8 / 8
同じ転生者
しおりを挟む
前回のあらすじ。私はいつにヒロインのロザリアンと出会い、衝撃の真実を知ることになる。それはロザリアンもなんと!私と同じ転生者だったのです!以上‼︎
もっと言うべきことがあるだろうが!馬鹿!
数日後の放課後
「ロザリアンが転生者......」
驚きが隠せない。アグやグレン様やルプ様に心配させている。しっかりしなきゃ‼︎
「ユリアさん」
「......ロザリアン様」
不意に私に近づき耳元で囁いた。
「ちゃんと様付けできるよね?偉いわ」
「......」
「私とあなたの格の違いを見せてあげるわ。所詮はモブとヒロイン。あなたに勝ち目なんてない」
そう冷たく言うロザリアンは私の知っているヒロインじゃない。
ロザリアンはとても明るく穏やかで優しい。健気でみんなから愛されるヒロイン。悪魔に体を乗っ取られて自由の効かない可哀想な人。
「実はねぇ、今も私の体は悪魔に侵蝕させつつある。だから早くところあの三人助けてもらわなきゃ」
やめて。あの三人に近づかないで。でも私にはそれを言う資格はない。言ってしまえば小説の内容を変えてしまう。それだけは避けなければならない。だから駄目。収まれ。収まれ。この気持ち収まって‼︎
「私は行くわ。せいぜいモブらしく悪足掻きでもするのね?」
「......」
何も言い返せない。所詮モブはヒロインに勝てない。彼女は誰からも愛される。だからあの三人もきっとそう。
そう悶々と考えつつ部屋に戻った。
「......」
わかっていたことよ。いずれヒロインが出てくるってわかってたのに......わかっていたつもりなのにこんなにも胸が苦しいの。
コンコン
私が少し泣いているとドアをノックする音が聞こえた。
「はい」
「俺だよ。アグだよ。ユリア、今いいか⁇」
「い、今開けます」
そう言って目を擦り慌ててドアを開けた。
ガチャ
「ユリア......って⁉︎おまっ!すげえー顔だぞ?」
「え、えへへ......」
「何があったんだ?」
「なんでもありません」
あなたもロザリアンのところに行ってしまう。だからもう仲良くするのはやめよう。そうすれば傷つかない。
「なんでもなくないだろ?俺に言えよ!俺はお前の味方だ」
「......アグ」
どうして?どうしてその一言だけで涙が溢れてくるの?私はただこの世界で生きるのに精一杯なだけで、ただモブとして生きたい。そう思っただけなのに。
「うゔぅ!」
「え、えっ!ちょっ⁉︎な、なんで泣くんだ?泣くな。俺が側にいるだろ?」
「......き......ですか?」
「えっ?なんて⁇」
「ヒック!ど、どんな時も、グスン。一緒にいてくれるの?グスグス」
「ああ、約束する」
その一言で安心する。
「うわあああん!」
ざわざわ
「何だ?」
「あの男子が女のことを泣かせた?」
「最低」
「ゲスの極み」
「ちげーわ!」
ギュッ
「私もアグの側を離れないようにする」
「お、おう」
そう言いながらもどこかでこの街をこの国を出て行こうと思っている気持ちは今は知らない。わからない。そう思いたい。
「何よ。本当にただのモブ⁇私はあなたを知らない。読んだこともない」
それにあの金色の瞳。あれ以外に特に目立つところなんてないのに、なんでみんなに愛されるの?意味がわからないわ。
「絶対に私の方が格上だと証明してやる!」
悪魔の支配下は私達を想像を絶するほどに強力だと知らない。
もっと言うべきことがあるだろうが!馬鹿!
