10 / 11
私の願い事はなに
しおりを挟む
こんにちは。リリスです。私は今、ヒロインと最強の魔導士を必死に宥めています。
なぜそうなったかって、それは私が聞きたい‼︎
「ふ、二人とも落ち着いてね⁇」
私はできるだけ優しい口調で言うが、二人はお互いを睨みつけて圧をかけ続ける。
「……」
この圧に私が真っ先にやられそう。
エリエールもナツールもお互いを黙って睨みつけながらどちらかが動くのを待っている。
殺伐とした雰囲気に押しつぶされそうになった時、ドアの向こうからお母様が入って来た。
「!!!!!!!っ!?。。。。。。?!!!!!!!!」
よりによってお母様が入って来るだなんて!だめよ。このままじゃ、この圧にお母様がやられる。
そう思っていたが、私の予想は見事に外れた。
「何をしているのですか?」
そうそっと問いかける。
「この無礼者がこのお屋敷に勝手に入って来たのですよ」
そうエリエールが言い、
「俺はただ珍しい魔力反応があったから来ただけだ」
そうナツールが言った。
「……」
お母様はしばらく黙ったかと思うと、二人を冷たく見下ろしながらこう言った。
「ここはクロップ家のお屋敷です。ここでは揉め事は許しません。今の忠告を守れないのであれば出て行きなさい」
とても冷たい声。この中の誰よりもとても圧がかかりあの二人も怯んでいる。
「もしかして一番怒られてはいけないのって……」
「ああ、お母様だ」
お兄様が私の肩に手をそっと置き諦めたかのような目でお母様を見ている。
「それとあなたはどこのどなたですか?今日はお客様が来るとは聞いていませんよ?」
エリエールも一応はお客様だが、お母様の中ではカウントされてない。
「私の可愛い娘と息子が怖がっています。なので二人はこの部屋から出ていきなさい」
お母様は有無を言わさずに二人をこの部屋から追い出し、私とカルテを抱きしめた。
「びっくりしたわ。こんなに強い魔力を秘めた魔導士が来るだなんて……」
手が震えている。本当に怖かったんだ。なのに私たちを守ってくれた。これが親の愛?
ズキッ
「……っ!」
何?今何か頭の中によぎったようなぁ?
「ほん……かぞ……の……いが……しい」
これは私の願い事⁇思い出せない。
「リリス⁇」
「うゔぅゔわああああ!!!!!!!」
思い出そうとすればするほど頭が痛い。
「リリス⁉︎どうしたの?」
ソフィアが慌てて私を抱き抱える。
「頭が!頭が割れそう!!!!!!!」
何を忘れているの?何を願ったの?わからないよ。
「リリスしっかりするんだ」
カルテの声も聞こえる。だけどその声もとても小さくて弱い。目の前が暗い。
ブーブーブー
「今度はどうしたんだ‼︎」
「シャルエルエットバルーエルさんの魂が変化しています⁉︎」
「な、なんだと⁉︎」
「このままじゃこのゲームの攻略をできたとしても帰って来られる確率は三パーセント」
「……」
「僕がもう一度あの世界に行く」
「やめろ⁉︎」
月雲は彼女を救いたい。彼女には恩があるからだからもう一度行くことを決意したのだ。
「シャルエルエットバルーエルさんの魂を救たのはわかるが、お前まで失ったらこの世界は本当に終わりだ!」
「だけど、僕なら神権限がある。その力で彼女の魂を落ち着かせることができるなら……」
「戻って来られなくなるかもしれん!」
「そうだ。行かせるわけには行かない」
「うるさい!!!!!!!」
「月雲は行くと決めたら最後までそれを貫くつもりだ」
「わかった。でも私も連れて行って」
「君はサーバーを管理するんだ」
「内側からのアクセスでもしかしたら正常に戻るかもしれない。だから連れて行って!」
ゲームの管理人が二人もこの世界に入り込んでさらにリリスを……私を追い詰めることになることはまだ誰も知れない。
なぜそうなったかって、それは私が聞きたい‼︎
「ふ、二人とも落ち着いてね⁇」
私はできるだけ優しい口調で言うが、二人はお互いを睨みつけて圧をかけ続ける。
