって。だから、とりあえず、こっちを渡して、スーツはまた入荷次第、旭輝をデートに誘ったりしながら、その時にって思ったんだ。
「…………ここで何をしてるんですか?」
ちょうど観てたグルメ番組でこのチョコレート専門店のことを紹介してた。
すごく良質なカカオかなんかで。チョコレートって大昔、それこそエジプト時代? とかにはお薬みたいに食べられてて、健康にもいいらしくて、それってとってもいいじゃんって思って。
ちょうど今日休みだし。
ちょうど明日バレンタインだし。
そう思って来たんだけど。
お店の中はテレビ放送後でバレンタイン直前ってことで大賑わいだった。大混雑。けど、まぁ、仕事柄、お正月の初売りセールとか、福袋とか、バーゲンセールのワゴン内商品整理とかとか、そんなこともたくさんしてきたわけで、このくらいの混雑は全然大丈夫って感じだった。
んだけど。
「俺は、チョコ買いに」
その大混雑の中、揉みくちゃになりかけてるのを見かけた。
で、声をかけたんだけど、やっぱりものすごい睨まれたし。
「わ、私はっ別にっ」
「おっとっと、そこ危ないよ?」
腕を引っ張り上げてあげた。
「すごい人」
「ほ。本当に……」
「まぁ、タイミング的にそうなるかもだよね」
素直に返事をしたら、返事をされたことに驚いたのか、それとも恋敵と普通に会話をしてしまったって思ったのか、蒲田さんが飛び上がるように、一歩後に下がって。その拍子に、女の子の行列に巻き込まれてまた危うく、ぎゅうぎゅうの人の波に巻き込まれて大行列に混ざりかけてた。
「す、すみません」
ちょっと天然な蒲田さんは頬を赤くしながらペコリと頭を下げ、乱れたコートを手で直した。
素敵なコート。身長なくてもスッとして見えるデザイン。前のもそうだったけど、高いブランドのなんだと思う。あ、でもどうだろ。日本製かな。海外ブランドだと蒲田さんの身長でこの丈のコートのをデザインってあんまりしないかも。向こうって基本的に背高い人ばっかりだし。でも、この時間にこんなところにいるって、今日はお休みとか?
「……あの、そちらは久我山さんに」
「ぇ? あ、うん」
蒲田さんは、旭輝のこと、まだ。
だよね、すっごい嫌そうな顔、さっきしてたし。
「あー……」
そんなの、ここで俺には会いたくない、よね。
「……じゃあ、ちょっと、あれですね……」
それはがっかりが混ざった小さな溜め息。
そして蒲田さんはピンク色の唇をキュッと結んで、チョコレートへむけていた眼差しを床へと落とした。
「失礼しました。それじゃあ」
「え、えぇ? ちょ、ちょっと待ってっ」
その場を去ろうとしてる蒲田さんの手を大慌てで掴んじゃった。だって、だってさ。
「誰かにあげるんでしょ?」
「は、はい? なんでっ」
「ちょっと本命感すごい感じだとあげにくいけど、あげたい人がいるんでしょ? 国見さんとか大先生とかじゃなくて」
「わ、私は何もっ」
「一緒に選ぼうよ」
「!」
「ジャンル違うけど、でも、こういうの一緒に選ぶの俺、すごい得意だからっ」
「!」
店内はバレンタインに向けて、内装が赤い色になってた。
その赤色と同じに赤くなった頬で。
「…………お、お願い、します」
女の子たちの賑やかな声に掻き消されちゃいそうな小さな声で蒲田さんがコクンって頷いた。
「ね、誰なんだろう。蒲田さんが本命チョコあげたのって」
晩御飯の後、まだ寝るには少し時間があるから、旭輝がコーヒーを淹れてくれた。俺はそれをリビングのソファで座りながら待っていて、背もたれに顎を乗せるようにして、キッチンに立って、コーヒーを淹れてる姿すら絵になる旭輝をじっと眺めてた。
「さぁな。それに大先生かもしれないだろ」
ほら、ポットのお湯をコーヒーフィルターの中に注いでるだけなのに、雑誌の写真みたい。
「えー? 違うって、絶対に。あの表情は」
あの表情は先生にあげるチョコを選んでる顔じゃなかったもん。
それに、選んだチョコを見つめながら小さく呟いた一言。
――甘いの好きだといいんですが……。
そう呟いた時の蒲田さん、すごく可愛い顔してたもん。
あれは、あんな表情は。
「あれは恋です」
「……」
「ぜーったいにそう!」
コーヒーフィルターから視線を外して、こっちをチラリと見た。キッパリと言い切った俺に笑って。じゃあ、そうなのかもなって低い声で囁くように呟いた。
ね、その仕草、どこで習ったんです?
