21 / 22
21話
しおりを挟む
「あ、あのアデル!お願いだからトイレにまでついて来ないでよ⁉︎」
「いーやー!」
みなさんこんにちは。ルディ.クララです。私は今、アデルがトイレの中までついて来ようとするのを必死に止めている最中です。
「アデル。私のプライバシーは?」
私がそう尋ねると、アデル(鳥の姿だが)満面の笑みで即座にプライバシーはないと言った。
「私はルディに使える仮神獣よ」
「んんん?」
今神獣って言ったよね?
この世界では神獣は神に等しい存在でみんなから崇められている存在だ。
「アデルって神獣だったの?」
私がそう聞くと頷ききょとんとした顔でこう言った。
「あら?言ってなかったかしら?」
「聞きてない!!!!!!!」
私が叫ぶように言ってもアデルはそっと気なく「そうだったかしら⁇」と言って、また私のそばから離れなかった。
ちなみにトイレはステラにアデルを押さえてもらって事なきを得た。
「はぁー」
アデルがそばにいるのは心強いけど、問題はウィルなのよね?
手紙の枚数が一週間前の倍だ。
内容はこうだ。
「「ルディに会いたいよ。君に会えない日は僕にとって無意味な人生と同じだ。だから早く会いたい」」とか
「「なんで返事くれないの?僕何かした?ルディに無視されたら僕は……ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」」とか
「「ルディは僕に会いたいよね?早く学園においでよ。その時は一緒に寝ようね?」」とか
「「愛しているよ。僕のルディは今日も絶対に可愛いよ。だからその変態がつくのが怖いよ。早く僕の手元に置きたいよ」」などなど!
そんなやばい手紙が数十枚に渡って一日にごとに届くのだ。
手紙の返事だけでも大変なのに読むのも数日かかるくらいだからなかなか返事ができなくてどんどんヤンデレ化が進んでいる気がする。
「ルディ……えっと、愛されているわね?」
またまた私の手紙の中身を見たアデルが苦情の笑みを浮かべながらそう言ってきた。
「ウィルはきっと、あの時の感謝の気持ちとか尊敬の気持ちとか敬愛の気持ちが恋だって思っているのよ。だから私も受け流して本当の出会いを見つけてほしい」
私がそう言うと、アデルが変な顔になりながらも私の頬に顔を押し付ける。
「ウィル君も大変ね?こんな鈍感な子に恋しちゃって……」
アデルがボソッとそう言ったのは私耳には届かなかったのだ。
「アデル!お前はいつまでルディ.クララのそばにひっつく気だ!」
「えっ?いつまでも?仮契約もしているから私はルディのそばにいるわ」
「よく覚えておけ。俺たちを敵に回すとどれだけ恐ろしいことになるか身をもってわからせてやる」
ウィルが学園から帰ってくる前に私はどこかへ消える運命なんて今の私には思いもしなかったのであった。
「いーやー!」
みなさんこんにちは。ルディ.クララです。私は今、アデルがトイレの中までついて来ようとするのを必死に止めている最中です。
「アデル。私のプライバシーは?」
私がそう尋ねると、アデル(鳥の姿だが)満面の笑みで即座にプライバシーはないと言った。
「私はルディに使える仮神獣よ」
「んんん?」
今神獣って言ったよね?
この世界では神獣は神に等しい存在でみんなから崇められている存在だ。
「アデルって神獣だったの?」
私がそう聞くと頷ききょとんとした顔でこう言った。
「あら?言ってなかったかしら?」
「聞きてない!!!!!!!」
私が叫ぶように言ってもアデルはそっと気なく「そうだったかしら⁇」と言って、また私のそばから離れなかった。
ちなみにトイレはステラにアデルを押さえてもらって事なきを得た。
「はぁー」
アデルがそばにいるのは心強いけど、問題はウィルなのよね?
手紙の枚数が一週間前の倍だ。
内容はこうだ。
「「ルディに会いたいよ。君に会えない日は僕にとって無意味な人生と同じだ。だから早く会いたい」」とか
「「なんで返事くれないの?僕何かした?ルディに無視されたら僕は……ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」」とか
「「ルディは僕に会いたいよね?早く学園においでよ。その時は一緒に寝ようね?」」とか
「「愛しているよ。僕のルディは今日も絶対に可愛いよ。だからその変態がつくのが怖いよ。早く僕の手元に置きたいよ」」などなど!
