92 / 119
92 赤い糸とかは……
しおりを挟む
運命とか、赤い糸とか、そういうのはないって思ってた。
ずっと、この先も誰かと一緒に……って言うのも、あんまり自分の中にはなかったっていうか、同性だからかな。十年とか二十年とかを誰かと。例えば、トイレでぶん殴ったあいつと、とかは全然思いつかなかった。浮気発覚する前だってそんな未来をあいつと一緒に、なんて考えたことなかったし。想像もできなかった。
――聡衣。
でも、旭輝とは。
―― すごいよね。恋愛映画みたい。
旭輝とは。
―― 運命ってやつなんじゃん?
そういうの、運命とか? 赤い糸とか? そういうの。
赤い。
「……」
赤い。
「あっ!」
思わず、スーパーマーケットで声出しちゃった。目の前に広がる赤色を見てたら思わず「あっ!」って。
ハッピーバレンタインって書かれた看板の下に並べられた真っ赤なパッケージの板チョコを見ながら。
もうお正月ムードもすっかりなくなって、旭輝の方も仕事が始まって、七草粥も終わっちゃった。そういえば、七草粥って初めて食べたんだよね。お母さんと暮らした頃にもそういう習慣なかったし。自立してからは全然。付き合ってきた元彼たちもそういう年間行事をちゃんとやったりしなかったし。
だから、食べたことなくて。
――へぇ、そうなのか。俺は一応食べてたかな。実家では毎年やってたせいで。ほら、こっちだとそう言うセット売ってるだろ? だから簡単だし。
二人でカウンターテーブルのところでちゃんと七草粥食べた。
田舎だからなって笑う、旭輝の隣で食べた七草粥は思ってたよりも美味しくて、なんか、そのちゃんとしてる感じが楽しかった。
二月になったらいわしとか玄関のところに飾るの? って聞いたら笑われて。流石にそれはしないなって。カラス、来ちゃうからって。もちろん俺はそれだって飾ったことないから。
気にしてた年間行事はハロウィンにクリスマス、ついこの間終わったお正月に……誕生日に、それから。
本当、忘れてた。そろそろバレンタインじゃん。
クリスマスもプレゼントとかしなかったんだよね。旭輝も仕事すっごい忙しそうだったし。俺は、まだ国見さんのところで働き始めたばっかでちょっとお財布の中が心もとない感じだったし。
バレンタイン、チョコ?
いや、でもそれなら、身につけられる物とか?
タイピンはこの前、あげちゃったし。
こういう時こそアパレル店員なんだからぱぱっと決められたらいいんだけど。何がいいかな。なんかいい感じのあげたいよね。クリスマスプレゼントしてないんだもん。旭輝が喜んでくれそうなもの。
――聡衣。
嬉しそうに笑ってくれるようなもの。
「……」
ストール?
いや、もう時期的にいらなくなってくるし。
手袋?
いや、だから、それも時期的にいらなくなってくるから。
腕時計?
…………無理。
すっごい高いのしてたじゃん。あれ以上のものを贈れる気が全くしない。
じゃあ…………指輪? とかは?
「……」
指輪はちょっと、なんか……ね。
ファッションリング? でも、旭輝って出かける時でも指輪してるの見たことないから、そういうのはあんまりしないタイプなんじゃないかな。
じゃあ、シンプルなの?
でも、それって、ちょっとね。意味深じゃない? シンプルな指輪なんて、まるで、それって。
「……」
自分の手をパッと広げて眺めた。
指輪、シンプルな、例えば男女が何かを誓うようにつける指輪なんて、したことないなぁって思って、その手を引っ込めた。
指輪はちょっと難しいかなって。
じゃあ、そうだ。そしたら、もう少し低コストで……ネクタイ?
まぁね。無難ではあるけど、それこそアパレル店員としては面白味に欠けるっていうか。一番手軽だけどさ。クリスマスもそう言うのなかった分、もう少しなんか、いい感じの。
靴?
