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ルークとラティス

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 「誰も私を見てくれない!」
 「そんなこと......」
 「あるよ!もう嫌!こんな世界いらない。皆んな皆んな消えてしまえばいいんだ‼︎だから......」
 パチィッ
 「は......⁇」
 叩かれた?私が⁇生まれてから誰にも叩かれるどころか叱られたことすらないのに......。
 「......ルークいい加減にしなさい‼︎」
 「......」
 「誰もルークを見てくれない⁇は?ふざけているの?ノルやレイセリファの皆んなは見てくれているじゃない」  
 「そんなことない!私のことなんて本当はどうでもいいんだ」
 「貴方はなんでそんなに......」
 そんなに悲しいことを言うの?特にノルはルークのことが好きで好きでたまらないはず。ノルはノワールじゃないってわかっていても胸が苦しくなる。目の前に居るノルがノワールに見えてどうしようもない気持ちになる。
 「ルークは愛されているよ。ちゃんと見てくれている人達は目の前に居るんだよ⁇なんでわかってあげられないの‼︎」
 「わかるはずがない。私は自分の意志で外に出たことが無かった。私は長く生きることが出来ないってずっと言われ続けて来た。本当は生きたいよ」
 「ルーク。私は貴方を救うことも......何もしてあげることも出来ないけど......それでもルークをわかってくれる人は居るんだよ」
 過去を変えることが出来なくてもルークはノルという運命の人とずっと一緒に居た事実は変わらない。
 「私は神様だから皆んなを平等にしなくちゃならない。だから......だからノルの気持ちにも応えなかったのに......死ぬなんてあんまりだよ」
 「......」
 「だからレイセリファを使ってこの世界をリセットしようって思ったのに......君のせいで計画が台無しだよ」
 「......」
 今、自分に出来ることはたったひとつだけ。
 ギュッ
 「え......」
 「大丈夫。私が貴方の意思を想いを全部背負って持って行くから」
 「何を言って......」
 「たとえ、次元が違っても過去を変えられなくても生きる時代が違っても私は貴方を......ルーク.ハートをちゃんと見たってことだよ」
 「......君の名前は何⁇」
 「ごめんなさい。教えられない」
 「どうして⁇」
 「教えることは出来ない」
 「君のその言葉になんの意味があるかわからないが、意味は聞かない」
 やめるのか⁇お前が望んだ世界を創り出すことが出来るのだぞ‼︎
 「もういいよ。運命を受け入れる時が来た」
 それにどうせうまくいかない。この計画はきっと、ノルや他の魔導師達に止められたと思う。神様だからって万能じゃない。
 「......ルーク」
 ズキン
 「ゔっ!」
 「ど、どうしたの?」
 「なんでもない」  
 この世界に定着してない⁇それどこから追い出されそうになっている⁇じゃあ今までの痛みは追い出されそうになっていただけなの?どうして⁇この世界は記憶の名という夢の世界。だから此処に定着した時点で出る方法なんてない。いや。誰が意図的に追い出しているとしたら一体誰が⁇
 「き、君、体が透けて......」
 「お別れだね」
 「嫌だ......私をちゃんと見てくれるのは......」  
 ニコッ
 「私はノワールの光‼︎」
 「は?」
 「ねぇノル」
 「な、なんだ⁇」
 「貴方にもきっとあるよ。ノルだけの希望の光がある」
 「何言っているんだ⁇」
 「ルークを頼むね」
 そう言って、不思議な女の子は消えていった。まるで、最初から最後までこうなるとわかっていたかのように。
 「ルーク。俺はお前が本気で好きなんだ」
 「......今は何も言えない」
 明日はあの日だから。だから今答えを出してしまったら後悔する。きっと未練たらたらになってこの世界から離れられなくなるに決まっている。私は真の神様になれない。もしなれるとしたらさっきのあの子しかいない。私はそう思った。
 明日は神様の儀式の日だ。
 
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