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3 瓜二つ
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教室へ向かう長い廊下の間も、その話は続いた。
要するに、単純な話、わたしと青葉くんが似ていると。
そして昼休みになると、その話題はクラスの皆を巻き込んでエスカレートした。
「よくあるじゃん、親が離婚して兄弟が離ればなれになって、それぞれ再婚した後に縒りが戻って隣同士に引っ越すとか」
ないよ。少なくともわたしは聞いたことがない。
「遠い親戚なんじゃねーの?遺伝子調べてみろよ、石器時代には家族だったかもしれねーし」
そのレベルまで戻ったら、クラス皆が親戚になれるかもしれない。
「何か隠し事があるんじゃないの?親に聞いてみた方がいいよ。とにかく似ずぎ。瓜二つ。」
制服のせいかもしれないけど、私は青葉と呼ばれたことない。
「描き分けられないんだろ。」
あんただけ次元がひとつ足りない世界に生きているんですか?
他に話題があるでしょ?
……と言っても、クラスの皆はわたしと青葉くんが似ていると思いつつ、その事を言いづらかったらしく、今日一日はこの話からは逃れられそうになかった。
青葉くんは皆と盛り上がっていて、この状況を楽しんでいるように見える。
たとえば、わたしがドラマのヒロインだったりしたら……
こういうパターンだと青葉くんは真実を知っていて、わたしの前では知らないフリをするんだ。
そして、帰り道はひとことも話さないで……
青葉くんが、ふと立ち止まって夕焼けの空を見上げて……
わたしが
「どうしたの?」
と聞いても
「いや、なんでもない」
としか答えてくれない。。。
そして、帰り道(現実)。
青葉くんは満面の笑みでクラスの皆が作り上げたストーリーを話し続けていた。
要するに、単純な話、わたしと青葉くんが似ていると。
そして昼休みになると、その話題はクラスの皆を巻き込んでエスカレートした。
「よくあるじゃん、親が離婚して兄弟が離ればなれになって、それぞれ再婚した後に縒りが戻って隣同士に引っ越すとか」
ないよ。少なくともわたしは聞いたことがない。
「遠い親戚なんじゃねーの?遺伝子調べてみろよ、石器時代には家族だったかもしれねーし」
そのレベルまで戻ったら、クラス皆が親戚になれるかもしれない。
「何か隠し事があるんじゃないの?親に聞いてみた方がいいよ。とにかく似ずぎ。瓜二つ。」
制服のせいかもしれないけど、私は青葉と呼ばれたことない。
「描き分けられないんだろ。」
あんただけ次元がひとつ足りない世界に生きているんですか?
他に話題があるでしょ?
……と言っても、クラスの皆はわたしと青葉くんが似ていると思いつつ、その事を言いづらかったらしく、今日一日はこの話からは逃れられそうになかった。
青葉くんは皆と盛り上がっていて、この状況を楽しんでいるように見える。
たとえば、わたしがドラマのヒロインだったりしたら……
こういうパターンだと青葉くんは真実を知っていて、わたしの前では知らないフリをするんだ。
そして、帰り道はひとことも話さないで……
青葉くんが、ふと立ち止まって夕焼けの空を見上げて……
わたしが
「どうしたの?」
と聞いても
「いや、なんでもない」
としか答えてくれない。。。
そして、帰り道(現実)。
青葉くんは満面の笑みでクラスの皆が作り上げたストーリーを話し続けていた。
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