なんか色っぽくない。
鞄?
それも色っぽくない。
じゃあ、スーツ。
―― 俺は聡衣に世界一カッコイイサラリーマンにしてあげるって言ってもらえたんだ。
あ。
スーツ。
自分で仕立てるのは流石に服飾系で学んでるわけじゃないから無理だけど、なんか、スーツコーデをしてあげたら。
あの時みたいに。
旭輝に選んであげた最初の出会いみたいに。
いいかも、そういうの。
そういうの!
でも国見さんのところ、スーツはあんまり置いてないんだよね。
「うーん……」
展開してるけど薄いっていうか。
「何一人で、スーパーマーケットの中で百面相してるんだ?」
「! あ、旭輝!」
「お疲れ」
心臓飛び出そうだった。もぉ、びっくりした。
そこには旭輝がスーツ姿で立っていて、俺を見て笑ってた。もう髪はすでに崩しちゃってる。あと少し疲れてそうだった。年末も忙しかったけど、正月明けも忙しいんだって教えてくれた。
「旭輝も、お疲れ様。帰ってきたとこ、だよね。偶然スーパーで会うとかびっくり」
「あぁ、この前、聡衣が美味いって言ってた酎ハイ買って行こうと思ったんだ。そしたら本人がいて突っ立ったまんま百面相してたからしばらく眺めてた」
「ちょ! 声かけてよ。ずっと見てたの?」
何、百面相って。どの辺りから見てたんだろ。
「そうだな。聡衣がじっと自分の手を眺めた辺りかな」
あ、それは。
「手に」
指輪を――。
「手に買おうと思ってるもの書いてるのかと思った」
「!」
「聡衣、この前、牛乳買い忘れてコーヒー飲めないって言ってたから。けど、書いてないみたいだな」
「か、書いてないに決まってるじゃん。お客さんに笑われちゃう」
それは指輪をお揃いでって思った瞬間。
「あはは、確かにな」
その時、俺ってどんな顔してたんだろって、ちょっと教えてって、思った。
ずっと、この先も誰かと一緒に……って言うのも、あんまり自分の中にはなかったっていうか、同性だからかな。十年とか二十年とかを誰かと。例えば、トイレでぶん殴ったあいつと、とかは全然思いつかなかった。浮気発覚する前だってそんな未来をあいつと一緒に、なんて考えたことなかったし。想像もできなかった。
――聡衣。
でも、旭輝とは。
―― すごいよね。恋愛映画みたい。
旭輝とは。
―― 運命ってやつなんじゃん?
そういうの、運命とか? 赤い糸とか? そういうの。
赤い。
「……」
赤い。
「あっ!」
思わず、スーパーマーケットで声出しちゃった。目の前に広がる赤色を見てたら思わず「あっ!」って。
ハッピーバレンタインって書かれた看板の下に並べられた真っ赤なパッケージの板チョコを見ながら。
もうお正月ムードもすっかりなくなって、旭輝の方も仕事が始まって、七草粥も終わっちゃった。そういえば、七草粥って初めて食べたんだよね。お母さんと暮らした頃にもそういう習慣なかったし。自立してからは全然。付き合ってきた元彼たちもそういう年間行事をちゃんとやったりしなかったし。
だから、食べたことなくて。
――へぇ、そうなのか。俺は一応食べてたかな。実家では毎年やってたせいで。ほら、こっちだとそう言うセット売ってるだろ? だから簡単だし。
二人でカウンターテーブルのところでちゃんと七草粥食べた。
田舎だからなって笑う、旭輝の隣で食べた七草粥は思ってたよりも美味しくて、なんか、そのちゃんとしてる感じが楽しかった。
二月になったらいわしとか玄関のところに飾るの? って聞いたら笑われて。流石にそれはしないなって。カラス、来ちゃうからって。もちろん俺はそれだって飾ったことないから。
気にしてた年間行事はハロウィンにクリスマス、ついこの間終わったお正月に……誕生日に、それから。
本当、忘れてた。そろそろバレンタインじゃん。
クリスマスもプレゼントとかしなかったんだよね。旭輝も仕事すっごい忙しそうだったし。俺は、まだ国見さんのところで働き始めたばっかでちょっとお財布の中が心もとない感じだったし。
バレンタイン、チョコ?
