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救いの手
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流石に生意気すぎた⁇でももう引くに引けない。
「ルミエールと言ったか⁇」
「はい」
「そこで倒れているのは双子の兄だということを忘れたのか⁇」
「それがなんです?」
「は?兄を尊敬していないのか?」
「尊敬も何もできないですよ。そんなこと......」
「ふーん。この俺にその口の聞き方といい兄に対してもその態度か......」
「私は事実を言ったまでです」
「ぷっ!」
「え......」
「ぷっあはは‼︎面白い。気に入ったぞ。ルミエール.シャイニング」
「......」
「その怪訝そうな顔ますます気に入った。他の奴らとは大違いだな?」
「はぁー。お褒めの言葉ありがとうございます」
「心がこもってない」
「すみません」
「だ、ダリュー⁇」
「言っただろ?公式の場では皇太子と呼べと」
「......っ」
「あーそうだった。そろそろ魔力返してあげるわ」
私はそう言ってパチィンと指を鳴らした。
「立てる?足に力が入る!」
「これに懲りたら自分の適正を把握することね?自分に合ったやり方じゃないと死ぬわよ?」
ゾワッ
「......」
「リュミエール。私は貴方が嫌いだけど......不幸な道に進んでほしいなんて微塵も思ってないから」
これは本心だ。リュミエールは調子に乗っただけ。悪いのは両親だ。
「あの子もとうとう出来損ないになってしまったのね?」
「あの部屋行き確定だな?」
舞踏会のやらかしから数ヶ月が経過。
「ルミエール。最近、リュミエールの話題がないの。社交界にも出席してないの」
「......」
「あんな馬鹿でも私にとって弟よ。だからルミエールももし許してくれるのなら......」
ティアお姉様は最後まで言わなかった。いや言えなかった。あんなことがあった私を気遣ってくれたのだ。本当に優しい人。
「はぁー」
本家シャイニング家のお屋敷
ゴンッ
「ぐぅ!」
「あんただけが最高傑作だって思ってたのに!とんだ裏切りだわ!」
「お、お母様......」
「そうだな?あんな公の場で醜態を晒すなんて馬鹿らしい」
「......馬鹿らしいのはストレスを実の子に発散している貴方達よ?」
「る、ルミエール⁉︎」
「戻って来てくれたのか⁇」
「いいえ。リュミエールを向かいに来たのよ。こんな毒でしかない親の元に居たらさらに駄目になる」
「なん......だと⁇」
「あんた!親に向かって......」
「実の子を平等に愛せない奴が何を偉そうに......」
「言わせておげは!」
「あんたなんて産まなければよかった!」
「はっ?私だって産んでくれなんて頼んでない!こんなクソ親の元に生まれるぐらいならいっそのこと流産してくれればよかったわ」
「な、なあっ!」
「早く行くわよ?リュミエール」
「......ルミエール⁇」
「早くしなさい。じゃないと一生その中で暮らす事になるわよ?」
「ぼ、僕を許してくれの?」
「はぁ⁇許すわけないでしょ⁇ティアお姉様が助けてあげてくれなんて言わなきゃ貴方を向かいに来ることはまずなかったでしょうね?」
「そうか......」
だよな?あれだけのことをした自覚はある。いつからだったろうか?ルミエールを見下し。自分自身が変わってしまったのはいつからだろう⁇もうわからない。
ぐいっ
「あーめんどくさい。早く立って行くわよ」
「ま、待ちなさいよ!リュミエールはこれでもシャイニング家の跡取りなのよ?行かせるわけが......」
「ブリザード」
シュー
「これ以上の話無駄。早く行くわよ」
「う、うん」
「リュミエール!お前はきっと後悔する。その時が来てももう知らんぞ」
「安心して。貴方達は今日から徐々に落ちぶれて行くから。安心してちょうだい」
「この親不孝者達が!」
「その親不孝者が本気を出したらこの家をなかった事にできるのよ?」
「ぐっ!」
「じゃあいつか潰れる日まで楽しい貴族生活を送ればいいわ」
そう言って私とリュミエールは屋敷の外へ出て行った。
「あ、あの、今までごめん!ルミエール。今更謝っても許してくれないかもだけど......」
「許さないわ」
「......」
「......だけど、私の計画に手を貸してくれるのなら考えなくもないわ」
「えっ⁉︎」
「あの二人を徹底的に潰したいの。だから協力して」
「......」
「ヒール」
「えっ?怪我が治って......」
「その怪我じゃ大婆様の所に行けないでしょ⁇」
「お、大婆様⁉︎」
「えぇ。今からそこに行って自分の行いを悔いたら私の屋敷に来てもいいわ。それだけは許してあげる」
「ルミエール」
「勘違いしないで。今でも私はリュミエールが嫌いだし憎んでるのよ」
「ごめん......」
「でもあの二人ほどは憎んでない。私と手を組むか?あの地獄に戻るか?どちらが賢い選択かはリュミエールでも変わるわよね?」
「うん。僕これからは心を入れ替えて家族を守るよ。もうあんな奴らは家族じゃない」
「あらそう?」
確かにあんな仕打ちをされたらそうなるわね?あんな奴らが五人も産むなんてどうかしてる。
リュミエールを仲間に引き入れてさらに私の計画が進む。
「あいつらを殺さなきゃ。じゃないと私が!」
迫りゆく脅威にまだ誰も気付いていない。
「ルミエールと言ったか⁇」
「はい」
「そこで倒れているのは双子の兄だということを忘れたのか⁇」
「それがなんです?」
「は?兄を尊敬していないのか?」
「尊敬も何もできないですよ。そんなこと......」
「ふーん。この俺にその口の聞き方といい兄に対してもその態度か......」
「私は事実を言ったまでです」
「ぷっ!」
「え......」
「ぷっあはは‼︎面白い。気に入ったぞ。ルミエール.シャイニング」
「......」
「その怪訝そうな顔ますます気に入った。他の奴らとは大違いだな?」
「はぁー。お褒めの言葉ありがとうございます」
「心がこもってない」
「すみません」
「だ、ダリュー⁇」
「言っただろ?公式の場では皇太子と呼べと」
「......っ」
「あーそうだった。そろそろ魔力返してあげるわ」
私はそう言ってパチィンと指を鳴らした。
「立てる?足に力が入る!」
「これに懲りたら自分の適正を把握することね?自分に合ったやり方じゃないと死ぬわよ?」
ゾワッ
「......」
「リュミエール。私は貴方が嫌いだけど......不幸な道に進んでほしいなんて微塵も思ってないから」
これは本心だ。リュミエールは調子に乗っただけ。悪いのは両親だ。
「あの子もとうとう出来損ないになってしまったのね?」
「あの部屋行き確定だな?」
舞踏会のやらかしから数ヶ月が経過。
「ルミエール。最近、リュミエールの話題がないの。社交界にも出席してないの」
「......」
「あんな馬鹿でも私にとって弟よ。だからルミエールももし許してくれるのなら......」
ティアお姉様は最後まで言わなかった。いや言えなかった。あんなことがあった私を気遣ってくれたのだ。本当に優しい人。
「はぁー」
本家シャイニング家のお屋敷
ゴンッ
「ぐぅ!」
「あんただけが最高傑作だって思ってたのに!とんだ裏切りだわ!」
「お、お母様......」
「そうだな?あんな公の場で醜態を晒すなんて馬鹿らしい」
「......馬鹿らしいのはストレスを実の子に発散している貴方達よ?」
「る、ルミエール⁉︎」
「戻って来てくれたのか⁇」
「いいえ。リュミエールを向かいに来たのよ。こんな毒でしかない親の元に居たらさらに駄目になる」
「なん......だと⁇」
「あんた!親に向かって......」
「実の子を平等に愛せない奴が何を偉そうに......」
「言わせておげは!」
「あんたなんて産まなければよかった!」
「はっ?私だって産んでくれなんて頼んでない!こんなクソ親の元に生まれるぐらいならいっそのこと流産してくれればよかったわ」
「な、なあっ!」
「早く行くわよ?リュミエール」
「......ルミエール⁇」
「早くしなさい。じゃないと一生その中で暮らす事になるわよ?」
「ぼ、僕を許してくれの?」
「はぁ⁇許すわけないでしょ⁇ティアお姉様が助けてあげてくれなんて言わなきゃ貴方を向かいに来ることはまずなかったでしょうね?」
「そうか......」
だよな?あれだけのことをした自覚はある。いつからだったろうか?ルミエールを見下し。自分自身が変わってしまったのはいつからだろう⁇もうわからない。
ぐいっ
「あーめんどくさい。早く立って行くわよ」
「ま、待ちなさいよ!リュミエールはこれでもシャイニング家の跡取りなのよ?行かせるわけが......」
「ブリザード」
シュー
「これ以上の話無駄。早く行くわよ」
「う、うん」
「リュミエール!お前はきっと後悔する。その時が来てももう知らんぞ」
「安心して。貴方達は今日から徐々に落ちぶれて行くから。安心してちょうだい」
「この親不孝者達が!」
「その親不孝者が本気を出したらこの家をなかった事にできるのよ?」
「ぐっ!」
「じゃあいつか潰れる日まで楽しい貴族生活を送ればいいわ」
そう言って私とリュミエールは屋敷の外へ出て行った。
「あ、あの、今までごめん!ルミエール。今更謝っても許してくれないかもだけど......」
「許さないわ」
「......」
「......だけど、私の計画に手を貸してくれるのなら考えなくもないわ」
「えっ⁉︎」
「あの二人を徹底的に潰したいの。だから協力して」
「......」
「ヒール」
「えっ?怪我が治って......」
「その怪我じゃ大婆様の所に行けないでしょ⁇」
「お、大婆様⁉︎」
「えぇ。今からそこに行って自分の行いを悔いたら私の屋敷に来てもいいわ。それだけは許してあげる」
「ルミエール」
「勘違いしないで。今でも私はリュミエールが嫌いだし憎んでるのよ」
「ごめん......」
「でもあの二人ほどは憎んでない。私と手を組むか?あの地獄に戻るか?どちらが賢い選択かはリュミエールでも変わるわよね?」
「うん。僕これからは心を入れ替えて家族を守るよ。もうあんな奴らは家族じゃない」
「あらそう?」
確かにあんな仕打ちをされたらそうなるわね?あんな奴らが五人も産むなんてどうかしてる。
リュミエールを仲間に引き入れてさらに私の計画が進む。
「あいつらを殺さなきゃ。じゃないと私が!」
迫りゆく脅威にまだ誰も気付いていない。
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