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カルテ.クロップ
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カルテが私の手を取りそそくさと部屋の外へと出て行き叔母宅の前に止めてあった馬車に押し込まれた。
「……」
どうしよう。カルテの行動が意味不明だ。カルテってどんな人だったか思い出してみよう。
太陽の君にの準主人公の彼は十歳でありとあらゆる魔法、哲学、神力、聖力などをマスターする。彼は無表情で無口。そして冷血とも言われている。
そんな彼が私を助けたのはなんでだろう?妹だから?でも私は本物のリリスじゃない。
「……」
チラッ
「えっ!」
私は少し顔を上げて、カルテの顔を見たけど、彼はとてつもなく緊張した顔になっている。
「……」
もしかして、カルテってただの人見知り⁉︎そんなことある!
「あ、あの……お兄様」
私は恐る恐るカルテに話しかけてみた。
「なんだ?」
その一言だけ言ってまた俯いた。
「え、えっと、なんで私を助けてくれたの?」
そう尋ねると少し驚いたような顔をしながらこう言った。
「お前は俺たちの家族だ。家族を助けるのは当然だ」
「あ、ありがとう」
そうお礼を言うと、カルテの耳が真っ赤になった。
「もしかして……照れてる?」
「照れてない‼︎」
「は、はい」
いきなり怒鳴るものだから少し怯んだ。
クロップの屋敷
「ただいま帰りました」
「おかえりなさい。カルテ……えっ?」
奥からカルテとリリスの母親、ソフィア.クロップが出てきた。彼女の髪は金髪で青い瞳、私も同じ髪色で青の瞳だだ。
ソフィアはとても驚いた顔をしたと思ったら私の方へと一目散へと駆け寄った。
「リリス⁉︎何があったの?誰にやられたの‼︎」
「え、あっ、その……」
私は驚いて言葉がうまく喋れない。
だって、私はリリスは親からの愛なんてないんだって勝手に決めていたから。だからこんなに心配してくるなんて思ってもみなかった。
「ああ!私の可愛い娘が怪我をして帰って来るだなんて……」
ソフィアは私そっと抱きしめる。
「お願い。もうあなたと離れ離れに暮らしたくないの。だからどうか怪我だけはしないでちょうだい。お母様の心臓が持ちませんよ?」
そう優しく私に言う。
「ごめ、ごめんなさい」
なんでだろう⁇私はリリスじゃないのに涙が出てくる。そうか。私は今までこんなにも私を優しく抱きしめる人がいなくて寂しかったんだ。
「うわああん!」
「り、リリス⁉︎」
驚いて私を離すソフィア
「ごめんなさい!ごめんなさい‼︎迷惑かけて……いっぱいイタズラしてごめんなさい‼︎」
私とリリスは少し似ている。私も小さい頃は両親に構ってほしくて問題行動をしてばかりだ。そのせいで、両親からは煙たがられて、蔑ろにされて、弟にも軽蔑されて、居場所もなくした。
どこか、リリスと私は似ていて、親に愛されたかったんだ。
「リリス。よーしよし。もう泣かないの。大丈夫よ。今からでもリリスは変われるわ」
そう優しくまた抱きしめてくれる温かい人。
でもそんなに優しい人なのに二年後に病気で死んでしまう。そんなの悲しすぎるよ。
「さぁ、何があったのか話してごらん」
「う、うん」
私まだ涙がポロポロとこぼれながらも話した。今まで何をされたかはわからない。でもついさっきのことで大体の予想はできる。それに実際にやられたことを言えばいいだけだ。
私の説明が終わると、ソフィアは怒りを露にする。
「なんてこと……同じ子を持つものとして許せないわ」
そう。叔母には息子がひとりいるのだ。名前はデューク.クロップだ。彼はずる賢く、いろんな不正を赤の他人に押し付けるクズ中のクズなのだ。
「お義姉様がしばらく落ち着くまではうちで面倒を見ると言うから預けたのよ。もちろん最初は渋ったわ。あなたと離れて暮らすのが心配だったから」
「そうなんだ」
じゃあなんで?なんで、リリスを叔母のところにやったの?
「自然豊かなところならリリスも落ち着きを取り戻すからって言うから安心して預けたのよ!」
「えっ……」
それだけ?それだけの理由で私はあんた強烈なビンタ食らったの?理不尽じゃん!
「リリス。もうあなたをひとりにはしないわ。約束するわ」
「うん!」
その言葉はリリスに向けられたとしても嬉しかった。親の愛ってこんなものなんだ。そう思った私なのであった。
「……」
どうしよう。カルテの行動が意味不明だ。カルテってどんな人だったか思い出してみよう。
太陽の君にの準主人公の彼は十歳でありとあらゆる魔法、哲学、神力、聖力などをマスターする。彼は無表情で無口。そして冷血とも言われている。
そんな彼が私を助けたのはなんでだろう?妹だから?でも私は本物のリリスじゃない。
「……」
チラッ
「えっ!」
私は少し顔を上げて、カルテの顔を見たけど、彼はとてつもなく緊張した顔になっている。
「……」
もしかして、カルテってただの人見知り⁉︎そんなことある!
「あ、あの……お兄様」
私は恐る恐るカルテに話しかけてみた。
「なんだ?」
その一言だけ言ってまた俯いた。
「え、えっと、なんで私を助けてくれたの?」
そう尋ねると少し驚いたような顔をしながらこう言った。
「お前は俺たちの家族だ。家族を助けるのは当然だ」
「あ、ありがとう」
そうお礼を言うと、カルテの耳が真っ赤になった。
「もしかして……照れてる?」
「照れてない‼︎」
「は、はい」
いきなり怒鳴るものだから少し怯んだ。
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「ただいま帰りました」
「おかえりなさい。カルテ……えっ?」
奥からカルテとリリスの母親、ソフィア.クロップが出てきた。彼女の髪は金髪で青い瞳、私も同じ髪色で青の瞳だだ。
ソフィアはとても驚いた顔をしたと思ったら私の方へと一目散へと駆け寄った。
「リリス⁉︎何があったの?誰にやられたの‼︎」
「え、あっ、その……」
私は驚いて言葉がうまく喋れない。
だって、私はリリスは親からの愛なんてないんだって勝手に決めていたから。だからこんなに心配してくるなんて思ってもみなかった。
「ああ!私の可愛い娘が怪我をして帰って来るだなんて……」
ソフィアは私そっと抱きしめる。
「お願い。もうあなたと離れ離れに暮らしたくないの。だからどうか怪我だけはしないでちょうだい。お母様の心臓が持ちませんよ?」
そう優しく私に言う。
「ごめ、ごめんなさい」
なんでだろう⁇私はリリスじゃないのに涙が出てくる。そうか。私は今までこんなにも私を優しく抱きしめる人がいなくて寂しかったんだ。
「うわああん!」
「り、リリス⁉︎」
驚いて私を離すソフィア
「ごめんなさい!ごめんなさい‼︎迷惑かけて……いっぱいイタズラしてごめんなさい‼︎」
私とリリスは少し似ている。私も小さい頃は両親に構ってほしくて問題行動をしてばかりだ。そのせいで、両親からは煙たがられて、蔑ろにされて、弟にも軽蔑されて、居場所もなくした。
どこか、リリスと私は似ていて、親に愛されたかったんだ。
「リリス。よーしよし。もう泣かないの。大丈夫よ。今からでもリリスは変われるわ」
そう優しくまた抱きしめてくれる温かい人。
でもそんなに優しい人なのに二年後に病気で死んでしまう。そんなの悲しすぎるよ。
「さぁ、何があったのか話してごらん」
「う、うん」
私まだ涙がポロポロとこぼれながらも話した。今まで何をされたかはわからない。でもついさっきのことで大体の予想はできる。それに実際にやられたことを言えばいいだけだ。
私の説明が終わると、ソフィアは怒りを露にする。
「なんてこと……同じ子を持つものとして許せないわ」
そう。叔母には息子がひとりいるのだ。名前はデューク.クロップだ。彼はずる賢く、いろんな不正を赤の他人に押し付けるクズ中のクズなのだ。
「お義姉様がしばらく落ち着くまではうちで面倒を見ると言うから預けたのよ。もちろん最初は渋ったわ。あなたと離れて暮らすのが心配だったから」
「そうなんだ」
じゃあなんで?なんで、リリスを叔母のところにやったの?
「自然豊かなところならリリスも落ち着きを取り戻すからって言うから安心して預けたのよ!」
「えっ……」
それだけ?それだけの理由で私はあんた強烈なビンタ食らったの?理不尽じゃん!
「リリス。もうあなたをひとりにはしないわ。約束するわ」
「うん!」
その言葉はリリスに向けられたとしても嬉しかった。親の愛ってこんなものなんだ。そう思った私なのであった。
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