そんなやばい手紙が数十枚に渡って一日にごとに届くのだ。
手紙の返事だけでも大変なのに読むのも数日かかるくらいだからなかなか返事ができなくてどんどんヤンデレ化が進んでいる気がする。
「ルディ……えっと、愛されているわね?」
またまた私の手紙の中身を見たアデルが苦情の笑みを浮かべながらそう言ってきた。
「ウィルはきっと、あの時の感謝の気持ちとか尊敬の気持ちとか敬愛の気持ちが恋だって思っているのよ。だから私も受け流して本当の出会いを見つけてほしい」
私がそう言うと、アデルが変な顔になりながらも私の頬に顔を押し付ける。
「ウィル君も大変ね?こんな鈍感な子に恋しちゃって……」
アデルがボソッとそう言ったのは私耳には届かなかったのだ。
「アデル!お前はいつまでルディ.クララのそばにひっつく気だ!」
「えっ?いつまでも?仮契約もしているから私はルディのそばにいるわ」
「よく覚えておけ。俺たちを敵に回すとどれだけ恐ろしいことになるか身をもってわからせてやる」
ウィルが学園から帰ってくる前に私はどこかへ消える運命なんて今の私には思いもしなかったのであった。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
シチュエーションボイス台本
あおい
恋愛
シチュエーションボイスの台本です。
自作発言されるようなクオリティをしていないのでそのような事はないとは思いますが自作発言や転載はお辞め下さい。
動画や音声サイトに投稿する場合作者名あおいと記載お願い致します。
使う際一言くれたら全力で大喜びします笑
初心者なので暖かい目で見守ってくださると嬉しいです!!
【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
失恋した少年は、妹の友達に癒される
イズミント(エセフォルネウス)
恋愛
高校二年生の大谷真人は、一人の女子生徒から罰ゲームで付き合っただけと言われ、失恋してしまう。
ショックを隠し切れない真人を、妹の友達、かつ真人の親友の妹である少女が彼を支えようと決意する。
真人は、そんな少女に癒され、捨てようとしていた恋心が甦る。
同時に、真人とその妹に纏わる事情もその少女は知ることになるが、それでも真人の力になると決意する程に、真人の事を想うようになる。
*ざまぁ要素も一応あります。
義弟の為に悪役令嬢になったけど何故か義弟がヒロインに会う前にヤンデレ化している件。
あの
恋愛
交通事故で死んだら、大好きな乙女ゲームの世界に転生してしまった。けど、、ヒロインじゃなくて攻略対象の義姉の悪役令嬢!?
ゲームで推しキャラだったヤンデレ義弟に嫌われるのは胸が痛いけど幸せになってもらうために悪役になろう!と思ったのだけれど
ヒロインに会う前にヤンデレ化してしまったのです。
※初めて書くので設定などごちゃごちゃかもしれませんが暖かく見守ってください。
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます
久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。
その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。
1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。
しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか?
自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと!
自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ?
ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ!
他サイトにて別名義で掲載していた作品です。
魔性の悪役令嬢らしいですが、男性が苦手なのでご期待にそえません!
蒼乃ロゼ
恋愛
「リュミネーヴァ様は、いろんな殿方とご経験のある、魔性の女でいらっしゃいますから!」
「「……は?」」
どうやら原作では魔性の女だったらしい、リュミネーヴァ。
しかし彼女の中身は、前世でストーカーに命を絶たれ、乙女ゲーム『光が世界を満たすまで』通称ヒカミタの世界に転生してきた人物。
前世での最期の記憶から、男性が苦手。
初めは男性を目にするだけでも体が震えるありさま。
リュミネーヴァが具体的にどんな悪行をするのか分からず、ただ自分として、在るがままを生きてきた。
当然、物語が原作どおりにいくはずもなく。
おまけに実は、本編前にあたる時期からフラグを折っていて……?
攻略キャラを全力回避していたら、魔性違いで謎のキャラから溺愛モードが始まるお話。
ファンタジー要素も多めです。
※なろう様にも掲載中
※短編【転生先は『乙女ゲーでしょ』~】の元ネタです。どちらを先に読んでもお話は分かりますので、ご安心ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる