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三人の時間

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 ベールが仲間になり街に戻った私達。
 「疲れた」  
 「ベールのせいで疲れた」
 「ノワール、アリアス。心配かけてごめんね。でもね、武器を下ろしてね」
 「......」
 目の前で武器を振り回されたらこっちが困るとは言えない。
 「いや」
 「......え」
 「そうだな。まだ魔物がいるかもしれないからな」
 「此処街だよ?」
 「だから?」
 ひぃぃぃ!剣が!剣が目に当たるスレスレだ!怖い‼︎
 「ノワール。剣が近いよ。ラティスに当たったらどうするつもり⁇」
 「そうゆーお前は俺よりかは近いじゃねぇかよ」
 「え?」
 お、おでこに当たってるよ!少し切れているよ。助けて!
 「ん?ぎゃああ!?ラティスごめんね?全然気付かなかった」
 「う、うん。わかったから剣を下ろして。怖いからね?」
 「わかったよ」
 少ししゅんってなったアリアス。
 やばい。命が幾つあっても足りない気がする。早く終わってほしい。お願いします!
 「アリアスは駄目な奴だな」
 火に油を注ぐな!
 「は?ノワールだけには言われたくない!」
 「は?どう言う意味だよ?」
 「だってそうでしょ⁇ラティスのこと放置して神の仕事?ばかりにかまけている奴にラティスを任せられない」
 待って!なんの話なのこれ?誰か説明して!?てか助けて‼︎
 「いきなりなんの話だよ?お、俺がそのラティスが好きとかありえない......んだよ」
 「クスクス。ノワール。顔真っ赤だよ?」
 「う、うるせ‼︎」
 「でもよかったね。当の本人は気付いてないよ」
 「え?」
 「ん?ごめんね。声が小さくてよく聞き取れなかったよ」
 「そ、そうか。なら良かった」
 「わ、私先に宿に行ってるね」
 「あ、ああ」
 「......」
 え?嘘でしょ!?ノワールが私を好き!?いやいや。流石にありえないよね?
 当の本人はばっちりと聞こえてます。
 やばい。心臓がバクバク言ってる。私はノワールのことが好きなの⁇ううん。好きになってはいけない。私にはその資格がない。誰かを信用することを諦めた私にはそんな資格ない。
 夜
 「......」
 「ね、ねぇ?アリアス⁇私に何か用事⁇」
 なんでずっと私を見てるの⁇なんか怖いよ!ひぃぃぃ‼︎
 「うん。ちょっとね。後でお風呂で話し合う」
 「え?」
 「させるか!」
 「ノワール⁇ラティスの裸を見たいって言うの⁇変態‼︎」
 「ち、違っ!?そんなわけないだろうがよ!誰が好き好んで、ラティスの裸を見るんだよ!興味もねぇよ!」
 しーん
 「そ、そうだよね?私に魅力なんてないよね?」
 「......あ。いや。その違くて......えっと......」
 「ということで、ラティスは借りるよ」
 「あ、あああああ‼︎」
 浴槽
 「あの話聞いてたんだね?」
 ギクッ
 「な、なんのことかなぁ?」
 「ラティスは嘘が下手だね。見てればわかるよ。最初は気付いてないって思ってたけど......ラティスはどうなの⁇」
 「へ?なにが⁇」
 「ノワールの事好きなの⁇」
 「はあ!?」
 なんで今その質問をするの⁇意味わからないよ!
 「べ、別に嫌いじゃないよ。私が転生してからずっと一緒に居てくれるから......」
 「やっぱりノワールを消そうかなぁ?」
 「あ、アリアス⁇なに物騒なこと考えてるの⁇やめようね?」
 「嘘だよ。嘘......一割はね」
 「冗談成分少ないな!」
 「そろそろ上ろうか。ラティスの好きなようにすればいいよ。決めつけないでね」
 「......うん」
 そのあとノワールと合流して三人の時間を楽しんだ。
 「ラティス。その話があるんだ」
 「ん?ノワール⁇どうしたの⁇話ってなに?」
 「こ、此処じゃなんだし......その......二人っきりになりたいんだ」
 「別にいいけど⁇」
 ノワールどうしたんだろう⁇顔が赤いような気がする?風邪?
 前言撤回!ラティスはやっぱり鈍い!
 そう思うアリアスなのであった。
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