いや、でもそれなら、身につけられる物とか?
タイピンはこの前、あげちゃったし。
こういう時こそアパレル店員なんだからぱぱっと決められたらいいんだけど。何がいいかな。なんかいい感じのあげたいよね。クリスマスプレゼントしてないんだもん。旭輝が喜んでくれそうなもの。
――聡衣。
嬉しそうに笑ってくれるようなもの。
「……」
ストール?
いや、もう時期的にいらなくなってくるし。
手袋?
いや、だから、それも時期的にいらなくなってくるから。
腕時計?
…………無理。
すっごい高いのしてたじゃん。あれ以上のものを贈れる気が全くしない。
じゃあ…………指輪? とかは?
「……」
指輪はちょっと、なんか……ね。
ファッションリング? でも、旭輝って出かける時でも指輪してるの見たことないから、そういうのはあんまりしないタイプなんじゃないかな。
じゃあ、シンプルなの?
でも、それって、ちょっとね。意味深じゃない? シンプルな指輪なんて、まるで、それって。
「……」
自分の手をパッと広げて眺めた。
指輪、シンプルな、例えば男女が何かを誓うようにつける指輪なんて、したことないなぁって思って、その手を引っ込めた。
指輪はちょっと難しいかなって。
じゃあ、そうだ。そしたら、もう少し低コストで……ネクタイ?
まぁね。無難ではあるけど、それこそアパレル店員としては面白味に欠けるっていうか。一番手軽だけどさ。クリスマスもそう言うのなかった分、もう少しなんか、いい感じの。
靴?
なんか色っぽくない。
鞄?
それも色っぽくない。
じゃあ、スーツ。
―― 俺は聡衣に世界一カッコイイサラリーマンにしてあげるって言ってもらえたんだ。
あ。
スーツ。
自分で仕立てるのは流石に服飾系で学んでるわけじゃないから無理だけど、なんか、スーツコーデをしてあげたら。
あの時みたいに。
旭輝に選んであげた最初の出会いみたいに。
いいかも、そういうの。
そういうの!
でも国見さんのところ、スーツはあんまり置いてないんだよね。
「うーん……」
展開してるけど薄いっていうか。
「何一人で、スーパーマーケットの中で百面相してるんだ?」
「! あ、旭輝!」
「お疲れ」
心臓飛び出そうだった。もぉ、びっくりした。
そこには旭輝がスーツ姿で立っていて、俺を見て笑ってた。もう髪はすでに崩しちゃってる。あと少し疲れてそうだった。年末も忙しかったけど、正月明けも忙しいんだって教えてくれた。
「旭輝も、お疲れ様。帰ってきたとこ、だよね。偶然スーパーで会うとかびっくり」
「あぁ、この前、聡衣が美味いって言ってた酎ハイ買って行こうと思ったんだ。そしたら本人がいて突っ立ったまんま百面相してたからしばらく眺めてた」
「ちょ! 声かけてよ。ずっと見てたの?」
何、百面相って。どの辺りから見てたんだろ。
「そうだな。聡衣がじっと自分の手を眺めた辺りかな」
あ、それは。
「手に」
指輪を――。
「手に買おうと思ってるもの書いてるのかと思った」
「!」
「聡衣、この前、牛乳買い忘れてコーヒー飲めないって言ってたから。けど、書いてないみたいだな」
「か、書いてないに決まってるじゃん。お客さんに笑われちゃう」
それは指輪をお揃いでって思った瞬間。
「あはは、確かにな」
その時、俺ってどんな顔してたんだろって、ちょっと教えてって、思った。
3
お気に入りに追加
307
あなたにおすすめの小説
ほらやっぱり、結局貴方は彼女を好きになるんでしょう?
望月 或
恋愛
ベラトリクス侯爵家のセイフィーラと、ライオロック王国の第一王子であるユークリットは婚約者同士だ。二人は周りが羨むほどの相思相愛な仲で、通っている学園で日々仲睦まじく過ごしていた。
ある日、セイフィーラは落馬をし、その衝撃で《前世》の記憶を取り戻す。ここはゲームの中の世界で、自分は“悪役令嬢”だということを。
転入生のヒロインにユークリットが一目惚れをしてしまい、セイフィーラは二人の仲に嫉妬してヒロインを虐め、最後は『婚約破棄』をされ修道院に送られる運命であることを――
そのことをユークリットに告げると、「絶対にその彼女に目移りなんてしない。俺がこの世で愛しているのは君だけなんだ」と真剣に言ってくれたのだが……。
その日の朝礼後、ゲームの展開通り、ヒロインのリルカが転入してくる。
――そして、セイフィーラは見てしまった。
目を見開き、頬を紅潮させながらリルカを見つめているユークリットの顔を――
※作者独自の世界設定です。ゆるめなので、突っ込みは心の中でお手柔らかに願います……。
※たまに第三者視点が入ります。(タイトルに記載)
距離を置きましょう? やったー喜んで! 物理的にですけど、良いですよね?
hazuki.mikado
恋愛
婚約者が私と距離を置きたいらしい。
待ってましたッ! 喜んで!
なんなら物理的な距離でも良いですよ?
乗り気じゃない婚約をヒロインに押し付けて逃げる気満々の公爵令嬢は悪役令嬢でしかも転生者。
あれ? どうしてこうなった?
頑張って断罪劇から逃げたつもりだったけど、先に待ち構えていた隣りの家のお兄さんにあっさり捕まってでろでろに溺愛されちゃう中身アラサー女子のお話し。
×××
取扱説明事項〜▲▲▲
作者は誤字脱字変換ミスと投稿ミスを繰り返すという老眼鏡とハズキルーペが手放せない(老)人です(~ ̄³ ̄)~マジでミスをやらかしますが生暖かく見守って頂けると有り難いです(_ _)お気に入り登録や感想、動く栞、以前は無かった♡機能。そして有り難いことに動画の視聴。ついでに誤字脱字報告という皆様の愛(老人介護)がモチベアップの燃料です(人*´∀`)。*゜+
皆様の愛を真摯に受け止めております(_ _)←多分。
9/18 HOT女性1位獲得シマシタ。応援ありがとうございますッヽ(*゚ー゚*)ノ
本当にあなたが運命なんですか?
尾高志咲/しさ
BL
運命の番なんて、本当にいるんだろうか?
母から渡された一枚の写真には、ぼくの運命だという男が写っていた。ぼくは、相手の高校に転校して、どんな男なのか実際にこの目で確かめてみることにした。転校初日、彼は中庭で出会ったぼくを見ても、何の反応も示さない。成績優秀で性格もいい彼は人気者で、ふとしたことから一緒にお昼を食べるようになる。会うたびに感じるこの不思議な動悸は何だろう……。
【幼い頃から溺愛一途なアルファ×運命に不信感を持つオメガ】
◆初のオメガバースです。本編+番外編。
◆R18回には※がついています。
🌸エールでの応援ならびにHOTランキング掲載、ありがとうございました!
