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私が守りたいもの

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 「ぐっ!」
 「なんなんだよ。この女!」
 「全然倒れないぞ?」
 「言ったでしょ⁇此処から先は絶対に行かせないって……ルークは私が守る」
 皆さんこんにちは。ラティスです!私は今、村の人達と戦っている最中です。
 詳しくはやり直しをご覧ください。
 「私が守る。過去を変えるの。ルークを助けるって言ったんだから。だから諦めない」
 ピキッ
 「……」
 セリファの崩壊が思ったよりも早い。このままだと、ルークを逃す時間を稼げないかもしれない。
 私がそんなことを考えていると、モールド家の初代当主が奥からやって来た。
 「一体何の騒ぎだ?」
 私はひとつある考えを思いついた。私の考えが正しければもしかしたら初代当主に力を貸してもらえるかもしれない。
 「……お願い。ルークを守って!」
 「は?」
 言葉を間違えた!?いきなり守ってって!そうじゃないでしょ!?私の大馬鹿!こんなんじゃ説得どころか疑いの目で見られる。
 「意味がわからない」
 私が思っていることは多分あってるはず。だったらもうこれは押し通るしかない!もうこの道しか残されてないから!
 「ルークを救いたいのは私だけじゃない。貴方もそう思っているはず」
 「……」
 なんなんだこの娘は?さっきから意味不明なことばかり言っている。ルーク様にすごく似ているが違う。雰囲気が彼の方よりもずっとやばい。
 「ルークをこのまま神の生贄にするつもり?そんなの許されることなの?ルークだってひとりの人間なのに‼︎」
 私の言葉に思うところがあったのか村の人達は一斉に目を逸らし俯いた。
 村の人達はわかっているんだ。こんなとこは間違っている。
 「ルークを此処まで追い詰めて楽しい?ひとりの人間にそこまで執着するだなんてこの村は恥しか居ないのね⁇」
 私がそう冷たく笑うと皆んな怒り出し口々に悪口を言って来た。
 「……」
 皆んな身勝手だ。
 「初代当主様。貴方はもうわかっておられる。だからそこまだやり直せる。守れる。だからお願い。ルークを死なせないで」
 あの黒のモヤの中からずっと、貴方の声が聞こえて来た。謝りたい。やり直したい。罪悪感、後悔、絶望。そんな感情が込み上げて来る。
 私もその気持ちはわかるから。どんなに悔やんでももう戻ってこないものがある。ルークを……ううん。私は自分自身の心を守りたいんだ。だけど、この世界からルークが消えることは許されない。許しちゃいけない。
 「初代当主様。貴方だってもう後悔はしたくないはず。だから私を信じてこの腐った世界を変えませんか?」
 私はその泣きそうな顔で言った。
 私にはもう時間がない。だから守ってあげられる人がいないと駄目なの。ルークを守れる存在じゃなきゃ駄目なの。
 私は祈るように手を重ねて、初代当主をじっと見つめた。
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