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神様と大魔法使い

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 私はこれからもノルと一緒に居たい。でもその気持ちがノルを縛るのなら居られない。私はノルに自由で居てほしい。私みたいに自由を奪われてこんな所に閉じ込められて欲しくない。でも本音を言うと側に居てほしい。私はわがままだ。
 「君がこれ以上過ちを犯さないためにも私も君も側に居るべきじゃない。だからごめんね?」
 「嫌だって言っているだろうがよ!わかれよ!」
 「ごめん。君のその考えには賛同出来ない。私が此処から出て行くのは皆んなにとっても私にとってもノルにとってもいいことがひとつもない」
 「......」
 「わかってくれる?」
 「言っただろ?俺はお前の側を二度と離れないって!なのになんで?なんで突き放そうとしているんだよ?」
 「......」
 「黙っていても何もわからねぇぞ」
 「......言えない」
 「は?」
 「言ったら君はその真逆の行動をする。だから言わない」
 「お前は黙りを決め込めばいいって思っているだろ?」
 ギクッ
 「......っ!」
 「俺は必ずお前の側に居て味方になる。そう決めたんだよ」
 「......」
 こんなにも想ってくれて、こんなにも好きなのに......神様ってだけで何もかも諦めなちゃいけない。だからノルの想いには応えられない。
 「今日は帰るが明日また来るぜ」
 「......」
 「またな」
 ボソッ
 「......またね」
 ノルが帰った後、私はひとりで悩んだ。
 このままでいいのか?このままで......この関係を続けていいの?どうしたらいいの?わからないよ!
 「......ノル」
 今日もの名を呼ぶたび私の胸の鼓動が高鳴る。
 もう否定出来ない。それぐらい。君が......ノルが好きだ。ノルが好きで好きでたまらない。
 「......」
 翌日の早朝
 ドーン
 「ルーク様!侵入者です‼︎」
 「し、侵入者⁇」
 「は、離せ!」
 「の、ノル!?」
 「お知り合いですか?」
 「おい!ルーク‼︎こいつらなんとかしろよ」
 「......すみません。全く知らない人です」
 「は......?」
 これで諦めてくれるならいいな?これで私を嫌いになってほしい。そうすればもうこんな気持ちにはならない。
 「......ごめん」
 「ルーク。ふざけんなよなぁ。俺言ったよな?お前の側を離れないって!言ったじゃねぇかよ!」
 「......」
 「連れて行け。そして殺せ」  
 「......え」
 「は?」
 「ま、待ってください。な、何故彼を死刑に?」
 「我々の神、ルーク様の名を呼び捨てにした。だから死んで詫びるのです」
 「......」
 考えてなかった。神様だから皆んな特別扱いをする。でも名前を呼び捨てしただけで死刑になるなんて思ってもみたかった。
 「連れて行け」
 「やめて!」
 「る、ルーク様?」
 やば!引き止めちゃった。でもやるしかない。
 「その者を死刑にしてはなりません‼︎」
 「何故です⁇この者は貴方様を呼び捨てにしたのですよ?死刑でしょ?」
 「黙りなさい。君達は神である私に逆らうのですか?」
 ビクッ
 「そ、そんなことは......」
 なんだ。いきなり凄い圧を感じる。まるで......その前に虎がいるかのように......。
 「私、ルーク.ハートが命じる。ノルを......いいえ。ノル.ウィーングを我々の大魔法使いとして任命する」
 勝手に苗字考えちゃった。テヘッ!
 「ええええええええええええ!?」
 ごめん。ノル。君を救える方法がこれしか思い付かなかった!本当にごめんね!
 心の中で、ルークは謝罪の嵐だったのであった。
 
 
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