数日後の放課後
「ロザリアンが転生者......」
驚きが隠せない。アグやグレン様やルプ様に心配させている。しっかりしなきゃ‼︎
「ユリアさん」
「......ロザリアン様」
不意に私に近づき耳元で囁いた。
「ちゃんと様付けできるよね?偉いわ」
「......」
「私とあなたの格の違いを見せてあげるわ。所詮はモブとヒロイン。あなたに勝ち目なんてない」
そう冷たく言うロザリアンは私の知っているヒロインじゃない。
ロザリアンはとても明るく穏やかで優しい。健気でみんなから愛されるヒロイン。悪魔に体を乗っ取られて自由の効かない可哀想な人。
「実はねぇ、今も私の体は悪魔に侵蝕させつつある。だから早くところあの三人助けてもらわなきゃ」
やめて。あの三人に近づかないで。でも私にはそれを言う資格はない。言ってしまえば小説の内容を変えてしまう。それだけは避けなければならない。だから駄目。収まれ。収まれ。この気持ち収まって‼︎
「私は行くわ。せいぜいモブらしく悪足掻きでもするのね?」
「......」
何も言い返せない。所詮モブはヒロインに勝てない。彼女は誰からも愛される。だからあの三人もきっとそう。
そう悶々と考えつつ部屋に戻った。
「......」
わかっていたことよ。いずれヒロインが出てくるってわかってたのに......わかっていたつもりなのにこんなにも胸が苦しいの。
コンコン
私が少し泣いているとドアをノックする音が聞こえた。
「はい」
「俺だよ。アグだよ。ユリア、今いいか⁇」
「い、今開けます」
そう言って目を擦り慌ててドアを開けた。
ガチャ
「ユリア......って⁉︎おまっ!すげえー顔だぞ?」
「え、えへへ......」
「何があったんだ?」
「なんでもありません」
あなたもロザリアンのところに行ってしまう。だからもう仲良くするのはやめよう。そうすれば傷つかない。
「なんでもなくないだろ?俺に言えよ!俺はお前の味方だ」
「......アグ」
どうして?どうしてその一言だけで涙が溢れてくるの?私はただこの世界で生きるのに精一杯なだけで、ただモブとして生きたい。そう思っただけなのに。
「うゔぅ!」
「え、えっ!ちょっ⁉︎な、なんで泣くんだ?泣くな。俺が側にいるだろ?」
「......き......ですか?」
「えっ?なんて⁇」
「ヒック!ど、どんな時も、グスン。一緒にいてくれるの?グスグス」
「ああ、約束する」
その一言で安心する。
「うわあああん!」
ざわざわ
「何だ?」
「あの男子が女のことを泣かせた?」
「最低」
「ゲスの極み」
「ちげーわ!」
ギュッ
「私もアグの側を離れないようにする」
「お、おう」
そう言いながらもどこかでこの街をこの国を出て行こうと思っている気持ちは今は知らない。わからない。そう思いたい。
「何よ。本当にただのモブ⁇私はあなたを知らない。読んだこともない」
それにあの金色の瞳。あれ以外に特に目立つところなんてないのに、なんでみんなに愛されるの?意味がわからないわ。
「絶対に私の方が格上だと証明してやる!」
悪魔の支配下は私達を想像を絶するほどに強力だと知らない。
0
お気に入りに追加
10
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
婚約解消は君の方から
みなせ
恋愛
私、リオンは“真実の愛”を見つけてしまった。
しかし、私には産まれた時からの婚約者・ミアがいる。
私が愛するカレンに嫌がらせをするミアに、
嫌がらせをやめるよう呼び出したのに……
どうしてこうなったんだろう?
2020.2.17より、カレンの話を始めました。
小説家になろうさんにも掲載しています。
旦那様、そんなに彼女が大切なら私は邸を出ていきます
おてんば松尾
恋愛
彼女は二十歳という若さで、領主の妻として領地と領民を守ってきた。二年後戦地から夫が戻ると、そこには見知らぬ女性の姿があった。連れ帰った親友の恋人とその子供の面倒を見続ける旦那様に、妻のソフィアはとうとう離婚届を突き付ける。
if 主人公の性格が変わります(元サヤ編になります)
※こちらの作品カクヨムにも掲載します
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
深窓の悪役令嬢~死にたくないので仮病を使って逃げ切ります~
白金ひよこ
恋愛
熱で魘された私が夢で見たのは前世の記憶。そこで思い出した。私がトワール侯爵家の令嬢として生まれる前は平凡なOLだったことを。そして気づいた。この世界が乙女ゲームの世界で、私がそのゲームの悪役令嬢であることを!
しかもシンディ・トワールはどのルートであっても死ぬ運命! そんなのあんまりだ! もうこうなったらこのまま病弱になって学校も行けないような深窓の令嬢になるしかない!
物語の全てを放棄し逃げ切ることだけに全力を注いだ、悪役令嬢の全力逃走ストーリー! え? シナリオ? そんなの知ったこっちゃありませんけど?
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる