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暗闇の中の光
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「ノル‼︎ほんっとごめん!」
「もういいって......」
マジで後何回謝る気だ?かれこれ一時間ぐらいは誤り倒しているんじゃないか?
「私は結局、ノルの自由を奪ってしまった。君を私の大魔法使いだって言うつもりなんてなかった。それに......勝手に苗字を考えて、ノルの気持ちなんてお構いなしだった」
「そんなことねぇよ」
「え?」
「その名前を考えてくれてサンキューな。えっと、嬉しかった」
「......ノル」
「だからもう落ち込むな」
「うん。そうだね」
ノルが私専属の大魔法使いになってから早数ヶ月。私達は今日も神の間に居る。昔よりかは行動出来る範囲はあるけど、神の間のドアには触れられない。ノルも私と同じで、神の間に閉じ込められることになった。
「ノル。此処に居て息苦しいとか思わないの?私は昔から此処に居るからなんとも思わないわけではないけどね」
「ん?俺、たまに外に出てるぞ」
「え?ええええええええええええええ!?」
「あれ?言ってなかったけ?」
「聞いてない!何?どうやって出てるの?結界は?え?どうゆーことなの!?」
「お、落ち着け。瞬間移動すれば結界なんて発動しないぜ」
「そ、そうなの?」
「まぁ、俺は全属性魔法持ちだからな!全属性魔法持ちだからな‼︎」
「な、なんで、二回言ったの⁇」
それに全属性魔法持ちって......全属性持ちじゃなくて?まぁ突っ込まないでおこう。
「なんとなく」
「そ、そう?」
「お前に海を見せてやるよ。ちょうど深夜だしな。誰も此処には来ないだろ」
「そ、そうだね。一度も......いや。ノルと初め会った時だけ来たな」
「つまりはよっぽどのことがない限りは此処には来ないってことだな?」
「うん。そうだね」
「じゃあ行くぜ」
パチンっと指を鳴らしたノル。気が付いたら目の前に一面の水が広がっていた。
「此処が海?」
「ああ」
「綺麗」
月明かりに照らされて海がほのかに光る。
私に光なんてない。ずっと暗闇の中に居た。でも光はあるんだって思いたい。だって、ノルと出会えたことが私にとって、一番の奇跡で光なんだから。
「ねぇノル。私ねぇ、今がとても幸せ!ノルと一緒に居られることが私の幸せなんだって気付いたの」
「......そうか。そうだよな?俺達は二人一緒に居れば幸せなんだよな?」
「当然だよ!」
「ルーク。そのキスしてもいいか?」
「え?えっ!?」
「お前ともっと触れ合いたい」
「いや......あの......その......」
「駄目か⁇」
クゥーン
「あばばばば‼︎」
こんな子犬みたいな顔で迫って来たら拒否出来ないよ!うわああん!
「い、一回だけなら......」
「ルーク」
「......ノル」
チュッ
ノルと私の唇が触れ合う。私の心が満たされていく。私はノルが好き。だからこうして、ノルと触れ合いたかったんだ。だからこそ辛くなる。いつかは別れてしまうのだから。そう決まった運命なのだから。
「そろそろ頃合いではありませんか?」
「いいや。我らの神はまだ幼い。後もう少し待つべきだ」
「早くあの神をあの滝に突き落として加護を貰いたいですね」
「まぁ、あの小娘のおかげで、我が国もかなりの裕福になりましたからね」
「大丈夫です。神様は逃げ出しませんよ。何故ならそう教育をしてきましたから」
「もういいって......」
マジで後何回謝る気だ?かれこれ一時間ぐらいは誤り倒しているんじゃないか?
「私は結局、ノルの自由を奪ってしまった。君を私の大魔法使いだって言うつもりなんてなかった。それに......勝手に苗字を考えて、ノルの気持ちなんてお構いなしだった」
「そんなことねぇよ」
「え?」
「その名前を考えてくれてサンキューな。えっと、嬉しかった」
「......ノル」
「だからもう落ち込むな」
「うん。そうだね」
ノルが私専属の大魔法使いになってから早数ヶ月。私達は今日も神の間に居る。昔よりかは行動出来る範囲はあるけど、神の間のドアには触れられない。ノルも私と同じで、神の間に閉じ込められることになった。
「ノル。此処に居て息苦しいとか思わないの?私は昔から此処に居るからなんとも思わないわけではないけどね」
「ん?俺、たまに外に出てるぞ」
「え?ええええええええええええええ!?」
「あれ?言ってなかったけ?」
「聞いてない!何?どうやって出てるの?結界は?え?どうゆーことなの!?」
「お、落ち着け。瞬間移動すれば結界なんて発動しないぜ」
「そ、そうなの?」
「まぁ、俺は全属性魔法持ちだからな!全属性魔法持ちだからな‼︎」
「な、なんで、二回言ったの⁇」
それに全属性魔法持ちって......全属性持ちじゃなくて?まぁ突っ込まないでおこう。
「なんとなく」
「そ、そう?」
「お前に海を見せてやるよ。ちょうど深夜だしな。誰も此処には来ないだろ」
「そ、そうだね。一度も......いや。ノルと初め会った時だけ来たな」
「つまりはよっぽどのことがない限りは此処には来ないってことだな?」
「うん。そうだね」
「じゃあ行くぜ」
パチンっと指を鳴らしたノル。気が付いたら目の前に一面の水が広がっていた。
「此処が海?」
「ああ」
「綺麗」
月明かりに照らされて海がほのかに光る。
私に光なんてない。ずっと暗闇の中に居た。でも光はあるんだって思いたい。だって、ノルと出会えたことが私にとって、一番の奇跡で光なんだから。
「ねぇノル。私ねぇ、今がとても幸せ!ノルと一緒に居られることが私の幸せなんだって気付いたの」
「......そうか。そうだよな?俺達は二人一緒に居れば幸せなんだよな?」
「当然だよ!」
「ルーク。そのキスしてもいいか?」
「え?えっ!?」
「お前ともっと触れ合いたい」
「いや......あの......その......」
「駄目か⁇」
クゥーン
「あばばばば‼︎」
こんな子犬みたいな顔で迫って来たら拒否出来ないよ!うわああん!
「い、一回だけなら......」
「ルーク」
「......ノル」
チュッ
ノルと私の唇が触れ合う。私の心が満たされていく。私はノルが好き。だからこうして、ノルと触れ合いたかったんだ。だからこそ辛くなる。いつかは別れてしまうのだから。そう決まった運命なのだから。
「そろそろ頃合いではありませんか?」
「いいや。我らの神はまだ幼い。後もう少し待つべきだ」
「早くあの神をあの滝に突き落として加護を貰いたいですね」
「まぁ、あの小娘のおかげで、我が国もかなりの裕福になりましたからね」
「大丈夫です。神様は逃げ出しませんよ。何故ならそう教育をしてきましたから」
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