その、好きになるしかないじゃんってくらいにかっこいい仕草。
「ほら、ミルクたっぷりのコーヒー」
「あ、ありがと」
そういう教室あるわけ? 微笑み方とか。コーヒーのかっこいい淹れ方とか、ソファの座り方とか、どっかで習うわけ?
「それよりバレンタインのチョコレート、買ってきたって」
「あ、うん。あの、本当はまた別のもの渡したいんだけど、ちょっと間に合わなくて、今度デートの時にって。それでバレンタインは」
「俺もちょっと渡したいものがあるんだが、俺もまだ間に合わなくて」
「?」
なんだろ。
旭輝は「そのうち渡す」と言って笑った。
ねぇ……そういう教室があるなら、対抗できる教室もあればいいのに。
「とりあえず、怖い映画でも見るか」
「は? なんで? 今そんな会話の流れじゃなかったじゃん」
「そしたらくっつけるだろ?」
「そんなの」
対抗できる教室で習うの。もう付き合ってるのに、もうこの人、俺の彼氏なのに、それでもいちいちドキドキしちゃうのを緩和する方法とかさ、習いたいよ。だって、そうでもしないと、なんか、心臓もたなそうじゃない?
「観なくてもくっつけばいいじゃん……」
ほら。
聞こえちゃいそう。付き合って少し経ったのにまだ心音聞こえちゃいそうなほど、騒がしくなってるのが恥ずかしくて。
「ダサいだろ? 明日もらえるかもしれないご馳走を待てない駄犬みたいで」
「……じゃあ、ま、待て」
恥ずかしくて俯きたいけど。
「……ワン」
キス魔の旭輝に阻止されて、俯くことはできなかった。
旭輝に絶対に似合うスーツだからさ。
でも、バレンタインは待ってくれないでしょ?
それにやっぱりバレンタインって言ったら、これかなって。だから、とりあえず、こっちを渡して、スーツはまた入荷次第、旭輝をデートに誘ったりしながら、その時にって思ったんだ。
「…………ここで何をしてるんですか?」
ちょうど観てたグルメ番組でこのチョコレート専門店のことを紹介してた。
すごく良質なカカオかなんかで。チョコレートって大昔、それこそエジプト時代? とかにはお薬みたいに食べられてて、健康にもいいらしくて、それってとってもいいじゃんって思って。
ちょうど今日休みだし。
ちょうど明日バレンタインだし。
そう思って来たんだけど。
お店の中はテレビ放送後でバレンタイン直前ってことで大賑わいだった。大混雑。けど、まぁ、仕事柄、お正月の初売りセールとか、福袋とか、バーゲンセールのワゴン内商品整理とかとか、そんなこともたくさんしてきたわけで、このくらいの混雑は全然大丈夫って感じだった。
んだけど。
「俺は、チョコ買いに」
その大混雑の中、揉みくちゃになりかけてるのを見かけた。
で、声をかけたんだけど、やっぱりものすごい睨まれたし。
「わ、私はっ別にっ」
「おっとっと、そこ危ないよ?」
腕を引っ張り上げてあげた。
「すごい人」
「ほ。本当に……」
「まぁ、タイミング的にそうなるかもだよね」
素直に返事をしたら、返事をされたことに驚いたのか、それとも恋敵と普通に会話をしてしまったって思ったのか、蒲田さんが飛び上がるように、一歩後に下がって。その拍子に、女の子の行列に巻き込まれてまた危うく、ぎゅうぎゅうの人の波に巻き込まれて大行列に混ざりかけてた。
「す、すみません」
ちょっと天然な蒲田さんは頬を赤くしながらペコリと頭を下げ、乱れたコートを手で直した。
素敵なコート。身長なくてもスッとして見えるデザイン。前のもそうだったけど、高いブランドのなんだと思う。あ、でもどうだろ。日本製かな。海外ブランドだと蒲田さんの身長でこの丈のコートのをデザインってあんまりしないかも。向こうって基本的に背高い人ばっかりだし。でも、この時間にこんなところにいるって、今日はお休みとか?
「……あの、そちらは久我山さんに」
「ぇ? あ、うん」
蒲田さんは、旭輝のこと、まだ。
だよね、すっごい嫌そうな顔、さっきしてたし。
「あー……」
そんなの、ここで俺には会いたくない、よね。
「……じゃあ、ちょっと、あれですね……」
それはがっかりが混ざった小さな溜め息。
そして蒲田さんはピンク色の唇をキュッと結んで、チョコレートへむけていた眼差しを床へと落とした。
「失礼しました。それじゃあ」
「え、えぇ? ちょ、ちょっと待ってっ」
その場を去ろうとしてる蒲田さんの手を大慌てで掴んじゃった。だって、だってさ。
「誰かにあげるんでしょ?」
「は、はい? なんでっ」
「ちょっと本命感すごい感じだとあげにくいけど、あげたい人がいるんでしょ? 国見さんとか大先生とかじゃなくて」
「わ、私は何もっ」
「一緒に選ぼうよ」
「!」
「ジャンル違うけど、でも、こういうの一緒に選ぶの俺、すごい得意だからっ」
「!」
店内はバレンタインに向けて、内装が赤い色になってた。
その赤色と同じに赤くなった頬で。
「…………お、お願い、します」
女の子たちの賑やかな声に掻き消されちゃいそうな小さな声で蒲田さんがコクンって頷いた。
「ね、誰なんだろう。蒲田さんが本命チョコあげたのって」
晩御飯の後、まだ寝るには少し時間があるから、旭輝がコーヒーを淹れてくれた。俺はそれをリビングのソファで座りながら待っていて、背もたれに顎を乗せるようにして、キッチンに立って、コーヒーを淹れてる姿すら絵になる旭輝をじっと眺めてた。
「さぁな。それに大先生かもしれないだろ」
ほら、ポットのお湯をコーヒーフィルターの中に注いでるだけなのに、雑誌の写真みたい。
「えー? 違うって、絶対に。あの表情は」
あの表情は先生にあげるチョコを選んでる顔じゃなかったもん。
それに、選んだチョコを見つめながら小さく呟いた一言。
――甘いの好きだといいんですが……。
そう呟いた時の蒲田さん、すごく可愛い顔してたもん。
あれは、あんな表情は。
「あれは恋です」
「……」
「ぜーったいにそう!」
コーヒーフィルターから視線を外して、こっちをチラリと見た。キッパリと言い切った俺に笑って。じゃあ、そうなのかもなって低い声で囁くように呟いた。
ね、その仕草、どこで習ったんです?
その、好きになるしかないじゃんってくらいにかっこいい仕草。
「ほら、ミルクたっぷりのコーヒー」
「あ、ありがと」
そういう教室あるわけ? 微笑み方とか。コーヒーのかっこいい淹れ方とか、ソファの座り方とか、どっかで習うわけ?
「それよりバレンタインのチョコレート、買ってきたって」
「あ、うん。あの、本当はまた別のもの渡したいんだけど、ちょっと間に合わなくて、今度デートの時にって。それでバレンタインは」
「俺もちょっと渡したいものがあるんだが、俺もまだ間に合わなくて」
「?」
なんだろ。
旭輝は「そのうち渡す」と言って笑った。
ねぇ……そういう教室があるなら、対抗できる教室もあればいいのに。
「とりあえず、怖い映画でも見るか」
「は? なんで? 今そんな会話の流れじゃなかったじゃん」
「そしたらくっつけるだろ?」
「そんなの」
対抗できる教室で習うの。もう付き合ってるのに、もうこの人、俺の彼氏なのに、それでもいちいちドキドキしちゃうのを緩和する方法とかさ、習いたいよ。だって、そうでもしないと、なんか、心臓もたなそうじゃない?
「観なくてもくっつけばいいじゃん……」
ほら。
聞こえちゃいそう。付き合って少し経ったのにまだ心音聞こえちゃいそうなほど、騒がしくなってるのが恥ずかしくて。
「ダサいだろ? 明日もらえるかもしれないご馳走を待てない駄犬みたいで」
「……じゃあ、ま、待て」
恥ずかしくて俯きたいけど。
「……ワン」
キス魔の旭輝に阻止されて、俯くことはできなかった。
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