【完結】いつか幸せになれたら
いちみやりょう
BL
父からも兄からも愛されないオメガのカミーユが魔王の妻になり幸せになる話。
夜になるとたまに悲しくて、辛くて、寂しくて、どうしようもなくなる時がある。
そんな日の夜はいつも、ずっと小さい頃から1冊だけ持っている絵本を読んで夜を明かす。
辛い思いをしている女の子のところに、王子様が現れて王子様の国に連れて行ってくれて、今まであった辛いこと、全部忘れて過ごせるくらい幸せになる女の子の話。
僕には王子様は現れたりはしないだろうけど、でも、いつか、僕の中に流れてる罪で汚れた汚い血が全部流れたら、僕はこの国を出て幸せに暮らすんだ。
感想コメントやエール本当にありがとうございます🙇
超絶美形だらけの異世界に普通な俺が送り込まれた訳だが。
篠崎笙
BL
斎藤一は平均的日本人顔、ごく普通の高校生だったが、神の戯れで超絶美形だらけの異世界に送られてしまった。その世界でイチは「カワイイ」存在として扱われてしまう。”夏の国”で保護され、国王から寵愛を受け、想いを通じ合ったが、春、冬、秋の国へと飛ばされ、それぞれの王から寵愛を受けることに……。
※子供は出来ますが、妊娠・出産シーンはありません。自然発生。
※複数の攻めと関係あります。(3Pとかはなく、個別イベント)
※「黒の王とスキーに行く」は最後まではしませんが、ザラーム×アブヤドな話になります。
ただ君の顔が好きである【オメガバース】
さか【傘路さか】
BL
全10話。面食いを直したい美形アルファ×表情薄めな平凡顔オメガ。
碌谷は地域主催のお見合いパーティに参加した折、美形ながら面食いで、番ができないため面食いを直したい、と望んでいる有菱と出会う。
対して碌谷はというと、顔に執着がなく、アルファはみな同じ美形に見える。
碌谷の顔は平凡で、表情筋の動きだって悪い。そんな顔を見慣れれば面食いも直るのでは、と提案を受け、碌谷は有菱の協力をすることになった。
※小説の文章をコピーして無断で使用したり、登場人物名を版権キャラクターに置き換えた二次創作小説への転用は一部分であってもお断りします。
無断使用を発見した場合には、警告をおこなった上で、悪質な場合は法的措置をとる場合があります。
自サイト:
https://sakkkkkkkkk.lsv.jp/
誤字脱字報告フォーム:
https://form1ssl.fc2.com/form/?id=fcdb8998a698847f
英雄になった夫が妻子と帰還するそうです
白野佑奈
恋愛
初夜もなく戦場へ向かった夫。それから5年。
愛する彼の為に必死に留守を守ってきたけれど、戦場で『英雄』になった彼には、すでに妻子がいて、王命により離婚することに。
好きだからこそ王命に従うしかない。大人しく離縁して、実家の領地で暮らすことになったのに。
今、目の前にいる人は誰なのだろう?
ヤンデレ激愛系ヒーローと、周囲に翻弄される流され系ヒロインです。
珍しくもちょっとだけ切ない系を目指してみました(恥)
ざまぁが少々キツイので、※がついています。苦手な方はご注意下さい。
壁の花令嬢の最高の結婚
晴 菜葉
恋愛
壁の花とは、舞踏会で誰にも声を掛けてもらえず壁に立っている適齢期の女性を示す。
社交デビューして五年、一向に声を掛けられないヴィンセント伯爵の実妹であるアメリアは、兄ハリー・レノワーズの悪友であるブランシェット子爵エデュアルト・パウエルの心ない言葉に傷ついていた。
ある日、アメリアに縁談話がくる。相手は三十歳上の財産家で、妻に暴力を働いてこれまでに三回離縁を繰り返していると噂の男だった。
アメリアは自棄になって家出を決行する。
行く当てもなく彷徨いていると、たまたま賭博場に行く途中のエデュアルトに出会した。
そんなとき、彼が暴漢に襲われてしまう。
助けたアメリアは、背中に消えない傷を負ってしまった。
乙女に一生の傷を背負わせてしまったエデュアルトは、心底反省しているようだ。
「俺が出来ることなら何だってする」
そこでアメリアは考える。
暴力を振るう亭主より、女にだらしない放蕩者の方がずっとマシ。
「では、私と契約結婚してください」
R18には※をしています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる