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定められた運命

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 ノルと初めてのファーストキスをした翌日このこと。
 「ルーク様。そろそろあの日が近づいています」
 「......はい」  
 ちなみにノルは不在中
 「後少しの人生悔いのないようにお過ごしください」
 「わかりました」
 「......では失礼致します」  
 バタン
 「......」
 何を甘えていたんだろ?わかっていたことよ。私は最初から長くは生きられない運命。そう定められた運命なのだから。私は逆らわない。神様だから。
 「......でもノルともっと生きて居なかったなぁ......」
 「おい。それどういうことだ?」
 「の、ノル!?」
 「もっと生きて居たかったって......どういう意味だよ?ルーク」
 「......」
 「黙ってちゃわからないだろ?」
 「......私は生まれた時から長くは生きられない運命なの」
 「は?意味わかんねーよ」
 「神様は年頃になると神の滝に落とされる。それで生き残れたら真の神様として認められる。もし死んでも加護が貰える。つまり町の人達には損なんてないってことだよ」
 「お前はそれでいいのか?」
 「生まれた時点で決まった運命ならそれでいい」
 「本当なのか?」
 「......嘘だよ」
 「ルーク」
 「私は人間が嫌い!人間が憎い!だって、何もしないくせに......私に頼って来て......神様だからって汚れ仕事をやらされて、多くの人の命を踏み躙って来た!もうそんなの嫌なの。誰も殺したくない。誰も死んでほしくない。誰も傷付けたくない‼︎」
 「......ルーク」
 「......でもこんな所に閉じ込める人間達が嫌いでどうしようもなく憎いの。信じられるのはノルだけ。他の人なんて本当はどうでもいい!」
 ギュッ
 「わかった。わかったから......落ち着け」
 「死にたくない。死にたくないよ!」
 本当はノルともっともっと長く生きて君と添い遂げたい。運命からは逃れられなくても私はノルとずっと一緒に歩んで行きたい。
 「ノル。私決めた。もう人間は守らない」
 「ルーク⁇」
 「ずっと考えていたんだ。私に出来ることをね」
 「これって、セリファか?でも少し違うような......」
 「これはセリファではない。人知を超えた存在。名前を付けるならそうだな?レイセリファ」
 「レイセリファ⁇」
 「これが私の復讐」
 「何言って......」 
 「人間が始めた戦争は私のこの手で消し去ってやるまでよ」
 「ルーク。本気なのか?」
 「この顔を見てもそう言える?」
 「......」
 本気だ。顔を見なくてもわかる。こいつの逆鱗に触れたんだ。やってはいけないことをやってしまった人間共を殺すまではきっと、ルークは止まらない。
 「何も出来ないのか?」
 自分には止める手立てはないのか?
 ノルはどうにかルークを止める方法を考えるのであった。
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