「……」
この圧に私が真っ先にやられそう。
エリエールもナツールもお互いを黙って睨みつけながらどちらかが動くのを待っている。
殺伐とした雰囲気に押しつぶされそうになった時、ドアの向こうからお母様が入って来た。
「!!!!!!!っ!?。。。。。。?!!!!!!!!」
よりによってお母様が入って来るだなんて!だめよ。このままじゃ、この圧にお母様がやられる。
そう思っていたが、私の予想は見事に外れた。
「何をしているのですか?」
そうそっと問いかける。
「この無礼者がこのお屋敷に勝手に入って来たのですよ」
そうエリエールが言い、
「俺はただ珍しい魔力反応があったから来ただけだ」
そうナツールが言った。
「……」
お母様はしばらく黙ったかと思うと、二人を冷たく見下ろしながらこう言った。
「ここはクロップ家のお屋敷です。ここでは揉め事は許しません。今の忠告を守れないのであれば出て行きなさい」
とても冷たい声。この中の誰よりもとても圧がかかりあの二人も怯んでいる。
「もしかして一番怒られてはいけないのって……」
「ああ、お母様だ」
お兄様が私の肩に手をそっと置き諦めたかのような目でお母様を見ている。
「それとあなたはどこのどなたですか?今日はお客様が来るとは聞いていませんよ?」
エリエールも一応はお客様だが、お母様の中ではカウントされてない。
「私の可愛い娘と息子が怖がっています。なので二人はこの部屋から出ていきなさい」
お母様は有無を言わさずに二人をこの部屋から追い出し、私とカルテを抱きしめた。
「びっくりしたわ。こんなに強い魔力を秘めた魔導士が来るだなんて……」
手が震えている。本当に怖かったんだ。なのに私たちを守ってくれた。これが親の愛?
ズキッ
「……っ!」
何?今何か頭の中によぎったようなぁ?
「ほん……かぞ……の……いが……しい」
これは私の願い事⁇思い出せない。
「リリス⁇」
「うゔぅゔわああああ!!!!!!!」
思い出そうとすればするほど頭が痛い。
「リリス⁉︎どうしたの?」
ソフィアが慌てて私を抱き抱える。
「頭が!頭が割れそう!!!!!!!」
何を忘れているの?何を願ったの?わからないよ。
「リリスしっかりするんだ」
カルテの声も聞こえる。だけどその声もとても小さくて弱い。目の前が暗い。
ブーブーブー
「今度はどうしたんだ‼︎」
「シャルエルエットバルーエルさんの魂が変化しています⁉︎」
「な、なんだと⁉︎」
「このままじゃこのゲームの攻略をできたとしても帰って来られる確率は三パーセント」
「……」
「僕がもう一度あの世界に行く」
「やめろ⁉︎」
月雲は彼女を救いたい。彼女には恩があるからだからもう一度行くことを決意したのだ。
「シャルエルエットバルーエルさんの魂を救たのはわかるが、お前まで失ったらこの世界は本当に終わりだ!」
「だけど、僕なら神権限がある。その力で彼女の魂を落ち着かせることができるなら……」
「戻って来られなくなるかもしれん!」
「そうだ。行かせるわけには行かない」
「うるさい!!!!!!!」
「月雲は行くと決めたら最後までそれを貫くつもりだ」
「わかった。でも私も連れて行って」
「君はサーバーを管理するんだ」
「内側からのアクセスでもしかしたら正常に戻るかもしれない。だから連れて行って!」
ゲームの管理人が二人もこの世界に入り込んでさらにリリスを……私を追い詰めることになることはまだ誰も知れない。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
魔法のせいだからって許せるわけがない
ユウユウ
ファンタジー
私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。
すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる